犬の存在が家族の笑顔を生む。てんを迎えて強まった、我が家の絆【with DOGS】【DOG LOVERS PRESS】

恵み豊かな美しい里山で、元野良犬のてんを迎えた水戸さん一家。てんがもたらす笑顔あふれる暮らしが、離れて暮らしていた家族を再び結び付け、心をひとつに束ねてくれた。

【DOG LOVER】
水戸文恵さん
てん(メス・ 7歳/ミックス)

▲左から父の芳郎さん、文恵さん、近所で暮 らす姉の友恵さん。友恵さんは、休日はほ とんど水戸家でてんと過ごしている

■全身で喜怒哀楽を伝えるてんの愛らしさに家族みんなが首ったけ

水戸文恵さんが愛犬・てんと暮らすのは広島県安芸高田市。もともとは広島市内に住んでいたが、2015年に両親がこの地に移住し、その3年後に文恵さんも移り住んだ。

▲文恵さんの両親は、自家用の野菜やお茶を無肥料・無農薬で育てるほか、春には山菜、秋にはきのこや木の実などを収穫。ほかにも夏につくるハブ草のお茶や梅干し、冬につくる豆餅など昔ながらの里の味を楽しんでいる

「ここは祖母の生家で、父もこの家で生まれ育ちました。田畑が広がるのどかな里山で、とても景色のいいところです」

文恵さんも両親も犬は好きだったが、広島市内では賃貸住宅だったために犬と暮らすことはできず、「いつか田舎に住んだら犬と暮らそう」と思っていたという。その願いが叶ったのは、文恵さんが安芸高田市で暮らしはじめた翌年だった。

「母が近くの山で、大きな木の下にあった巣穴から子犬の3兄弟を保護したことがきっかけでした」

▲保護した子犬たち。真ん中にいるのがてん

子犬たちの母犬は、地元で「ノラちゃん」と呼ばれている野良犬だった。「いつの間にか住み着いたコで、地域を巡回して、畑を荒らすタヌキやシカを追い払ってくれるんです。里守り犬のような存在で、地域のみんなが気にかけ、可愛がっていました」

水戸家は、保護した3頭のうち、鼻に点々模様のあるコに「てん」と名付け、家族として迎えることにした。犬とはじめて暮らすことになった文恵さんが一番驚いたのは、家族が帰宅したときのてんの喜びっぷりだった。

「ちょっと出かけて戻ったときでも、本当にうれしそうに出迎えてくれます。私の帰りをこんなにも喜んでくれる存在が待っていると思ったら、家に帰るのがすごく楽しみになりました」

てんをひと言で表すなら「気分屋さん」だと文恵さんは言う。

▲文恵さんによると、てんは気難しいタイプ。「意思がはっきりしていて、甘えたいときとそうじゃないときの差が激しい(笑)。そこが可愛いところでもあります」

「臆病なんだけど頑固で、自分の意思がとてもはっきりしているコ。ちょっとわがままなんだけど、それが可愛い子どもと暮らしているような気持ちです。自分が嫌と思ったら触らせてもくれませんが、甘えたいときには自分からぎゅっと寄り添ってきます。そのギャップがたまらなく可愛い。表情が豊かで、顔を見るだけで、いまどんな気持ちでいるのか、喜怒哀楽がわかるのも愛しいです」

そんなてんの愛らしさに心を奪われたのは文恵さんだけではなかった。「てんにもっと会いたい!」の一心で、広島市内に住んでいた姉の友恵さんもまた、安芸高田市に引っ越してきた。

「姉は田舎暮らしにも犬にもさほど関心がなかったのに、てんにびっくりするくらいメロメロになって(笑)。毎週のように広島市内から帰省するようになり、ついに近くの親戚の家に移住しました。こうして改めて家族が集まって暮らすようになったのは、本当にてんのおかげです。祖母も『てんがおってよかったのぉ』とよく言っています」

▲祖母の民子さんは99歳の誕生日を迎えた。てんとは、椅子やこたつをめぐってのライバルでもある。「でも最 終的には、不満そうな声を出しながらも、てんはおばあちゃんにちゃんと席を譲ってくれます」

【次ページ】てんを中心に家族が集まる

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