『スパイダーマン』や『ラスアス2』などの日本語版を手掛けた翻訳家が履く謎ブランド“キークス”とは

【スニーカーとヒト。Vol.8】

“人に歴史あり”。良く聞くこの言葉が、今のように当たり前に使われるようになったのは、1968年から1981年まで東京12チャンネル(現・テレビ東京)で放映されていた同名タイトルのトーク番組の影響だといわれている。同番組は、毎回日本を代表する著名人を1名取り挙げ、その人物本人や周囲を取り巻く関係者による証言・インタビューを通して検証していくというもの。毎回テーマソングに合わせて、「人の世の潮騒の中に生まれて、去り行く時の流れにも消しえぬ一筋の足跡がある。今日は○○さんの歴史を振り返ってみたいと思います」というナレーションが入っていた。(Wikipedia調べ)

なんとなく本連載とも似ているではないか。ある人物の辿ってきた人生を知ることで、その人がなぜ今、そのスニーカーを履いているのか。その理由を知る。さて、そんな連載も末広がりの8回目。誰に当たろうかと考えていたところ、妻の友人に筆者と同い年でゲーム制作に携わっている人物がいたことを思い出し、早速アポ突撃。

eスポーツやゲーム実況など、さまざまな形で世界中に大きな広がりを見せ、今や老若男女が楽しむホビーの大本命となったゲーム(いわゆるビデオゲーム)。大人になって以降チト離れているとはいえ、小・中学生時代は人並みにゲームを嗜んでいたし、年齢も筆者と同い年ならば辿ってきた道程は近しいから話も盛り上がれるはず! と、意気込み訪れたソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)。

東京は品川駅前の一等地に建つ立派すぎるビルに気圧されるも、踏み入れたエントランス。緊張する筆者を、笑顔とKEEXS(キークス)という聞き慣れないブランドのド派手なスニーカー「IJINLE CLASSIC」で出迎えてくれたのが、今回の主役である“大島陸”さんだ。では前述の番組のお作法に則り、この言葉から始めるとしよう。「まずは大島さんの歴史を振り返ってみたいと思います」。

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