実は家で洗えます。長く使えて節約にもつながるダウンジャケットの正しいケア方法

5. 乾燥

▲「プラズマ1000 ダウンジャケット」(2万7940円)の場合、20分程度で乾燥完了。温度設定などにより時間は前後。

脱水ができたら、今回の一番の肝である乾燥を行います。長井氏は「ダウンは洗った後の乾燥が重要」と言います。

低温設定(60〜70℃)の乾燥機でしっかり乾かします。一度で乾燥しきるよりも、複数回に分けて行うのが理想的。ウエアのダウン量にもよりますが、20〜30分回したら取り出し、全体を軽く叩いて羽毛の偏りをほぐしてから再び乾燥機に入れます。

※乾燥機の使用がNGのウエアもあるため、乾燥機にかける前に製品表示タグを確認。モンベルのダウンウエアについては、基本的にOKなモノが多い。

これを繰り返すことで均一にふくらみが戻ります。「やるのとやらないので仕上がりに差がでるので、可能なら試してほしいです」。

なお今回はコインランドリーを利用しましたが、自宅に乾燥機がある場合はそれでもOK。

乾燥後は風通しの良い日陰で少し置くと内部の湿気抜けがより確実です。

▲洗浄後のダウンジャケット。流石に新品同様とはいかないまでも黄色がかっていた表地に白が戻った!

今回は実際に5年程愛用している「プラズマ1000 ダウンジャケット」を洗ってみたが、思った以上に汚れが出たことにびっくり。これまで、毎シーズンなんとなく自宅で手洗いしていましたが、いかに適当だったかがよく分かる結果に。

▲洗浄前(左)と洗浄後(右)。特に襟元を見れば洗浄の効果がよく分かる。我ながらとても恥ずかしい…

個人的に驚きだったのは乾燥機を使った乾燥。ウエアやダウンにとって良くない気がして、これまで数日かけて陰干しで乾燥させていましたが、ロフト(かさ高)の回復具合が段違い。ひと目で“ふかふか”な仕上がりになったのが分かるほどでした。薄手のウエアということもありますが、1時間半程で乾燥までできたというのも予想以上。

製品表示として手洗いと乾燥機OKなダウンジャケットなら、手洗いでのケアを試す価値がありそうです。

■併せて行いたい撥水ケア

▲モンベル「O.D.メンテナンス はっ水スプレー 170mL」(1200円)は乾燥後に使用する撥水スプレー

防水・撥水素材を使用したウエアは、洗濯と合わせて撥水処理をしておくと状態を保ちやすくなります。洗い後に使用する漬け置きタイプ、乾燥前に使うリキッドタイプ、完全乾燥後に使うエアロゾルタイプがありますが、「手軽さを重視するならエアロゾルが便利です。気になった箇所だけでも全体でも使えるので普段のケアに取り入れやすい」。

■普段のケアや保管方法も重要

普段のケアとしては、乾燥時のように定期的に軽く叩いて羽毛の偏りをほぐして上げることや、陰干し、撥水スプレーの塗布などがあります。

長期保管では、ハンガーに吊るして湿気の少ない場所に吊るしましょう。「風通しのいい場所に吊るしておくと翌年の状態がまったく違います」。また、パッカブルのダウンの場合、小さく持ち運ぶためのスタッフバッグが付属していることも多いですが、「押し込んだままの保管はロフトがつぶれてしまい、保温性能が下がってしまうのであくまで持ち運びのときにだけ使うのが良いです」と長井氏。

また、洗濯頻度はワンシーズンに1回が目安。洗いすぎはダウンはもちろんウエアの表地に負担をかけてしまうので避けましょう。

*  *  *

ダウンのお手入れというと、つい身構えてしまいがちですが、やること自体は決して難しくありません。羽毛をつぶさずに洗い、汚れをきちんと落とし、最後にしっかり乾かす。この順番さえ守れば、自宅でも十分にコンディションを取り戻せます。

一度きちんとケアしておけば、次に袖を通すときの暖かさや着心地も、きっと違って感じられるはず。

「ダウンは扱いが難しそうに思われがちですが、ポイントさえ押さえれば自宅でもきちんとケアできます。正しく洗って、しっかり乾かす。それだけで、本来の暖かさはちゃんと戻ってきますよ」

>> やっぱり“ダウン”が好き!

<文/山口健壱(GoodsPress Web) 写真/田中利幸 協力/モンベル

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