【モノづくりのヒント】一家に一台ロボットがある暮らし。ユカイ工学・青木俊介

ものづくりのコンセプトやこだわり



――ロボットを作るときは青木さんも製作に加わるのですか?

青木:BOCCO」に関しては、僕も最初の試作機の製作は一緒にやっていました。コンセプトを作るというだけではなく、実際に試作機を作って動かすところまでやっていましたね。

それをCEATEC(シーテックジャパン)で発表したら、思いのほか反響があって。すぐに量産が決まりました。それ以降、僕は開発の方はほとんどタッチしていなくて、むしろ製造がメインになっています。

外出先からスマートフォンを使って、自宅に置いてある「BOCCO」にメッセージを送ることができるロボット。アプリに録音した音声と、テキストのメッセージを送ることができ、BOCCOがそのメッセージを可愛い仕草で読み上げてくれる。BOCCOからも音声で返事が送れるので、家に一人でいる子どもと簡単にコミュニケーションが取れる。

外出先からスマートフォンを使って、自宅に置いてある「BOCCO」にメッセージを送ることができる。アプリに録音した音声と、テキストのメッセージを送ることができ、BOCCOがそのメッセージを可愛い仕草で読み上げてくれる。BOCCOからも音声で返事が送れるので、家にいる子どもと簡単にコミュニケーションが取れる

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文字の他、音声を直接送ることもできる

 

――これまでを含め「ロボット」のコンセプトやテーマはありますか?

青木:一家に1台、ロボットが一緒に住んでいる世界を実現したいというのが、僕たちの一番大きいテーマです。家族には人がいて、ペットがいる。ペットって、ほぼ家族だと思うんですよね。

多分、ロボットはペットより上にはいけない。そうすると「妖怪」的な、“なんとなく近くにいる気がする”くらいのポジションじゃないかと思っています(笑)。それで「妖怪」をテーマにしたモノが多いのです。

ココナッチ」も、映画『もののけ姫』に出てくる「コダマ」的なものをイメージしています。“コロコロコロ”と言いながら、SNSの通知やメールの通知をお知らせしてくれるというロボットです。

これは、「現代の座敷童」がテーマなんです。1台家にいると、なんとなく家族が円満に、幸せになる守り神みたいな存在なんですよ(笑)。

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ココナッチ

 

――青木さんの考えるロボットの機能性やデザインとは?

青木:ロボットの一般的なイメージは犬型の「AIBO(アイボ」のように歩き回ったり、動くモノだと思います。僕たちは極力、機能をシンプルに留めています。その代わりに“コミュニケーション”“通信の機能”が、実際に世の中で必要とされているロボットなんじゃないかな、と思っています。

だから、コミュニケーション用途に絞ったロボットということで、パッと見も「ロボットだね」というのが分かりやすい、伝わりやすいデザインを心掛けました。

弊社のデザイナーがデザインしたのですが、彼はもともとインテリアのプロダクトデザインを手掛けていました。それもあり、インテリアにマッチする違和感のないデザインをテーマにしてもらいました。

やはりロボットというと、結構メカメカしかったり、無駄にピカピカするようなイメージですが、なるべく素朴な感じにしたかったのです。

――青木さんが影響を受けた、原点となるロボットはありますか?

青木:最初に作りたいと思ったのは「ターミネーター2」です(笑)。それを見てからロボットにすごく興味を持ち始めましたが、実際に家の中で活躍できるロボットというと、「ドラえもん」や「アラレちゃん」のように、親しみやすくて、柔らかいロボットのイメージが多いでしょう。

だから、僕もそういった方向性の方が、おそらく世の中の人が欲しいモノだと思いますし、実際に役に立つモノが作れるんじゃないかと思っています。

 

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