【先行レビュー】iPhone XS/XS Maxのポートレート機能は表現力が段違いになっていた

■サイズ感は?

改めてiPhone XSとXS Maxを並べると、画面サイズはそれぞれ5.8インチと6.5インチとなっており、明らかにiPhone XS Maxの方が大きい。

▲iPhone XS Max(左)とiPhone XS(右)

皆さんがホームボタンのある従来のiPhoneを使用していると想定して、平面的なサイズを比べると、

iPhone 7(W67.1 x H138.3 mm)

iPhone XS(W70.9 x H143.6 mm)

iPhone 7 Plus(W77.9 x H158.2 mm)

iPhone XS Max(W77.4 x H157.5 mm)

となります。それぞれのサイズで新モデルに変更した場合、iPhone 8よりはiPhone XSの方が少し幅が大きく、iPhone 8 PlusよりはiPhone XS Maxの方が僅かにコンパクトになります。しかし、それぞれ日常での使用感はさほど変わらないはずです。

▲iPhone XS(左)とiPhone XS Max(右)

デザインはiPhone Xとほぼ同様です。少々のデザイン変更があったのは、側面のアンテナ線。iPhone Xでは側面のステンレススティール製フレーム上に、アンテナ線が左右側面の上下に配置されていました。XS/XS Maxでは、これに加えて上下側面の片側、対角線上となる配置に2本の線が追加されています。

▲iPhone XS(左)と従来モデルの「iPhone X」(右)の底面を比較

ディスプレイのインチ数で見てみると、iPhone 7は4.7インチ、Plusシリーズが5.5インチ。もし、それぞれXS/XS Maxにすれば、約1インチのサイズアップとなるわけです。1インチを想像するのが難しいですが、iPhone 7/7 Plusに縁の厚いケースを装着されている場合には、その内側が全部ディスプレイになると想像するとわかりやすいでしょうか。

 

■ブラウジングやアプリの使用感にも差が

XSとXS Maxのディスプレイを使ってWebサイトの表示を比較してみました。縦画面の場合には、さほど違いはありません。しかし横画面の場合には、アプリやWebサイトによってはXS Maxの方が扱いやすくなることがありそうです。例えば「リマインダー」アプリを表示すると、画面の左右で表示内容が変化します。

▲iPhone XS Maxでの「リマインダー」アプリの横向き表示

また、横持ちでいくつかのアクションゲームアプリをプレイしてみました。こちらについては、より大きな画面の方が迫力があるのは言うまでもありません。さらに、タッチ操作する自身の指で画面が隠れて見えなくなりにくいのもメリットです。一方、スワイプを多用するアプリでは、移動距離が長くなって疲れるので注意が必要かもしれません。

また、6.5インチともなると、一般的なポータブルゲーム機より大きいので、外付けのコントローラーを活用すれば、ゲーム機として本格的に活躍しそうな予感。また、iOS 12でARKit2対応のARゲームアプリが普及してくると、この大画面は一層真価を発揮するでしょう。

▲動画を視聴する場合には、指でピンチアウトして全画面表示に切り替えると、より迫力が増す

なお、スペシャルイベントの会場では確かめられなかったXとXSのステレオスピーカーを比べてみたところ、僅かにXSの方が音質が向上していることを感じました。筆者としては、やや高音がクリアになったという印象です。

 

■XS Maxはやはり片手操作がやや厳しい

利用シーンを想定すると、iPhone XS Maxの大画面にはメリットが多いことがわかります。ただし、日常における操作性を考えると、iPhone XSの方がバランス感は良いように思いました。

なぜなら「X」シリーズのUIでは、画面下部のホームインジケーターをスワイプアップして戻る操作を行い、画面右上や画面上部を下にスワイプしてコントロールパネルや通知パネルを表示させる必要があるため。iPhone XS Maxの問題は、上部のコントロールセンターを起動する位置と、下部のインジケーターとの距離がやや遠過ぎるのです。

▲iPhone XS Max(左)とiPhone XS(右)で片手でコントロールセンターを起動するときを想定してサイズ感を比較

画面上端を下へ下ろす「簡易アクセス」機能は、本機種でも健在ですが、ここまで大きいと小回りは効きづらい。そのため両手操作を前提に購入した方が良いと思うのが筆者の意見です。

一方、iPhone XSのサイズ感は、慣れれば特に支障なく片手操作が行えるはず。こちらは全く同じサイズのiPhone Xを1年使ってみて実証済みです。

どんな製品にも一長一短あるもの。今回の場合、片手操作を重視するならXSを、大画面の迫力を優先するならXS Maxを選択するのが、機種選びの指標になるのではないでしょうか。

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