◾️卵の味は餌で決まる。「地域の美味しい」をバトンして育つ卵

『チキチータファーム』の卵が、驚くほど雑味がなくクリアなのは、鶏たちが食べている「ご飯」に秘密があります。それは、地域の人々が丹精込めて作った素材の、最後の一滴までを使い切る「循環のバトン」でした。それはこのようなもの。
- お蕎麦屋さんの「出し殻」(鰹節の豊かな旨味)
- お豆腐屋さんの「おから」(大豆の優しい甘み)
- 地元の「くず蜂蜜」(元気の源)
- ビールの「仕込み粕」(発酵の力)
- お米屋さんの米(エネルギーの主役)
これらはすべて、鈴木さん自らが足を運んで調達してきたもの。なかでもお米は、鎌倉や横須賀の精米所で「はじかれたもの」を譲り受けています。「本来アジアにいた鶏にとって、南米産のトウモロコシよりも、日本のお米の方が自然な食事なんです」と鈴木さん。
▲エサとなるお蕎麦屋さんの「出し殻」やお豆腐屋さんの「おから」を地元のお店からいただき、リサイクル。この地域ならではの交流も生まれる
◾️鶏の「骨」を守る、こだわりの天然素材
さらに、鶏たちの健康を支える上で欠かせないのが「カルシウム」。 「卵を産むということは、鶏自身のカルシウムを削って届けてくれるということ。人間のお母さんが、子供を産むと歯が弱くなるのと同じで、どんどん補強してあげないと骨粗鬆症になっちゃうんですよ」

だからこそ、チキチータファームではカルシウム補給にもこだわります。配合飼料ではなく、「柿殻(カキガラ)」や太古の地層から採れる「天然のミネラル成分」などを独自にブレンド。
そして無理に産ませるのではなく、鶏たちの体がスカスカにならないよう、天然素材でしっかりと基礎体力を整える。この丁寧なケアが、パチンと弾けるような元気な卵を産むための、一番の秘訣なのです。
▲発酵させた餌は人間でも食べられる安心安全なもの。芳醇な香りが立ち上る
鈴木さんはこれらを独自にブレンドし、お味噌のように「乳酸発酵」させてから鶏たちに与えています。 「生のままより、発酵させた方が鶏たちも喜んで食べるんです。まるで甘くないチーズケーキのような、良い香りがするんですよ」
実際に嗅いでみると糠床のような芳しい香り。これは人間でも味わうことができるそう。地域の「もったいない」が、鶏たちの体を通じて「究極の卵」へと生まれ変わる。そこには、単なる飼育を超えた、土地と命の幸福な循環がありました。
































