コスパ家電No.1「アイリスオーヤマ」がデザインでも選ばれはじめた理由【安くて良いもの夏ベストバイ】

【安くて良いもの夏ベストバイ】

収納用品やペット用品、園芸用品など幅広い商品を取り扱うアイリスオーヤマ。特に昨今では、手の届きやすい価格帯の「家電メーカー」としても人気だ。十分な機能を備えながらも“ちょうどいい”値段を両立し、ヒット商品も多い。今回はその企画力と開発の裏側に迫る。

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「当社の理念として、我々は“生活者の代弁者だ”という考えがあります。いま世間にある商品を自分自身がイチ消費者として使い倒し、商品のどんなところが支持されているのか、ここをもっと改善できたらいいんじゃないか、とより良い製品を企画・販売していこう、という文化が根付いていますね。ある程度個人の持論も入りますけど、今あるものをより良くしようという、ブラッシュアップが得意なメーカーなのかなと思っております」

そう話すのはさまざまな家電の企画、開発に携わってきた加藤さん。たしかにアイリスオーヤマにはユーザーにとってより身近で使いやすい、手に取りやすい製品が多い印象だ。そんな親近感を覚える理由のひとつに、「値ごろさ」が挙げられる。いわゆるコスパが高い家電として、昨今では大きく支持されている。

▲新商品を生み出すにあたり社内では定期的な新商品開発会議を行い、そこで決裁を通過する必要がある

「当社では価格を性能や使いやすさと同じ、お客様が手にとるきっかけとなる商品の機能のひとつだと捉えています。家電に参入する以前から、S(シンプル)、R(リーズナブル)、G(グッド)が商品開発の三本柱です。

その理想とする価格を実現するために、例えば大連工場で生産している製品はネジ1本にしても、現地で仕入れるより安いのであれば自分たちで作ってしまおう、ということも。もちろん家電メーカーとしてクオリティを担保できるよう品質管理にも力を入れたうえで、ただ従来のやり方を踏襲し続けるのではなく、常に価格を抑えられる資材や手法を模索しています」

▲ただ低価格実現だけでなく、生産ラインでは当然品質管理も徹底

価格と品質のバランスを実現するため工夫を凝らしているのが伺える。その一方で、コスパを強みとするメーカーならではのジレンマもあるのだとか。

「製品の幅を広げるなかで、なかなか世間のイメージを払拭できない悩みもありますね。例えば同じ掃除機でも、価格帯が1万円のものと3万円のものではお客様の求めるニーズは違います。

▲大きな生産拠点である中国の大連工場では品質の担保とコスト削減のためネジ一本から自作することも

価格帯が上がれば我々としても機能はもちろん、塗装にこだわったり数値化できない質感を実現したりができるようになりますからね。ぜひ挑戦したいです。今ではデザイン性やカラーリングなどお客様の声を反映した製品も増えています。低価格帯であっても、価格帯が上がっても、今後はぜひデザインがアイリス製品を選ぶ理由になると嬉しいですね」

アイリスオーヤマ株式会社
小型家電事業部 統括事業部長 加藤泰史さん
2008年入社。営業を経て2014年から家電事業部に所属し、照明、生活家電、洗濯機など様々な家電事業の企画、開発に携わってきた。今年から小型家電事業部の統括事業部長に就任した
家電事業のプロフェッショナル

 

【次ページ】デザインorカラー、そして注目のアイリス黒物家電たち

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