プロも使う完成度!ユニフレーム「コーヒーバネット」が30年以上売れ続けている理由

【理由②】コーヒーフリーク達の心を掴んだユニークかつ画期的な収納方法

「コーヒーバネット」の特徴のひとつが収納性の高さ。シンプルなんだけど“アウトドアっぽいギミック”というのがオトコゴコロくすぐります。いや、シンプルだからこそですね。

一本のワイヤーをバネ状に構成しているので、バネを押しつぶすようにして、台座部分のワイヤーをリングの2本目に通すことで収納形態に。展開するときは、台座を挟んだワイヤーから外すだけの2アクションで展開可能です。

とはいえ、初めて使う方は「知恵の輪?」となること間違いなしなので、しっかり説明書きを見てから使い始めましょう。

折りたたみ時は平たい形状になり、ボックスやケースに収納しやすく、本体重量も50gを切っていて、持ち運びが簡単。クルマを使ったオートキャンプはもちろん、ハイキングや川下りといったアクティビティでも活躍するアイテムです。

そしてこのコンパクトになる独自設計もドリップ性能と同様、意外なニーズを掴みました。

「キャンパーの方もそうですが、意外にも旅行客の方にお求めいただくことが多かったようです」と野﨑さんは発売当時を振り返ります。

今ではスーパーやコンビニでも販売されているドリップバッグコーヒーですが、一説によればそれらの商品が一般に流通するようになったのが2000年代前半。それまでは旅先で美味しいコーヒーを気軽に飲むためには、嵩張る道具を旅先まで持っていくか、都度お店を探す必要がありました。

▲コンパクトなケースに収まるサイズ感で、散歩やポタリング先でのコーヒーブレイクにもピッタリ

そんな折、かさばらずコンパクトで、しかも軽い「コーヒーバネット」が登場。旅行先でも気軽に美味しいコーヒーを楽しめる! ということで、コーヒーフリークたちの間で話題に。

さらに、山中での行動時に体を温めつつ、気分転換にもなるということで、山岳隊の人々からも熱い支持を受けたといいます。

普段キャンプ中に何気なく使っている「コーヒーバネット」、実は収納性の点でそれまでのコーヒードリッパーの常識を打ち破る、エポックメイキングなギアだったのです。

また、収納性とは異なりますが、ワイヤーを使用したこの形状により、洗いやすく乾きやすいというメンテナンス性の良さも地味に便利なポイントです。

 

【理由③】圧倒的ヘタらなさ!繰り返し使用しても変わらない安定感

創業60年を越える老舗金物メーカー、株式会社新越ワークスのブランドであるユニフレーム。ザルなどの業務用厨房金網製品分野では国内で高いシェアを誇る、代々続く調理器具メーカーです。「ザル屋として日頃から金属製のワイヤーを取り扱っていた」(野﨑さん)こともあり、使用する素材や円すい状に仕上げるためのアイディアは自然に出てきたものだったと言います。

「何度も折りたたんで使用することを考えると、ヘタリに強い素材でないといけません。この素材選びこそが何よりも大事な部分ですが、この点に関しては、金属加工の専門分野である弊社の強みが生きています」

金属のバネ性を利用した折りたたみ構造ゆえ、金属の剛性が重要。そこで素材には耐食性の高い「SUS304」に弾性限や耐力を高めるWPB熱処理を施した特殊ステンレス鋼を使用しています。これにより繰り返し折りたたんでもなお、円すい形状が崩れないわけです。

私も7年ほど愛用していますが、購入当初から使用感は変わっていないように感じます。

そしてこの剛性は、収納性だけでなくドリッパーの安定性にも寄与しています。
実際に使い比べてみると分かりますが、格安で販売されている似たような形状の商品は、数回使うだけでワイヤーの立ち上がりが足りなくなります。

ペーパーフィルターにお湯を注いだ際に、ドリッパーが傾きお湯が均一に広がらず、雑味が出たり抽出が不十分であまりおいしくないコーヒーになってしまいます。
最悪ひっくり返ってしまって、火傷の危険も。

その点「コーヒーバネット」は、お湯を注いだ際のドリッパー上部の安定感が良く、ペーパーフィルターをドリッパーがしっかりと受け止めるので安心してドリップ可能。

こうした耐久性と安定感も多くのコーヒー好きキャンパーたちに支持され続ける理由のひとつと言えるでしょう。

*  *  *

本格的なドリップコーヒーが楽しめるだけでなく、持ち運びや耐久性も高いことで人気となったユニフレーム「コーヒーバネット」。発売から30年以上経過してもなお、アウトドア用ドリッパーの定番として君臨し続けています。

発売当時からコンパクトドリッパーとしての完成度は高く、コーヒーのプロからも改善の要望が挙がってこなかったほど。もし長く使い続けられるコーヒードリッパーをお探しのキャンパーがいれば、この機会に検討してみては?

…ただ一点だけ勝手なことを言わせてもらえるなら、シェラカップに直接コーヒーを落とした時に、フィルターの先っぽがドリップしたコーヒーに浸ってしまうのだけなんとかなるといいなぁ。

>> ユニフレーム

>> [連載]The ORIGIN of the CAMP GEAR

<取材・文/山口健壱

山口健壱(ヤマケン)|1989年生まれ茨城県出身。脱サラし、日本全国をキャンプでめぐる旅ののち、千葉県のキャンプ場でスタッフを経験。メーカーの商品イラストや番組MCなどもつとめる。著書に「キャンプのあやしいルール真相解明〜根拠のない思い込みにサヨウナラ」(三才ブックス)

 

 

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