持っているだけで気持ちがアガる。大人が持ちたい“デザイン文具”図鑑

【大人の文房具“再”入門】

仕事も連絡もメモも、ほとんどがデジタルで完結する時代に、あえて文房具を選ぶ意味は何でしょうか。

たとえば腕時計は、単なる時刻表示装置ではありません。時間を知るだけならスマホで十分。それでも身につけるのは、ときに名刺代わりになり、ときに気分を引き上げ、ときに「自分はこうありたい」という意思を示す存在だからです。

文房具もまた、同じかもしれません。効率のためというより、所作を整えるための選択。手に取る瞬間や机に置いたときの佇まいまで含めて、自らを形作る道具です。

今回集めたのは、デジタル全盛の今、改めて持ちたくなる文具たち。持っているだけで様になり、ふと手に取りたくなる。そんな気分を上げてくれるプロダクトを厳選しました。

■見て良し、使って良し。お洒落で実用性もピカイチな文房具10選

デザイン文具といっても、見た目が良いだけではありません。今回ピックアップしたのは、シンプルで上質な佇まいを備えながら、実用面も一流のものばかり。使うたびにその完成度を実感できる、長く付き合いたくなるアイテムを厳選しました。

【アイテム1】無駄をそぎ落とした造形美。進化し続けるLAMYの大定番

LAMY(ラミー)
「LAMY studio ボールペン 」(1万2100円〜2万900円 ※色によって異なります)

▲カラー:写真のブラッシュのほか、パラジューム、オールブラック、ブラック、インペリアルブルー、ロイヤルレッドをラインナップ

ドイツを代表する筆記具ブランド、LAMY(ラミー)。1960年代以降、機能主義に基づくミニマルなデザインで世界的な支持を集めてきました。「LAMY studio」はその思想を受け継ぐ定番モデルのひとつ。

中央がゆるやかに膨らんだ円筒形のメタルボディは手に自然になじみ、異なるパーツを滑らかにつなぐ設計が完成度の高さを物語ります。緩やかな曲線を描くクリップは、このモデルを象徴するディテール。装飾を抑えながらも、確かな存在感を放つ一本です。

今回ピックアップしたのは「ブラッシュ」。ヘアライン仕上げのステンレススチール製バレルを採用し、落ち着いた質感に仕上げています。一方で、ペン先やクリップにはポリッシュ加工を施し、マットと光沢のコントラストを演出。素材の仕上げを巧みに使い分けることで、全体に奥行きと高級感をもたらしています。

また、ツイストアクションの操作も滑らかで、日常使いにふさわしい実用性も備えています。

>> LAMY

【アイテム2】布生地の風合いとシックな色味が所有欲を高める一冊

DELFONICS(デルフォニックス)
「ロルバーン ポケット付メモ Cap-Martin A5」(1573円)

▲カラー:写真のグレージュのほか、ダークブルー、ブルー、グリーンをラインナップ サイズ:W168×H216×D17mm

「ポケット付メモ」で知られるRollbahn(ロルバーン)ですが、意外にも、ブランド初のアイテムは時計でした。ブランド名はドイツ語で“滑走路”を意味し、旅や時間を想起させるネーミングも特徴です。

2001年に誕生した「ロルバーン ポケット付メモ」は、ノートではなく“メモ”として設計されたのがポイント。ミシン目で切り離し、貼る、渡す、保管するところまでを想定した作りが、使い手の行動にフィットしてきました。

本作は、その使い勝手はそのままに、表紙の質感と色味で印象を整えたモデル。布地のような手触りの表紙に、ツヤのあるブラック箔のロゴを合わせ、落ち着いた佇まいに仕上げています。

中面は5mm方眼のクリーム色上質紙で、にじみや裏写りが気になりにくいのも実用的。全ページミシン目付きで、巻末にはPPポケットを5枚備えます。書き込み量が確保できるA5サイズは、仕事のメモからアイデア整理まで守備範囲が広い一冊です。

>> DELFONICS

【アイテム3】レザーシューズの美学を落とし込んだ上質なペンケース

PORTER COUNTER(ポーター カウンター)
「PEN CASE」(2万2000円)

▲カラー:写真のブラックのほか、ネイビー、ブラウンをラインナップ サイズ:W186×H55×D20mm

PORTERの「COUNTER」は、レザーシューズの意匠を取り入れた小物シリーズ。ペンケースにも、靴づくりに見られる繊細なダブルステッチを落とし込み、上品さと構築的な美しさを両立させています。

その証拠に、かかと部分の補強ディテール“ドッグテイル”をモチーフにした縫製など、靴由来のデザインを随所に反映しています。

素材には牛ステアをクローム鞣しした後、タンニン剤と樹脂剤を浸透させてきめ細かく仕上げたレザーを使用。真空乾燥によって平滑に整え、さらに塗料と合成樹脂でコーティングすることで、光沢と適度なソフト感を両立しています。

内装にはレザーシューズのライニングにも使われる馬革を採用。外装の艶やかさと内装の滑らかさ、そのコントラストがこのシリーズの品格を形づくっています。ペンを収めるだけの道具でありながら、デスク上に置いたときの存在感まで計算された一品です。

>> 𠮷田カバン

【次ページ】デスク周りの格を上げる逸品たち

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