【大人の文房具“再”入門】
持ち物のデジタル化が進み、文房具とちょっと距離ができてしまった“大人”にとっても、まだまだ手放せないボールペン。ペンケースはもう持っていないという人は多くても、ボールペンを1本も持っていないという人は稀ではないでしょうか。
そんなボールペンの人気投票としてすでに15回も開催されている「OKB48」を知っていますか。2011年に発売されたムック『すごい文房具リターンズ』(KKベストセラーズ刊)の企画として始まり、その後『グッとくる文房具』(徳間書店刊)に場所を移して続けられ、現在は文具王・高畑正幸さんが引き継ぐカタチで毎年開催されている、“お気に入りボールペン”を決める総選挙です。

>> OKB48
「OKB48」の運営に初回から携わり、自身も文房具好きという放送作家・ライターの古川 耕さんに、「OKB48」の裏側からデジタル時代における文房具の存在、そして圧倒的な強さを誇る三菱鉛筆のボールペン「ジェットストリーム」についてなどを聞きました。最後には、古川さんがいま注目のボールペン5本も紹介します。
▲古川 耕。放送作家、ライター。ライムスター宇多丸の人気ラジオ番組「アフター6ジャンクション2」の構成作家を務めつつ、Webメディアでは文房具愛あふれる連載を続けている。企画立ち上げ時より「OKB48」総合プロデューサーとして運営に携わっている
■「OKB48」は義務感、使命感で続けている
ーーそもそも「OKB48」はどのようなことがきっかけで始まったんですか。
古川 耕 僕が構成作家をやっていたTBSラジオの「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」という番組で、2008年頃から文房具をちょっと取り上げるようになったんです。ISOTという文房具の国際見本市に取材にいったりとか。そして2008年の年末に同番組のポッドキャストで僕の個人的な「今年の文房具ベスト」を紹介したんです。でもその頃は、宇多丸さんやスタッフからは「ボールペンについて熱く語っているのはおかしい」みたいに変人扱いでしたね。
ーーまさに“ニッチな趣味”。
古川 いや、趣味としてすら見られてないぐらい(笑)。それを聴いていた当時KKベストセラーズの編集さんが「文房具の世界ってこうなってるんだ、おもしろい!」となり僕にコンタクトを取ってくれまして。そして2010年に発刊されたのが『すごい文房具』というムックなんです。
ーーあの頃はたくさん文房具ムックが発売されていた記憶があります。
古川 それまでの文房具の雑誌やムックって、わりと大人向けの品が良い内容のものが多かったんですが、『すごい文房具』は中身がバラエティに富んでいました。僕が担当したページでいうと、イラスト付きでパイロット家と三菱家の天下統一の戦いを描く“文房具アカデミア”という記事とか。フジテレビで放送されていた「カノッサの屈辱」のような、真面目な雰囲気でパロディをやるといった企画が多いムックでした。このムックが13万部ぐらいのヒットとなって、その後カジュアルな文房具ムックがたくさん出てきたんです。そして、『すごい文房具』の2冊目を出すという話になった時、編集さんが「人気投票やりたいです!」と。
ーーそれで生まれたのが「OKB48」ですね。
古川 そうです。当時はマンパワーがあったから、原宿とか巣鴨とかにアンケートを取りに行ったりしていました。そして第1回「OKB48」が掲載された『すごい文房具リターンズ』が発売されました。2011年ですね。
ーーその後、小社(徳間書店)のムック『グッとくる文房具』に舞台を移し続けられました。
古川 『グッとくる文房具』では2回ほどやったんですが、このムックもなくなるということで、どうしようかと。その時、文具王・高畑正幸さんが「これは続けたほうがいい」と言われまして。そして文具王がお金を出し、僕もボランティアで携わりつつ続けているという感じです。
▲運営が用意している「OKB48」握手会セットと説明書き。これを貸し出し、全国各地で握手会が開催される
ーーもしかして運営費用は持ち出しですか?
古川 そうです。マネタイズが下手と言われ続けてますが(笑)、お金儲けにしちゃうとランキング自体が胡散臭いものになっちゃいますからね。2015年以降はもう半ば義務感、使命感でやっています。

















