■テキーラを好む動機には、思想が隠れていることも
【テキーラ】

【RECIPE】
[材料]
・パトロン・シルバー (ブルーアガベ100%テキーラ)
※劇中はドン・フリオ 1942
『ソーシャル・ネットワーク』
(2010年/アメリカ)
監督:デヴィッド・フィンチャー
Facebook創設の舞台裏を、創設者マーク・ザッカーバーグの葛藤とともに描いた作品。ハーバード大学に通うマークは女の子に振られたことが発端でSNSを作る。それが巨大サイトへ成長し……。『セブン』や『ファイト・クラブ』、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』などのデヴィット・フィンチャーが監督。
2011年の公開当時、シリコンバレーはリベラルな人が多く、『patagonia』のベストを着ることでそれを主張するような時代だった。映画の中で、IPOを祝うパーティーの場でショーン・パーカーがオーダーするのがブルーアガベ100%のテキーラ、ドン・フリオ1942。祝いの席ならシャンパンとか、アメリカの保守であったらバーボンになるところ、あえてのテキーラだと考えると面白い。テキーラはメキシコのお酒だから、移民に対して寛容ですということを表現しているとかね。
■映画史に残る名シーンの、あの1杯
【マティーニ】

【RECIPE】
▲[材料]
・ジン ..................................50ml
・ドライ・ヴェル モット ...........10ml
・オリーブ ............................1粒
・レモンピール .......................適量
『アパートの鍵貸します』
(1960年/アメリカ)
監督:ビリー・ワイルダー
出世と上司へのゴマスリのため、自分のアパートを愛人との密会場所として重役に提供するバクスターこと通称バド。お調子者で、出世街道に乗り意気揚々とするが、思いを寄せていた女性までもがアパートを出入りする一人と知り、愕然とする。ビリー・ワイルダーはこの作品でアカデミー監督賞を受賞した。
サラリーマンの主人公バドは、上司の不倫場所に自分の部屋を貸している。その間は家を出ないとならないから、バーで、情事が終わるのを待っている。しかもクリスマス。そこで飲んでいるのがマティーニ。マティーニはオリーブをピンに刺して飾るのだけど、バーカウンターに並ぶピンの数で時間の経過を表す演出も秀逸な、映画史に残る名シーン。ビリー・ワイルダー監督は悲劇を喜劇に描くのが本当に上手で、普通に聞いたら不愉快なこの話も、見事なロマンスコメディになっている。
■バーテンダーの心がざわつく、新たなハイボール?
【ラム・ハイボール】

【RECIPE】
▲[材料]
・マウント・ゲイ .....................30ml
・ソーダ ................................適量
『007/カジノ・ロワイヤル』
(2006年/アメリカ・イギリス・チェコ)
監督:マーティン・キャンベル
シリーズの第21作目で、イアン・フレミングが1953年に発表した原作の3度目の映画化作品。裏切り者に対する暗殺任務を成功させ、00(ダブルオー)エージェントに昇格した若きジェームズ・ボンドは、初めての任務で犯罪組織の資金源の調査とその根絶に乗り出す。そこで浮上した一人の男とモンテネグロのカジノで向き合うことに。
マティーニの流れから。『007』のマティーニはジンではなくウォッカ、ステアではなくシェイクするなど、バーテンダーの間では「ヴェスパー・マティーニ」という別名がついているくらい有名。「ヴェスパー」は、ボンドが最初に惚れるヒロインの名前。当然、原作に戻った『007/カジノ・ロワイヤル』のヒロインの名前はヴェスパーだ。なんだけど、劇中で今度は、「マウント・ゲイのソーダ割を」とか言うシーンが出てくる。ハイボールが流行る中、今度はハイボールのラム版とくるから頭が下がる。
■エレガントなカクテルを、だらしなく
【ホワイト・ルシアン】

【RECIPE】
▲[材料]
・ウォッカ ..............................45ml
・カルーア・コーヒーリキュール .. 15ml
・生クリーム ............................適量
※ 参 考 ま で 。ご 自 由 に!
『ビッグ・リボウスキ』
(1998年/アメリカ)
監督:ジョエル・コーエン
ジョエル&イーサン・コーエン兄弟が監督・脚本を手がけ、同姓同名の富豪と間違えられて誘拐事件に巻き込まれた男の騒動を描いたコメディ。1991年、ロサンゼルス。その日暮らしの気ままな生活を送る無職の中年男デュードは、同姓同名の富豪リボウスキと間違われる。2人組のチンピラから借金を返せと脅され……。
その日暮らしを送るデュードが、家で飲んでいるのがホワイト・ルシアン。ホワイト・ルシアンを家で作って飲むこと自体も印象的だけど、トランクスにガウンを羽織っただけのだらしない格好で、家で雑に作って飲むというちぐはぐ感もすごい。ところが映画だと、そんなデュードが無性にカッコよく見えてくる。オフビードなコメディセンスの賜物だろう。だからここでは、材料の量も気にせずに。生クリームも、ポーションミルクや、何ならクリープでもいいくらい!
>> 本記事掲載『DOG LOVERS PRESS Vol.002』の購入先
>> 『DOG LOVERS PRESS』公式Instagram
<写真=岡崎健志/構成・文=川本央子>
【関連記事】
■小野伸二さんと小野千恵子さんは、息子のようであり頼れる相棒でもあるラウエとロームに支えられながら共に歩いていく【DOG LOVERS PRESS】
■pecoさんは「悩んだけれど、私だってアリソンと同じなんだから」と語る。愛犬を理解して共感することで乗り越え、深めた愛【DOG LOVERS PRESS】
■犬の先には、必ず人がいる──。犬たちが繋いでくれた絆の積み重ねが、人生を描き、かたちづくってくれる。【DOG LOVERS PRESS】
- 1
- 2































