“美しすぎるカメラ”で話題の「SIGMA BF」をプロが体験。潔さの中に宿る写真機としての本質とは

【趣味カメラの世界 #22】

カメラを選ぶとき、スペックや機能はもちろん大事。しかし、もっと直感的に、「見た目が好きだから」「このかたちに惹かれたから」という理由で選んでもいいはずです。Sigma(シグマ)の新作「Sigma BF」は、まさに“見た目で選びたくなる”一台。潔いデザインは、スペック表には載らない魅力であふれています。

フォトグラファーの田中利幸さんが、このカメラを実際に使って、その使用感やデザインの魅力を掘り下げます。

監修・執筆:田中利幸(たなかとしゆき)|ファッション誌などでブツ撮りやポートレートを中心に活動するフォトグラファー。カメラ・ガジェット好きで自身で運営するブログ「Tanaka Blog」において、カメラやガジェットに関するちょっとマニアックなことを書いている。

 

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Sigmaが6年ぶりに送り出したフルサイズミラーレスカメラ「Sigma BF」(38万5000円 ※ボディのみ)。マットで落ち着いたシルバーのボディは、なんだか“道具感”があってとても上品。今回は、このカメラを用いて、実際の操作感やデザインの魅力について、じっくり紹介していきます。

■そぎ落としすぎ?いえいえ、それが“Sigma流”です

まず手にした瞬間に感じるのは、その異様なまでの“潔さ”。ボタン類は最小限で、軍艦部の突起もなく、正面から見ると「これ、本当にカメラ?」と思うくらいシンプルな見た目です。アルミ削り出しのボディは、金属の塊みたいに無骨なんですが、どこか品があって、手に持つとしっくりきます。

“写真を撮るための道具”という枠をちょっと飛び越えて、ひとつのプロダクトとしての美しさがちゃんとある。これって、今までのカメラにはあまりなかったアプローチじゃないかなと思いました。

エッジの効いた直線的なフォルムに対して、手に触れる部分の角には、ほんのりと丸みがあって。そのあたりの使いやすさへの気配りも、ちゃんと考えられているんだなぁと思います。

「ここまでそぎ落とす必要ある?」なんて声があるのも、たしかにうなずけるんですが、むしろこの思いきった割り切りに、Sigmaのブレない美意識と、作り手たちの自信がしっかり詰まっている気がしました。

【次ページ】「BF」のインターフェースは独特?だが、それで良い!

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