ついに日の目を見る、米海軍も驚いたブローバの本格潜水用ウォッチ

ブローバは1970年代に「デビルダイバー」の異名で知られる200m防水時計「オーシャノグラファー」を発表しましたが、それよりも10数年以上前に潜水用ウォッチを開発していました。それが「MIL-SHIPS-W-2181潜水用」。一般的に流通したものではなく、1957年に米海軍潜水実験隊(NEDU)に数本だけプロトタイプが提供された、歴史的に希少な腕時計です。

▲「MIL-SHIPS-W-2181潜水用」

そもそもブローバは米軍と結びつきが強く、第二次世界大戦中は政府の要請に応じて多様なミルスペックの時計を製造していました。当時ブローバの研究・開発を率いていたオマー・ブラッドリー陸軍元帥が、海軍から潜水士専用の腕時計を作るよう求められ、1957年5月にプロトタイプを3本納入。

独自の2ピース防水ケースバックや厚手の真鍮製耐磁ケースホルダーに17石の手巻きムーブメント・10BPCHNが収められ、巻き過ぎ防止の独自クラッチ機構を備えていました。翌年に数本の追加試作品が納入され、海軍は深層潜行テストを実施。当時の海軍のテクニカルレポートには「このような時計は見たことがない」とのコメントもあったとか。

それもそのはずで、1970年代ですら一般的な腕時計は90m防水にもかかわらず、「MIL-SHIPS-W-2181潜水用」はその10数年以上前の時点で約119.5mの潜水実験に成功していたのです。しかし、その後この腕時計は海軍の最終承認前に開発が中止されてしまい、歴史から姿を消しました。

今回の「MIL-SHIPS」はその幻の時計を忠実に復刻。6時位置に備えられた“モイスチャーインジケーター”は、オリジナルモデルに搭載されていたものと同じく、ケース内部で高い湿度を検出すると、インジケーターの色がライトブラウンからブルーに変化して知らせる機能です。「MIL-SHIPS」は20気圧防水ですが、万が一、防水性能が失われた際には“モイスチャーインジケーター”が変化する仕様になっています。

また、ブラックの文字盤上の針やインデックスには夜光塗料を塗布。オリジナルモデルと同じく、水中用のグローブでも操作可能な、押し込んで操作する“プッシュロック式両回転トップリング”を採用しています。

 

ケース径は41mmで、サンドブラスト加工を施したステンレススチールを使用。裏面には当時の潜水士の潜水服とともに“Master Diver Helmet”の刻印が施されています。なお、ベルトは水に耐えられるように繊細に織られたネイビーのナイロン製NATOストラップです。時計収納用に専用のスペシャルBOXも付属。

ついに一般発売される幻の潜水用ウォッチ。米海軍の歴史とともに体感してみてはいかがでしょうか。

>> BULOVA

<文/&GP>

 

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