テントやシェルターを建てるとき、現地調達した枝付きの木で作った“二又ポール”にする理由と作り方

■落ちている木を使った二又ポールの作り方

まずは作り方を説明していきますが、本当に簡単です。

今回はイタリア軍幕をティピー型で張った際に使いましたが、ワンポールテントならほとんどのテントで応用できるので覚えておいて損はないと思います。

【ステップ1】倒木を拾う

まずは適当な長さの木を拾ってください。1本は上の方がY字になっているものがベストですが、Y字になっていない木でも作れます。

長さはテントのサイズや張り方にもよるのですが、今回イタリア軍幕に使った長さは約190~200cmです。

【ステップ2】分かれている部分にもう1本の木を組み合わせて、テントとロープで固定する

本来はポールを刺すハトメ部分にロープを通してもやい結びを作り、Y字になっている木ともう1本の木を組み合わせてばってんを作ります。

その状態の木にロープを一周巻きつけます。ただぐるりと巻き付けるだけで大丈夫です。

前から見た写真ですが、本当に一周巻いているだけです。

【ステップ3】ペグダウンして完成

ステップ2で一周させたロープの一端を、テントの前方にペグダウンすれば完成です。ポールの代わりとなる木は、幕の内側に入れて建てました。

テント前方のペグダウンする位置は、本来中央にすると一番テンションが強くかかるのですが、中央だと邪魔なので少し中央からずらしています。

この軍幕の張り方の場合、テント後方は3か所でペグダウンしており、前方の上の写真の部分のペグダウン部分と、後方のペグダウンした位置(前から見ると後方右側)と対角線にくるようにペグダウンできれば、このように中央からずらしても強度が担保できます。

これで二又ポールを使った張り方は完成なのですが、いかがですか? 物すごく簡単です。

恐らく、慣れないうちは、どのくらいの長さのポールを使っていいか? という点だけ悩むと思いますが、幕によって変わるので、色々拾ってきて試してください。現地で拾った木をポールにする楽しみは、どんな木が落ちているかわからないところにあります。笑

さて、作り方がわかったところで、なぜ枝付き木でポールを作るかを説明していきますね。

■ポールを枝付きの木で作る理由

そもそも、なぜキャンプにポールを持って行かないかといえば、一番の理由は、荷物を少なくすること。そして、もうひとつは、落ちている木によって使い勝手や、テントの張り方が変わる面白さがあること。大きな理由はこの2つです。

木は本当に色んな形のものがあります。今回は竹が落ちていたので、枝付きの竹を使いました。実はこれも基本的には枝を切り落とさずに使うと、上の写真のように、色んなものをぶら下げることができて、とっても便利なのです。

食器用のラックや、ランタンハンガーはいりません。枝付きの木さえあれば、こんな風に便利に使うことができちゃうのです!

そして、二又にする理由としては、居住空間が広がるからです。ちょうどいいサイズの木がない場合は、1本でテントを建てますが、良い木が落ちていれば二又にした方が断然過ごしやすくなります。

上の写真は1本で軍幕を建てた時のもので、中央にポールがくるとやはり邪魔です。

二又にすれば中央のポール部分を気にせず居住スペースが取れます。

※ ※ ※

さて、いかがでしたでしょうか? 二又ポールを枝付き木で作る理由はわかっていただけましたか? 木を自由に使いこなせるようになると、道具が減りますし、毎回創意工夫をしながらサイト構築をする楽しみができます。まだ未経験な方、一度お試しください。

 

>> 連載 [不自由を自由にする野営スタイル]

(文・写真/RYU

RYU/横浜元町ミリタリーキャンパー

RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、年間数十泊の野営を行っている。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」

 

【関連記事】
◆見た目にかっこよく張り方自由自在!ヘキサタープのメリットとシェルターとしての張り方
◆焚き火が最高に気持ちいい季節! "秋キャンプ" の楽しみと防寒対策
◆覚えよう「もやい結び」!キャンプで本当に役立つロープワーク①

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする