吉沢悠さんが、愛犬とのつらい別れを乗り越えてつかんだ保護犬たちとの第二の人生。救ったつもりが、救われていた――【DOG LOVERS PRESS】

■ペットロスで僕はもう犬は迎え入れたくなかった。そう思っていたのに気がつけば多頭飼いをはじめることに――。

しかし月日は流れ、溺愛していたエメは16歳で寿命が尽きてしまう。吉沢さんはペットロスの悲しみから、しばらくはもう犬と暮らしたくないという心境になっていた。ただ、奥様の強い希望もあり、二人で再び犬を探すことに。以前とは違い、この頃は保護犬やシェルターという存在があることを知っていたので、そちらに重点を置いて情報を集めはじめた。

「シェルターさんに何回か通っているうちに、ちょっと今まで接してきたペットとは違うなっていうのがわかるようになりました。部屋の隅にある机の下でブルブル震えているコとかもいて、こっちもある程度心の準備とか腹をくくらないと保護犬を迎えるのは大変そうだと」

それでも保護犬に手を差し伸べたいという思いは変わらず、覚悟を決めた。最初に引き取ったのがフレンチ・ブルドッグの小春で、里親募集情報サイト、『ペットのおうち』で奥様が一目惚れして応募。

「血統書付きだったせいか、応募があった10件中7件くらいが業者だったみたい」

という裏話はさておき、面接に数回通い、無事に小春を迎え入れることができた。さらにその後にシェルターから保護犬のココ、ブウを順々に引き取り、一時は愛犬が3頭に。小春は今年亡くなり、現在は2頭と暮らしているという状況だ。

▲上がココ、右下が小春、左下がブウ。初めて迎え入れた保護犬がフレンチ・ブルドッグの小春。奥様が主催する保護犬の譲渡会『WOLF LADY』のアイコンにもなっているが、2025年3月に天国へと旅立った

▲シンクロした寝相がキュートなプライベート写真

 

多頭飼いはもちろん大変な部分があるが、その分、得られる幸せや癒しも大きいそうで、役者という仕事にもプラスの効果があるそうだ。

「僕の場合は作品がはじまる前とかいろいろ考えちゃって、そっちのモードに入っちゃうと頭の切り替えがうまくいかないことがあるんです。でも犬ってすごくピュアで人間とは真逆。考え過ぎている自分と、すごい純粋な存在の犬っていう。犬たちと触れ合っていると、あ、そうだ、一回切り替えよう!みたいに思えたりするんです。気持ちのリセットに愛犬の存在はやっぱり大きいかな。中でも一番の癒しは、家族みんなでベッドの上で寝るとき。最高に幸せを感じますね」

▲飼い主を気にしつつ、ペースを合わせて歩くお利口なココ。「散歩中、あまりほかの犬には反応しないんですけど、なぜか柴犬にだけは異様に興味を示すんですよね」

ところで、映画業界で活躍する愛犬家の推しの一本も気になるところだが……。

「『リロ&スティッチ』の実写版ですかね。スティッチっていうエイリアンが地球に来て最初、保護犬のシェルターみたいなところにいて、うちの犬たちと状況がリンクしたんですよ。スティッチのいたずらに対して、主人公のちっちゃいリロは“このコは子犬だからしょうがないよ”みたいなことを言い、彼女のお姉ちゃんの方は“いや、こんなやんちゃなコはもう返そう”みたいなことを言うやりとりだったり、“でも家族っていうのはそういうもんじゃないの?”的なことを妹が言うシーンとかって、それもまさに保護犬を迎え入れるときの状況に似ていてリアル。共感できましたね。あと、スティッチ自体がもしかしてフレンチ・ブルドッグをモデルにしてる?っていうぐらい似てて。うちのブウは基本、耳が垂れてるのでフレブルかどうかは不確かなんですが、興奮すると耳が立つんですよ。それがスティッチの仕草とまったく一緒で!」

誰もが聞いたことのある超有名作だが、犬好きの視点で観てみると、いろんな発見が出てきそう。愛犬と一緒に映画鑑賞、そんな時間もまた、吉沢さんが安らげるひとときなのかもしれない。

▼THANK YOU for My Partner

 こうして手紙を書こうと思うと、
これまで何度も寄り添ってくれていたことを思い出します。

お空に行ってしまったエメ、小春。
今、ずっとそばにいてくれているココ、ブウ。

あなたたちの純真無垢な姿に、自然と癒されていたんですね。ありがとう。

これからも心でつながった絆で、ずっと一緒にいようね。

 

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<写真=野口祐一/構成・文=松尾一博>

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