あれから30年―― ル・マンで日本人初優勝をもたらした忘れじの名マシーンが1/18モデルカーで復活【model cars】

■予定外だった7台目のマクラーレン F1 GTRが起こした奇跡

1995年のル・マンには7台のマクラーレンF1 GTRが参戦。これが同車にとって初のル・マンとなったが、すでに欧州のBPRグローバルGTシリーズなどで圧倒的な強さを見せていたこともあり、周囲の期待値は相当なものだった。そして蓋を開けてみれば、1位に関谷選手組の59号車が輝き、3位、4位、5位、13位にもマクラーレンF1 GTRが入賞し、圧倒的な強さを見せつけたのだった。

ちなみに、当初マクラーレンF1 GTRのル・マン参戦は6台の予定だったが、後に急遽1台が追加されているが、その1台こそが関谷選手のマシーンである。これは同車のメインスポンサーであった上野クリニック/国際開発の代表が熱心なマクラーレンF1のファンで、そのル・マン参戦を聞きつけて「どうしてもスポンサードしたい」という願いから実現したもの。話が決まったのがル・マン直前だったこともあり、関谷選手のマシーンは新車ではなく、F1 GTRの開発用テスト車両(シャシーナンバー01R)があてがわれることになったが、結果として同車が優勝したというのは実に興味深いところである。

メイクアップのモデルは、実車から採取した3Dスキャンデータを元に設計。1/18のスケールとしてもっとも実車に近く見えるようにボディの面表現やディテールの解像度を調整する工夫が凝らされている。車体はレジン製、ウィンドウパーツやヘッドライトカバーなどはインジェクション成形部品、ホイールは精緻なモールドと剛性を保持するABS製のインジェクション成形部品を使用している。ボディは、ガンメタとブラックの塗り分けは塗装、ロゴ類はデカールでの再現となり、その上からクリアコーティング塗装を施したのち、1台1台手作業!で鏡面状態にまで仕上げているなど、その清潔感は圧倒的。

車体は一体成型ゆえに、ドアやカウル類の開閉ギミックは備わらないが、インテリアはメーター類かシートベルトなど細部まで実車を再現。エンジンルームも遮熱版やその奥に覗くエンジン類も、見える部分はマテリアルの質感表現にも拘って実車を忠実にトレースしているので、非常にリアリティの高い1台に仕上がっている。値段は¥82,500(税込)とかなり張るが、手に取った時の満足感はそれ相応かそれ以上。生産台数も200個と非常に少ないので、気になる方は下記ページまでアクセスして欲しい。

>> メイクアップ

<取材・文/モデル・カーズ編集部、写真提供/メイクアップ>

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