MCCって知ってる?価格は安くてもサービス◎な“ミドルコストキャリア”で高コスパな旅を実現

【LCC大攻略2025】

MCC(ミドル・コスト・キャリア)のメリットとは? FSCとLCCのイイトコドリだからこその使い勝手の良さを、航空アナリストの鳥海高太朗さんとノマド系テクニカルライター中山智さんに聞いてみました! そして実際に(自腹で)MCCを利用してみたレポートもありますよ。

 

■MCCは堅実路線で利便性が◎、直前でも価格の安さと柔軟性がメリット

FSC(フルサービスキャリア)なみのサービス、かつLCC(ローコストキャリア)に近い価格で利用できる。そんなイイトコドリが叶うのが、MCC(ミドルコストキャリア)。日本国内では、エア・ドゥ、ソラシドエアやスターフライヤーなどが該当します。

特徴的なのが、東京からの利用の場合、羽田空港に発着枠が確保されていること。MCCなら羽田空港、LCCは主に成田空港と、利用できる空港が分かれているため、目的地にもよりますがMCCを選ぶことで都内への移動が早いというメリットがあります。

航空アナリストの鳥海高太朗さんは、「羽田空港の発着枠があるからこそのMCC。意外と日本特有の存在かと。いま新たにMCCを始めようとしても発着枠がないから、無理ですし。羽田と成田、空港がMCCとLCCで分けられているのはかなり重要ですよね」と話します。

利用できる空港とともに就航路線も、選ぶ上では大事な部分。その点に関しては「FSCと同じ路線なので非常に使いやすい。逆に、きちんと採算の取れる路線のみ。その堅実さも特徴かと。FSCのようにいわゆる政治的な要因も含めて飛ばさなくちゃいけない、路線維持の観点がないので、ある意味公共性は低いともいえますが。ゆえに利便性の高い空港への発着がメインですよね」(鳥海さん)

利用頻度が多く利便性の高い空港への発着とともに、ユーザー目線では価格の面でもFSCに比べ1万円以上お得にチケットが手に入る部分も見逃せません。

「エア・ドゥやソラシドエアならANAとの比較で1万円以上の差があることも。普通運賃の場合でも一定の安さが確保されており、直前の場合でも運賃に柔軟さがあります。ただ逆転することもあるので、いずれもこまめなチェックが必要です」(鳥海さん)

価格のリーズナブルさに付随するのが、欠航や遅延への不安。ですが、MCCの定時運行率は高く、遅延が少ないため移動時の安心感にも繋がります。また、預け入れ荷物の料金が運賃に含まれていること、そして機内持ち込みに関しても10kgと比較的ゆるいのもFSCに近い部分と言えるでしょう。ノマド系テクニカルライター 中山智さんは「手荷物の工夫をせずに乗れるのは非常にいい。7kgってPCやカメラをはじめ、小さくて重いものが多い僕らのような職業だとかなりストレスがあるから」と言います。

機材に関しては、ソラシドエアはB737-800、エア・ドゥはB767-300/737-700、スターフライヤーはA 320neo/320ceoとそれぞれ。機内サービスに関してはエア・ドゥならば例えば「オニオンスープ」、ソラシドエアなら「アゴユズスープ」とご当地ならではのドリンクの提供も。ほかにも無料のキャンディー提供や、就航地応援商品にコラボアイテムなどの販売も行うなど、地域性を機内で感じることができるのも面白さのひとつです。

「MCCと呼びつつも、バシッと当てはまる言葉がないからこそカテゴライズが難しく、イメージが湧きづらい部分はあるかも」と話す中山さん。いずれにせよMCCならば、FSCの路線を利用しつつ、リーズナブルで快適な移動ができるのは確実。定時運航率の高さと預け入れや手荷物の重量部分でのストレスの少なさも含めて、「今までFSC or LCCしか選択肢になかった」なんて人も積極的に利用を検討してみてはいかがでしょうか。

航空・旅行アナリスト/鳥海 高太朗さん
帝京大学理工学部航空宇宙工学科、千葉商科大学サービス創造学部、共栄大学国際経営学部非常勤講師。航空会社のマーケティング戦略を主研究に、自らも国内外を巡り体験談を中心に雑誌やテレビで情報を発信している。YouTube

 

ノマド系テクニカルライター/中山 智さん
海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。YouTube

 

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