今の時代に腕時計を選ぶなら、ただ時間を知るための道具では物足りなくなっています。特に、日ごろからアウトドアやスポーツを楽しむ人であれば、丈夫さや機能性、そしてバッテリーの持ちといった側面を重視するのは自然な流れです。
こうしたニーズにしっかり応えてくれるブランドとして注目したいのが、GPSウォッチのパイオニアとして数多くのアスリートや冒険家から信頼を集めてきたGARMIN(ガーミン)です。
今回は、そのガーミンの中でもタフネスと実用性を磨き続けてきた「Instinct(インスティンクト)」シリーズにフォーカスし、最新モデルがどのように進化しているのかを見ていきます。
■GPSデバイスの名門・ガーミンが築いたタフネスウォッチ「Instinct」シリーズ

ガーミンはアメリカでの創業以来、GPSテクノロジーを軸に航空・海洋・自動車・アウトドアなど幅広い分野で製品を展開してきたブランド。プロの現場で鍛えられた技術と耐久性は、スマートウォッチの分野でも高い信頼を得ています。
そのガーミンのラインナップのなかでも、“タフに使えるGPSウォッチ”として存在感を放っているのが「Instinct(インスティンクト)」シリーズです。
自然の中で頼れる耐久性、長時間のアクティビティにも対応するバッテリー、シンプルで直感的な操作性など、アウトドアを楽しむ人が求める条件をしっかり満たすシリーズとして進化を続けています。
■完成度を高めた最新シリーズ「Instinct 3」が示す進化のかたち
アクティブシーンに強いタフネスウォッチとして支持されてきたInstinctシリーズは、最新世代の「Instinct 3」で完成度を大きく高めています。タフさや高精度GPSといったシリーズの魅力はそのままに、より長く快適に使える省電力性や視認性の向上など、日常とアウトドアを横断する使い勝手が進化。
ここからは、そんなInstinct 3シリーズの中心となる「Instinct 3 Dual Power」を軸に、その特徴とラインナップの広がりを深掘りしていきます。
【1本目】長く使えるという安心が行動の自由につながる。「Instinct 3 Dual Power」が選ばれる理由
本題に入る前に、まず「Instinct 3」がどういうシリーズなのかを整理しておきたいと思います。Instinct 3は、アウトドアで求められるタフネスを土台に、扱いやすさや見やすさを進化させた最新世代です。

耐衝撃性や防水性能は米国軍用規格「MIL-STD-810」に準拠し、過酷な環境での使用を想定したタフネス設計。高精度GPS、暗所で役立つLEDフラッシュライト、体調管理に使えるライフログ機能など、シーンを問わず役立つ要素が揃っています。
そんなInstinct 3の魅力を体感するうえで適役なのが「Instinct 3 Dual Power」です。省電力設計に加えて新型のソーラー充電を搭載することで、バッテリー性能が大きく向上しました。
スマートウォッチモードで約28日間、さらに日光下での使用時間が一定以上あれば事実上の“無制限駆動”も可能(※)。
※45mmの場合

GPSを使用しても、通常で約40時間、ソーラーを活用すれば100時間前後まで伸ばせるため、長時間の登山やキャンプでも電池への不安がほとんどありません(※)。
※45mmの場合

この“止まらない”ということは、本質的な安心につながります。たとえば、山で予定が長引いたり、万が一スマホの電池がなくなったりしても、Dual Powerは現在時刻や位置情報、コンパスを確実に表示し続けます。

明るい環境でも見やすいMIPディスプレイも相まって、行動判断が必要な場面での支えになってくれる存在です。時計が動き続けるという前提は、軽装のハイキングでも、バックパック旅でも、そして“もしもの場面”でも、気持ちの余裕が生まれるでしょう。
すでにガーミンの良さを知っている人にも、これから初めて選ぶ人にも、本作はその魅力をしっかり感じさせてくれる一本です。
【2本目】見やすさを極めたディスプレイに注目したい「Instinct 3 AMOLED」
「Instinct 3」の魅力を語るうえで、「Instinct 3 AMOLED」の存在は欠かせません。Dual Powerが駆動時間に磨きをかけた一本だとすれば、こちらは画面そのものの見やすさを大きく高めた位置づけです。

今回のモデルは、Instinctシリーズで初めてAMOLED(アモレッド)ディスプレイを採用。一般的なディスプレイ(MIP)に比べて発色にメリハリがあり、画面自体が光るため、文字やアイコンの輪郭がはっきりと読み取れます。
タフネス設計や高度なGPS機能、ライフログといったInstinct 3共通の強みはそのままに、表示が高精細になったことで、情報の扱いやすさが一段と向上。地図や通知の細かな部分までくっきりと表示され、暗い場所や街中で反射が気になる状況でも、必要な情報を素早く、そして正確に読み取れます。
この読み取りやすさは、当然使い心地に直結します。ランニング中にペースや心拍を確認したり、登山で標高や天候の変化を見るときも、数字やアイコンがすっと目に入り、立ち止まったり画面を覗き込むような動作はほぼ必要ありません。
また、バッテリーも十分で、スマートウォッチモードなら約18日間の駆動が可能。平日はそのまま装着し続け、休日にアクティビティへ出かけても、充電を急ぐような場面に見舞われることはほとんどないでしょう。

ちなみに、Instinct 3シリーズには、より存在感のある50mmサイズに加え、暗所での作業やナビゲーション精度が求められる場面にも対応した“タクティカル仕様”といったプロ向けのバリエーションも揃います。使う場面やスタイルに応じて選択肢が広がっている点も、このシリーズの特徴です。
■アナログの存在感とスマート機能を凝縮。「Instinct Crossover AMOLED」という新たな選択肢
Instinctシリーズの中でも、少し異なる魅力を持っているのが「Instinct Crossover AMOLED」です。
アナログの味わいとスマートウオッチの機能性をひとつの時計にまとめ上げたモデルで、もっとも“腕時計らしさ”が色濃く残る一本と言っていいかもしれません。
最大の特徴は、実際に動くアナログ針を搭載しているところ。近年のスマートウォッチでは、画面上にアナログ風デザインを表示するものが多いですが、本作はあくまでリアルな針。ディスプレイを点灯させる必要がないため、ふとした動作で時間を確認するような日常動作でもストレスがありません。
ディスプレイはAMOLEDを採用しているほか、アナログ針とデジタル表示が重ならないよう針が自動で退避する「ダイナミックウォッチフェイス」も備えています。
通知や地図、アクティビティのデータなど、スマートウオッチならではの情報は画面で確認し、時間は針で読む…そんな役割分担が直感的にできる点が、このモデルならではの使い心地です。暗い場所ではスーパールミノバが針を明るく照らし、夜間の視認性も確保しています。
タフネス性能はそのままに、アナログの存在感を日常でも楽しめる一本。アクティブに使いたい人はもちろん、腕時計らしい佇まいも重視したい人にも選びやすいモデルです。
アウトドアから街使いまで幅広く活躍し、Instinctシリーズに新たな選択肢を加えるモデルと言えそうです。
■時代が進んでも求められるのは、結局“使える道具”。ガーミンの「Instinct 3」シリーズはその答えのひとつだ

アウトドアでの強さと、日常での使いやすさ。そのどちらも備えている点が、ガーミン「Instinct」シリーズの魅力です。最新のInstinct 3は、ロングバッテリーのDual Power、画面の見やすさを高めたAMOLED、アナログの楽しさを残したCrossover AMOLEDと、用途に合わせて選べる幅が広がりました。
どれを選んでも、共通しているのは“行動を支えてくれる時計”であること。外でも街でも頼れる一本を探している人にとって、Instinct 3シリーズは心強い選択肢になるはずです。
>> GARMIN
<取材・文/若澤 創>




























