クラシカルな顔立ちと現代性能が調和。Nikon「Zf」をいま改めて語りたい

【趣味カメラの世界 #28】

クラシカルなデザインに心惹かれる瞬間は、写真好きなら誰しも経験があるのではないでしょうか。「趣味カメラの世界」連載で取り上げるNikon「Zf」(29万9200円※ボディのみ)は、まさにその感覚をストレートに刺激してくれるカメラです。

ということで、フォトグラファーの田中さんに実際に手に取ってもらい、そのデザインと操作性を中心にレビューしてもらいました。

監修・執筆:田中利幸(たなかとしゆき)|ファッション誌などでブツ撮りやポートレートを中心に活動するフォトグラファー。カメラ・ガジェット好きで自身で運営するブログ「Tanaka Blog」において、カメラやガジェットに関するちょっとマニアックなことを書いている。

 

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■「New FM2」の記憶を呼び起こすクラシカルな佇まい

最初に目を引くのは、やっぱりその見た目です。軍艦部のNikonロゴやダイヤルの造形、レザー調の外装の質感まで、昔のフィルムカメラを思い出させるような要素があちこちに散りばめられています。

筆者の私物である「New FM2」(写真右)と並べてみると、その意匠の近さに思わず見入ってしまいます。単なる“レトロ風デザイン”というより、往年の銘機への敬意が感じられる仕上がりです。

ファインダーをのぞくと、駆け出しの頃の感覚がふっとよみがえるようで、気づけば背筋が少し伸びていました。

【次ページ】操作感などをさらに詳しく見ていきます

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