世界唯一のスターバックス自社農園で知ったコーヒーが直面する課題[コスタリカコーヒーツアー前編]

■コスタリカは遠かった…

取材できないですかと軽~く聞いてから約1ヶ月後の2018年11月。スターバックス広報さんから一本の電話が。

「1月末に自社農園のハシエンダ アルサシアを北米のパートナー(スターバックスでは従業員のことをこう呼ぶそう)が見学するツアーがあるんですが、それに日本からも何人か参加できそうなんです。もしよろしければいかがですか?」

なんと! そりゃまたとないチャンス!

「ホントですか! ぜひぜひ!」

…そしてあっという間にやってきた1月下旬。

ふたつ返事で行きますと言ってから知った目的地、中米コスタリカに向けて成田空港を出発しました。

途中メキシコシティでの長ーいトランジットを経て、ほぼ丸1日。コスタリカの首都サンホセの空港に降り立ちました。

うん、遠い…。

深夜0時過ぎの到着で、気温は15℃前後。寒い1月の日本からやってきた身としては、過ごしやすい。コスタリカには乾季と雨季があり、1月2月は乾季らしく、乾いた風が心地良い。

この日は空港近くのホテルに直行して、すぐに就寝。

 

■こんなところにもスターバックス コーヒーが!

翌日も晴れ。というかピーカン! 半袖で十分な天気です。さっそくバスに乗りこみ、移動すること約40分。山道の途中に目指す目的地“ハシエンダ アルサシア”はありました。

おぉここが世界唯一のスターバックス自社農園! 見慣れたロゴを発見!

さっそく、現地のパートナーによるコーヒーでのお出迎え。もちろん使う豆はここで採れたもの。

実はこのハシエンダ アルサシア、ただコーヒー農園があるだけではないんです。入ってすぐのところにはスターバックス コーヒーのストアがあり、そしてビジターセンターも整備されています。そう、誰でも予約すれば訪れることのできる施設なんです。

▲ハシエンダ アルサシア ビジターセンター。開放的な空間だ

▲ビジターセンターのパートナーがお出迎え

▲ビジターセンター

到着するとまずは、ビジターセンターでのコーヒーツアーから始まりました。実は今回のこのツアー、“ORIGIN EXPERIENCE”と名付けられています。コーヒーがどう栽培され、どう加工されて、世界中の人に届いているのかを体験して知ることが目的です。ツアーでは、他の農園にも行ったのですが、一般の人でも実際にコーヒーに触れることができます。

誰もが身をもってコーヒー体験できるのが、ビジターセンターでのコーヒーツアーです。

▲最初に植物としてのコーヒーの基礎知識から

▲そして苗植えから体験スタート

▲その横には成長したコーヒーの木が

▲実際にコーヒーチェリー(コーヒーの実)の収穫もできる

▲採ったコーヒーチェリーを隣の加工場へ

▲上から下へとコーヒーチェリーが流れていく中で加工されていく

▲水で洗われるコーヒーチェリー。ここで使われている水はすべて再利用されている

▲最後には種だけの状態に

▲種は天日で乾かす。定期的にひっくり返して、まんべんなく乾燥させる

▲乾いてくると、パーチメントという米でいうもみ殻の状態になる。これをとって生豆焙煎することで、いわゆるコーヒー豆となる

▲出荷状態の生豆。乾燥されたものを麻袋に入れ出荷される

種から焙煎前の生豆状態までというコーヒー豆が作られる一連の過程を、実際に体験しながら理解できるようになっているビジターセンター。そしてその後ろには、広大なコーヒー農園が広がっています。

▲ここが研究開発の場となるコーヒー農園

でもなぜスターバックスは、このような自社農園を持つことにしたのでしょうか。

 

【次ページ】コーヒーの2050年問題

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