ヴィブラムへのソール交換で、シューズも人生もバージョンアップさせてみた!【後編】

オシャレの基本は足元から。

ということで、ボロボロ気味だったお気に入りシューズ(ファッションブランド『MOUNTAIN RESEARCH(マウンテンリサーチ)』と老舗スポーツブランド『MIZUNO(ミズノ)』とがコラボレーションした、「INFINITY RING MOC(インフィニティリングモック)」シリーズのホワイトカラー)をヴィブラム(Vibram)へのソール交換&バージョンアップを図るべく、東京・日本橋にある三越本店に店を構える靴修理専門店「RESH.(リッシュ)」が運営する「Men's Shoes Care & Repair Counter 日本橋三越本店」に伺い、相談をしてみた。

「Men's Shoes Care & Repair Counter 日本橋三越本店」は、日本国内唯一のヴィブラム公認のカスタマイズサービス「ソールファクター(SOLE FACTOR)」だ。

約3週間後にソール交換仕上がりのご連絡をいただき、再び「Men's Shoes Care & Repair Counter 日本橋三越本店」へ。シューズの修理についても含め、さらにいろいろと話を伺った。

■修理工房での作業について

交換ソールをヴィブラム「Project X」モデルの白黒グレーカラーに決定し、たのしみに待つこと約3週間。担当の高田清貴さんよりシューズの仕上がりのご連絡をいただいた。いったいどんな感じに仕上がったのか。ワクワクウキウキしながら、ふたたび「Men's Shoes Care & Repair Counter 日本橋三越本店」へ向かった。

そういえば、シューズの修理やソール交換って、職人の方は実際にどんな作業をされているのだろうか。シューズマニア、シューズオタク、シューズフリークとしては、やはりとても気になるところ。ということで、仕上がったブツを受け取る前に、店舗に併設されている修理工房での作業の様子を特別に覗かせていただいた。

▲ガラス窓のなかが、店舗に併設された修理工房

--リペアされるシューズは、基本的にはすべてコチラの工房で作業が行なわれているのでしょうか?もしくは他の場所で修理されている?

榊 圭さん 革底のソールの張り替えに関しては、ココにある設備では残念ながら完結しないんですよ。革靴のアウトステッチをかけるための大きなミシンが必要になるのですが、そういった修理は工場に出しています。

高田さん 逆にいえば、それ以外はすべてココでやっています。スニーカーだったり、ラバーソールの交換など、そういうものはこの工房でやっていますね。

--(工房のなかへ)コチラはソールを削る機材、いわゆる卓上グラインダーですね。

高田さん この作業は、革靴にハーフソールを貼ろうとしていまして、まず最初にソールを貼る位置決めをラインしてから、元の靴底とソールを貼った際の段差、ハーフソールの厚さの分がなくなるようにはめ込む加工をします。

▲まずはペンを使用してハーフソールを貼る位置のライン決め

--グラインダーでヤスリ的な感じで削るということですね。

高田さん そうです。

▲卓上グラインダーの左側の目が粗い方で革のソールを削る

--(ソールを削る高田さんを見て)思ってた以上にけっこう削られるんですね。

高田さん 一応、表面の部分だけです。

▲右側の目の細かい方で革のソールを整える高田さん

--(向かって左側で削ったあとに右側で削る高田さん)右側と左側の機材で何か違うんですか?

高田さん 粗さが違うんですよ。左側の方がより粗いので、いっぺんに削り落とすときに使用して、右側は目が細かいので仕上げ的な時に使用します。このようにとったラインに合わせてハーフソールを貼ります。

▲ハーフソールをラインに合わせて、糊(のり)で貼りつけるのだそう

--スニーカーの場合はどのように進めるのでしょうか?

高田さん もちろん修理の度合いによりますが、まずはソールを左側で削り落とす、もしくは電熱ヒーターがあるので、熱を加えながらソールの部分を剥がしていきます。

▲こちらが赤外線ヒーター

--熱を加えるのは、糊を弱くするということですか?

高田さん そうです!

--スニーカーソールの接着って、大体糊と圧着という感じですよね?

高田さん スニーカーは特にそうですね。縫いをかけるではなく、圧着と接着剤が大半です。そして削った後にアッパーと新しい方のソールを合わせてみて、位置を合わせるラインをとります。

▲古いソール部分をはがしたアッパー部に、新しいソールをはめてみる

高田さん 例えば、コレがソールを外した後のアッパー部分なのですが、このアッパー部分とあたらしいソールを一度合わせてみて、深さのラインを決めてからあたらしいソールの方にゲージをとり、接着剤をつけて合わせます。

▲あたらしいソールの位置を決め、ペンでラインをいれる高田さん

高田さん 乾燥や圧着、位置決めにすこし時間がかかりますが、スニーカーの場合、やり方はとてもシンプルなんです。

▲ラインの位置に合わせて、糊づけしたソールをはめこむ高田さん

--コチラはなんの機材ですか?

高田さん これは修理用のミシンですね。

▲コチラは革靴用の手動式ミシン

--革靴用のですか?

高田さん はい。例えば、革を足して縫ったりするときに使用します。電動ではなく一針ずつ縫える修理用の手動ミシンです。元の縫い穴を狙うので、電動だと難しいいんですよ。このようにひとつずつ元の穴を拾って縫っていきます。

▲針を元々ある穴に合わせて、右側についているハンドルを手で回すことで、ゆっくりと革が縫われていく

--わかりやすいご説明、ありがとうございました!

【次ページ】実際に完成したシューズを受け取って…

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