■ケビンの個人的傑作は「CPL」シリーズ
創業から今年で7年。ずいぶんラインナップが充実していますが、ケビンのお気に入りは? しばらく悩んだ末の答えは「CPL(CIVIC PANEL LOADER)」シリーズ。
「やはり最初のプロダクトは特別です」(ケビン)
▲「シビック・パネル・ローダー 16L」(3万3000円)
いろいろな人に話を聞き、縦型のバックパックであっても片方の肩に掛けたりキャリーケースに載せたりして横向きになったバッグの中を探ることが多いことを知ったケビンは、横向きにしても型崩れせず、その状態で取り出しやすいようポケットの位置や向きを配置。PCスリーブは吊り下げ式で、縦横どちら向きにしても衝撃が加わりにくくしています。
▲「シビック・パネル・ローダー 24L」(3万9600円)
世の中にはPCスリーブ付きでバックパックとブリーフケースの2wayなんて星の数ほどあります。羅列する機能は同じでも「CPL」シリーズが使いやすいのは、縦型のバックパックでありながら横向きでの使いやすさにこだわっているから。納得です。
▲工事現場やミリタリーで使われるRCファスナー
「CPL」シリーズは防弾チョッキなどにも使われるバリスティックナイロン、YKKのRCファスナー、そして超々ジュラルミンのアルミステーなど質の高い素材を使ってトラブルなく長く使えるようにしていることも見逃せません。
■自然が広がり、モノ作りに理解があるボーズマン
「EVERGOODS」の拠点はアメリカ北部の町、ボーズマン。バックパック界の天才、デイナ・グリーソンの故郷としても知られていますが、シカゴ生まれのケビンとは無縁だったはず。なぜここを拠点としているのでしょう。
「モンタナ州はアメリカのなかでも自然が多く、ボーズマンはロッキー山脈の麓に広がる田舎町。釣りやハイキング、ハンティングなどいろいろな遊びができる、美しい場所です。半面、都市部のように便利なサービスはありません。雪が降ると自分で雪かきをするし、なにかあると自分で工夫しなければならない。ハンドメイドの技術、文化が根付いていてパック作りの拠点に向いていると思ったのです」
休日には家族とともにスキーやハイキングに出かけているとのこと。自分が手がけたバッグのフィールドテストにもなるし、出かけているうちに新しい製品のヒントも生まれる。なんだかとってもうらやましい環境です。
▲「マウンテン・パネル・ローダー 30L」(3万8500円)
そういえば「CPL」と同時に登場した「MPL(MOUNTAIN PANEL LOADER)」はスキーやハイキングを想定し、ヒップベルトやハイドレーション用のポケットを装備していますが、街中ではヒップベルトを取り外したクリーンなシルエットに変身可能。そしてハイドレーションを吊るメインポケットはPC対応でもあります。
一方、「CPL」はスクエアに見えますがわずかに下部を絞ったアウトドアパックに通じるデザイン。ヒップベルトこそありませんが重心を高くしやすく、ハイキングにも使えます。
「CPL」と「MPL」、どちらもボーダレスに都会と自然をつなぐ「EVERGOODS」を代表するプロダクトですが、ボーズマンという自然豊かな環境は製品作りに大きなヒントとなっていそうです。

ブランド名に含まれている「GOODS」には、「製品」と「良い」というふたつの意味があります。
ブランド立ち上げ当初に作られたのがバックパックだったので“バックパックブランド”と言われることが多いけれど、いずれ幅広く良質な製品を手がけたいと考えていたので「EVERGOODS」と名付けたそう。

バッグやオーガナイザーの次は何が飛び出すのか聞いてみましたが「まだナイショ」と笑顔でかわすケビン。
アパレル、それともハードウエア? 驚きのプロダクトが加わる日を楽しみに待ちたいですね。
>> EVERGOODS
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X
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