■カメラでどんな撮影をしたいか
背面カメラの仕様に関しては、iPhone 16eがシングルカメラ、iPhone 16と17がデュアルカメラ、という差があります。どの機種も、メインカメラは、センサーの中央部のみを使って解像感を下げずに2倍ズームが可能です。
一方、超広角カメラがあるのは、iPhone 16と17のみ。特にiPhone 17に関しては、超広角カメラの解像度がメインカメラと同じ48MPにまで上がっています。旅行先などで建築物や景色などを広い画角で写したい場合には、iPhone 16か17を選んでおくとよいです。また、超広角カメラを使ったマクロ撮影についても、iPhone 16と17のみが対応しています。
▲iPhone 17のマクロ撮影での作例(出典:Appleプレスリリース)
ちなみに、iPhone 17に関しては、前面カメラについても、正方形のセンサーを搭載したことがトピック。言い換えると、縦持ちのままで横長のセルフィーが取れるようになっています。自撮りや記念撮影の頻度が高い人は、iPhone 17を選んでおくと、扱いやすいかもしれません。
なお、物理ボタンについて、「カメラコントロール」を使えるのはiPhone 16と17のみです。一方、アクションボタンを備えていて、ビジュアルインテリジェンスによる映像での検索機能を利用できる点は、3機種で共通しています。
■常時表示を使いたいか
ディスプレイの差も重要です。特にiPhone 17は、従来Proシリーズに限られていた常時表示と120Hzのリフレッシュレートに対応しました。ゲームなどをせずとも、Webブラウジングなどの際に画面を素早くスクロールしたときの見え方が滑らかになるので、日常使いのなかでも画面の見やすさに影響します。
▲ちなみに、iPhone 17では、耐擦傷性能が3倍になり、反射防止性能を向上させた「Ceramic Shield 2」が採用されていることもトピック
iPhone 16は120Hzのリフレッシュレートや常時表示には非対応ですが、屋外でのピーク輝度が2000ニトあり、最初輝度が1ニトであることが重要。直射日光下や就寝前の寝室など、場所を問わずに視認性の良さが期待できます。
一方、iPhone 16eは、ピーク輝度が1200ニトで、通常時の最大輝度も800ニトに限られており、直射日光下など場面によっては視認性に影響することがあるかもしれません。その点は購入検討時に理解しておきましょう。
■バッテリー持ち重視なら17が狙い目
実はバッテリー持ちに関しては、公称値だと最新のiPhone 17がずば抜けて長くなっています。一番現実的なストリーミングでのビデオ再生時間で比べてみると、iPhone 17は最大27時間を誇ります。
一方、旧機種のiPhone 16は3機種で一番短い最大18時間しかなく、その差はなんと9時間も…。廉価モデルのiPhone 16eですら最大21時間あるので、この点は少々悩ましいところ。
なるべくモバイルバッテリーなしでの運用を期待するならば、iPhone 17かiPhone 16eを選んでおいた方が良さそうですね。
▲iPhone 16eは意外とバッテリー持ちが良い(出典:Appleプレスリリース)
ただし、iPhone 16eには、ワイヤレス充電速度が遅いという落とし穴もあります。iPhone 16eがQi規格の最大7.5Wのワイヤレス充電に対応しているのに対し、iPhone 16は最大22WのMagSafeワイヤレス充電に、iPhone 17は最大25WのMagSafeワイヤレス充電に対応しています。
こうしたバッテリー周りの仕様を優先するならば、差額をケチらずにiPhone 17を購入しておいた方が、長期的に快適に運用できると思います。
■ストレージ容量を考えるとiPhone 17がお得
また、なるべく長期での運用を想定したい場合には、ストレージの最小容量も見逃さずにチェックしておきましょう。iPhone 16と16eは、最小容量が128GBからです。一方、iPhone 17は256GBからとなっています。
そもそも、昨今はOS更新時の必要容量もかなり大きくなってきているので、もし4〜5年以上快適に運用したいならば、256GB以上のモデルを購入するか、SSDなどの外部ストレージやクラウドストレージを併用する必要が出てきやすいもの。
こうした状況を踏まえると、キャリアの端末購入補助プログラムを利用して2年程度での返却を前提とするならばiPhone 16・16eでも問題ない、しかし端末を一括購入してなるべく長く使いたい場合には、iPhone 17を選んでおいた方がストレージ分のメリットが大きい、と言えるでしょう。
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最後に本稿でチェックした内容をもとに、簡単な選び方のチャートを整えてみました。もちろん、これだけで決められるものではないですが、比較検討時の参考になれば幸いです。
▲フリーボードにて筆者作成
<取材・文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X
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