■移動できる生活空間が災害時に役立つ
この頃から、災害復興に取り組む事業者や団体からも声が掛かるようになります。
「当初は金沢に泊まって現地に通っていたようですが、それだと移動に4〜5時間かかってしまい、現地での作業時間が3〜4時間しか取れないような状況でした。現地に近い場所に宿泊できる拠点を作りたいとのことで、10台のキャンピングカーを貸し出しました」(中川さん)。

当時は電気も復旧していなかったため、ヤマハ発動機から発電機も借りて一緒に貸し出したとのこと。コンビニエンスストアの駐車場だった場所に設置して、災害支援活動の拠点となりました。車内では宿泊や休憩のほか、事務仕事なども行えるため事務所のような機能を果たしていたとのことです。

ちなみに、貸し出された車両は基本的にシェアリングサービスで利用されているもので、貸し出しに当たってはオーナーさんの許可を取って配車したとか。台数が多くなったため、現地への配車もオーナーさんなどの手を借りて行ったということでした。

災害時におけるキャンピングカーのメリットは「衛生面やプライバシーが守れて、電源が確保できること。そして生活空間となり移動ができること」だと野瀬さんは力を込めます。能登の震災においては、支援者向けの貸し出しでしたが、自分でキャンピングカーを所有していれば、避難所は利用する必要がありませんし、被災地から移動することも可能です。
「熊本の災害の際もそうでしたが、高齢者や乳幼児連れの方など弱者にあたる人ほど避難所を利用しづらかったりします。そのため車中泊をしていてエコノミークラス症候群になったという話もありましたが、キャンピングカーがあればそういった心配もしなくて済みます」(野瀬さん)

車内でテレビを見られれば情報も得られるし、子どもや高齢者には安心感にもつながります。冷蔵庫や電子レンジなどを備えているだけでも、食事についての心配も軽減されそう。近年はソーラーパネルの性能も上がっているため、エアコン以外の電力は太陽光でまかなうことが可能なモデルも多くなっています。
「実際に被災すると、家の中がめちゃくちゃになるので防災グッズをまとめておいても持ち出せなかったという話も聞きます。玄関にまとめて置いておけと言われますが、キャンピングカーの中に入れておけば、それこそ動く防災バッグのように機能します」(中川さん)

本格的なキャンピングカーの導入は難しくても、車中泊のできるクルマに防災グッズとポータブル電源を積んでおくだけでも災害時の安心感は向上しそうです。ちなみにトイレについては「ラップポン」という製品がおすすめだとか。使用後に凝固剤を入れてボタンを押せば1回ずつ強固な袋に収納できるため、汚れや臭いが出ることもなく、燃えるゴミとして出すことも可能。「私のキャンピングカーにも積んでいますが、少し大きめのクルマなら積んでおけると思います」(野瀬さん)。

「キャンピングカーを購入したら、ぜひCarstayのシェアリングサービスにも登録してください。使わないときは貸し出して収入を得ることもできます」と中川さんは話します。聞けばキャンピングカーオーナーが実際に利用するのは平均で年間20日程度なのだとか。使用しないときは貸し出せれば、維持管理費用などに当てられます。もちろん、災害時に被災地に貸し出して使ってもらうことも可能です。
日本はいわずと知れた地震の多い国で、台風や豪雨などの災害も増加傾向です。災害への備えとして、キャンピングカーの導入を考えてもいいのかもしれません。
>> Carstay
<取材・文/増谷茂樹>
増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。
【関連記事】
◆車中泊の“ごちゃごちゃ”がスッキリ!棚にもなる折りたたみ収納ギアを見つけた
◆キャンプや車中泊のために作られた「電気毛布」。しっかり冷気を防いで快適!
◆ゴードンミラーの「キャラバン」ベース車中泊仕様「GMLVAN V-02」が魅力的すぎる!
- 1
- 2




























