「防犯カメラ」だけじゃダメ? モノ視点で考える家の防犯対策【一戸建て編】

旭化成ホームズの提唱する防犯習慣を易しく噛み砕くと、従来型の侵入窃盗と匿名流動型の両方に備えるうえで、

(1)外からのみまもりやすさを確保する工夫
(2)侵入されにくい工夫
(3)用心する意識の習慣づけ
(4)有事の際の防御

という4点が重要だとされています。

家の防犯対策のポイントについての図解

▲家の防犯対策のポイントは4つの視点で考えるとよいという(※図は筆者作成)

それぞれのポイントについて複数の対策がありますが、例として具体的な対策をピックアップすると、

(1)植え込みを刈り込んで見通しを確保する
(2)外出時、就寝時の戸締りでシャッターまで閉める
(3)戸口を開けずに来客への徹底したインターホン対応を心がける
(4)防犯アラームを設置する

といった具合になります。

「侵入犯罪については、下見をしたときに、“この家は防犯意識が高い”と思わせることが大切です。防犯カメラがあるな、戸締りやシャッターをきちんとしているな、と思わせることで狙われにくくなる可能性があります。また、匿名流動型の犯罪に対して重要なのは、“もし入られてしまったら”という視点での対策です。例えば、窓が開いた時点でアラームが鳴って犯人の侵入に気づけたり、有事の際に警備会社などが駆けつけてくれるようなシステムを取り入れる。侵入や異変にすぐ気づくことができれば、トイレのような鍵付きの部屋に逃げ込んで閉じ篭り110番通報できます。警察や警備が10分程度で駆けつけてくれれば、強盗犯から縛られて殴られるような事態を避けられる可能性も高くなるでしょう」(山田さん)

 

■具体的に取り入れたいアイテム8選

最後に、防犯目的で具体的に取り入れておきたい8つのアイテムをチェック(※商品は&GPによるセレクトになります)。

1. 録画機能のあるインターホン

インターホンで対応することで、ドアを開けて靴などから家族構成を下見されたり、押し入って強盗されたりするリスクを低減できます。録画機能もある製品だとより効果を発揮するでしょう。

製品イメージ

▲最近の製品としては、ティーピーリンクジャパンが1月24日に発売した「Tapo D235」。180°超広角レンズを搭載し、暗い時間帯でもスポットライトを駆使し、フルカラーでの撮影が可能だ(画像出典:ティーピーリンクジャパン プレスリリース)

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2. 防犯カメラ

侵入窃盗犯に対して、牽制としての効果が期待できます。製品としては、動体検知機能が付いていたり、通話音声を通じて、相手に警告できる機能があるとなおよしといったところ。

製品イメージ

▲こちらもティーピーリンクジャパンが6月に発売した防犯カメラ「Tapo C425」に注目。同機は、ねじ止めだけでなく、両面テープや、磁力などを使って簡単に装着できる(画像出典:ティーピーリンクジャパン プレスリリース)

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3. 窓の補助錠

開けるために窓を割る箇所が増えるので、侵入にかかる時間が長くなり、特に防犯ガラス・フィルムとセットで設置すると侵入しにくくなる効果を期待できます。ただし、ネジ止め式の補助錠は力づくで開いてしまうことがあるので、突起が出るように引っ掛けるタイプの方がよいとされます。

製品イメージ

▲補助錠は市場に多くのバリエーションがある印象だ。ユニークな製品としては、プラセスの「LEGLOCK(レグロック)」などにも注目(画像出典:プラセス プレスリリース)

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4. 内窓二重サッシ

防犯ガラスタイプを採用すると開けるための時間が増えるので狙われにくくなります。既存の窓を壊さずに設置できるうえ、断熱効果のUPも期待できます。

5. 防犯ガラス・フィルム

割って侵入できない防犯ガラスを取り入れると、窓から侵入されにくくなります。ただし、後付けするフィルムの場合、部分貼りは効果が薄いので、全面貼りすることが基本になります。

自身で施工するのが難しい場合、認定品の防犯フィルムを認定施工店で全面張りで施工してもらい、CPマーク(Crime Prevention:防犯マーク)がついた状態にしておくことでより防犯効果が期待できるでしょう。

6. 小道の奥への侵入を防ぐ柵

家の横のスペースに、鍵をつけられる柵などを設置し、敷地の奥まで入りやすい状況に対策しておくのが重要。施工が難しい場合には、柵や自転車などを置くだけでも多少の効果が期待できます。

7. センサーライト

従来型の侵入窃盗に備える効果あり。ただし、外に向かっての威嚇は効果が薄いです。それよりも、侵入口となり得そうなスペースに内向きに照らして、侵入しようとする犯人が照らされるような角度にすることが重要です。

製品イメージ

▲センサーライト兼カメラとしては、Ankerの「Eufy Solar Wall Light Cam S120」がイマドキ感のある製品。ソーラーパネル搭載なので、配線を気にせずに設置しやすい(画像出典:アンカー・ジャパン プレスリリース)

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8. 防犯アラーム・セキュリティシステムの通報ボタン

匿名流動型の犯罪に備える意味で、万が一の不審者の侵入をいち早く知り、すぐに身を守る対応ができるように備えておきたいところ。

製品イメージ

▲セコムの緊急通報に対応した「YORiSOS(よりそす)」アプリ。ガジェットの操作に慣れた世代ならこうしたアプリも選択肢になるかもしれない(画像出典:セコム プレスリリース)

*  *  *

後編では、同様にアパートやマンションなどの「集合住宅」における対策を考えていきます。

<取材・文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X

 

 

 

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