■画面サイズはあえて32インチ以下の小型もアリ
家電量販店に行くと、「今の時代、大画面の方が絶対満足度が高いですよ!」と50V型以上を推されることが多いんですが…新生活の一人暮らしなら、これに従う必要は全くありません。あえて32V型以下の小型テレビを選ぶのもアリです。
▲32V型はPC画面より大きい、絶妙なサイズ感
理由は単純で、ワンルームや1Kの部屋だと、50V型なんて正直デカすぎるから。家電量販店では、例えば50V型の4Kテレビ推奨視聴距離は約1mですが、これはあくまでテレビを基準に考えた話。
生活空間である“部屋”を基準に考えると、生活への馴染みやすさや、家具やインテリアとの調和も考えるわけで、無理なく置けるサイズがベスト。それに、最初から小型テレビを狙い定めれば、予算は3~4万円ほどまで抑えられます。
そして、テレビの機種選びで押さえておきたい最重要ポイントが、ネット動画対応。まず、YouTube、Netflix、Prime Video、TVer、ABEMA等のアプリが標準で入っている機種を選びましょう。小型テレビなら、レグザ、ハイセンスがオススメです。
▲TVS REGZAのV35Nシリーズ。32V型の「REGZA 32V35N」で実勢価格4万590円
▲ハイセンスの32V型モデル「32A4N」はフルHDのADSパネル搭載。価格も実勢価格で3万7450円前後と割安
あえてオススメメーカーを出してみたのは、小型テレビ界隈はネット非対応の機種も多く、よく調べずに買うと後で大変だからです。国内大手メーカーでも32V型以下の小型テレビはコストダウン最優先で地デジだけだったり、古い機種をそのまま売っていることもあるので要注意。また国内のマイナーメーカーも地デジのみの製品がほとんどです。
なお、ネット動画への対応が手厚いメーカーは、他には中国の格安テレビメーカーTCLがあります。TCLのテレビはGoogle TV搭載でネット動画対応もバッチリ、ですが画質・音質などの完成度はレグザとハイセンスが上回ります。
ここで補足しておきたいのは、「ネット動画メインならチューナーレスTVでも良いんじゃないの?」ってこと。
ネット動画しか見ないのであれば、チューナーレスTVはもちろんアリです。ただチューナーレスTVって大手メーカーは扱っていないので、品質面でもサポート面でも少々信頼性に欠けるところが難点。トラブルを自分で乗り越えられる自信がある人のみに推奨したいところです。
▲チューナーレスTVの「Xiaomi TV A 43 2025」なら、4Kの43V型でAmazon.co.jpの価格が3万2800円
新生活を始めるにはスマホやPCだけで十分と思いがちですが、テレビがあると意外と便利な場面が多いものです。ネット動画を大画面でゆったり楽しめるのはもちろん、ちょっとしたBGM代わりにもなるし、料理中や部屋の片付けをしながらの“ながら視聴”にもピッタリ。
朝の身支度の時間にニュースを流しておけば、SNSでは流れてこない情報に触れる機会も増えます。災害時や緊急速報など、いざというときに役立つのもテレビならではのポイント。普段はネット動画専用として使いながら、たまに地デジもチェックできるのがちょうどいいバランスかもしれません。
▲テレビなら、地デジのニュースなども見られる
「なくてもいいけど、あると便利」。そんなポジションとして、テレビを新生活のお供に迎え入れてみるのもアリなんじゃないでしょうか。
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年よりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
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