秋まで待ち切れないぞ「GR Ⅳ」。その前に、もう一度「GR III」の楽しさを噛みしめておきたい

■28mmと40mm。変わるのは“距離感”だけじゃない

今回は2台を同時に借りたので、レンズ交換をするような気分で使い分けてみました。

▲ GR IIIx、シャッタースピード1/1000秒、F2.8、ISO2500

先述の通り、焦点距離が40mmの「GR IIIx」だと、顔をグッと寄せてもパースがきつくなりすぎなくて、いい感じに写ってくれます。前ボケも自然で、ポートレートに向いてるんじゃないかなと思いました。

被写体との距離も、近すぎず遠すぎず、なんだかちょうどいい。無理せず自然に収められる感じがして、個人的にはこのくらいの画角、かなり好きです。

▲ GR IIIx、シャッタースピード1/1000秒、F2.8、ISO1250

ただ、まわりの風景もいっしょに入れようとすると、思ったよりも下がらないといけないこともあります。

スマホに慣れていると、「あれ、もっと引かないと画角に入らないかも」なんて感じるかもしれません。

▲ GR III、シャッタースピード1/200秒、F3.5、ISO200

「GR III」は、広角気味のレンズだからこそ思いきってグッと寄ってみると、ダイナミックな雰囲気になります。

パースが効いて、なんだか印象にも残りやすい1枚になりました。

▲ GR III、シャッタースピード1/200秒、F3.5、ISO640

ちなみに、「GR III」はマクロモードじゃなくても結構寄れます。この写真くらい近づいても、ちゃんと撮れてしまうのは流石の一言。

ただ、28mmでここまで寄るってことは、けっこう相手との距離も近くなるわけで…。そこは被写体との関係性次第ですが、そのぶん親しみのある自然な表情が撮れる気がします。

改めて2台を撮り比べて思ったのは、それぞれにうってつけな場面がちゃんと存在していること。

▲ GRIII、シャッタースピード1/200秒、F3.5、ISO100

「GR III」は、やっぱりスナップシューター。街の空気ごと切り取るのが得意で、ポートレートもその延長で楽しめます。スマホの画角に近いぶん、最初の1台としてもおすすめしやすい。

▲ GR IIIx、シャッタースピード1/1000秒、F3.5、ISO1600

「GR IIIx」は、もうちょっと“撮ってる感”があるというか、構えて撮る楽しさがあるカメラ。距離の取り方や背景の整理もしやすくて、じっくりと写真と向き合いたい人に向いてると思います。

【次ページ】撮って出し派は“イメージコントロール”機能を活用しよう

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