世界最大級のモバイル展示会「MWC 2025」で見えてきたスマホの最新トレンド3選

3. 電子ペーパーを採用したシンプル端末にも要注目!

MWCの会場を回っていて、大きなブースでは見かけないものの、あちこちで目にしたのが電子ペーパー(E Ink)を採用した端末。サラサラとした質感で、目に優しく、電池持ちが長いことが利点。新しい技術ではありませんが、ミニマリストやエシカルな指向に応える製品として、これから注目度を増すかもしれません。

中国の総合家電メーカー・TCLは、独自開発の「NXTPAPER」というディスプレイを搭載するスマホ「TCL 60 SE」を出展していました。NXTPAPERは電子ペーパーのように反射を抑える性質を持ち、消費電力が少ないことが利点。カラー表示にも対応し、「Max Ink」「Ink Paper」「Color Paper」の3つのモードに切り替えられます。最も消費電力が少ない「Max Ink」モードでは、最大1週間の連続使用を見込めるそう。TCL 60 SEはスペックが控えめで、価格は189ユーロ(約3万円)〜とお手頃です。

▲NXTPAPERを搭載し、表示モードを切り替えられるTCL 60 SE

▲左がInk Paper表示、右がColor Paper表示

▲格安ながら背面パネルの質感もよかった

ポーランド・ワルシャワ発のベンチャー・Muditaのブースには「Mudita Kompakt」というコンパクトなケータイが出展されていました。コンパクトなスマホに見えますが、実際は4Gまでに対応するガラケーで、4.3インチのE Inkディスプレイが搭載されています。

▲手のひらサイズで、タッチで操作できる

▲カラバリや純正ケースも用意されている

通話とSMSを利用でき、カメラ、カレンダー、電卓などのアプリがプリインストールされています。オフラインで使える地図をダウンロードすることもできるそうです。デュアルSIM(nanoSIM+eSIM)で使えて、電池持ちは最大6日間。しかし、価格は439ユーロ(約7万1000円)と、機能が少ないわりには高めです。

海外では、あえて何もできない “Dumb Phone” も流行っているそうです。スマホやSNSなどから一定の距離を置くデジタルミニマリズムは、これからも広がっていくと予想されます。日本向けのDumb Phoneが発売される日は近いかもしれません。

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

 

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