【501XX(1937〜42)】
後に象徴となるディテールがここで出揃う通称 “37モデル”
リーバイス
「501XX(1937)」(ベルベルジン販売価格:275万)

今ではブランドの象徴となった赤タブが、1936年から採用される。さらに剥き出しだったバックポケットのリベットは隠しリベットに。消えたディテールと今なお残るディテールが混在する、過渡期ならではの一本である。
▲洗濯と乾燥を繰り返して大きく縮み、今やわずかに残存しているのみの革パッチ。値段を左右する評価ポイント
▲露出していたヒップポケットのリベットは隠しリベットに。大きくラウンドしたアーキュエイトステッチも見もの
▲サイズ調整に使用されるシンチバック(尾錠)は、ベルト普及率の低かった1940年代までのモデルに見られる特徴
▲なにかとダメージを受けやすい股部分の補強として設けられた銅製のリベット。これが存在するのは1941年までだ
【S501 XX(1942〜45)】
第二次世界大戦下の物資難で全体のディテールを簡素化
リーバイス
「S501XX WW2」(ベルベルジン販売価格:275万円)

第二次世界大戦下で軍需生産を優先させるため物資調達が困難に。そこでディテールを簡略化して誕生したのが、通称“大戦モデル”。頭に付くSはSimplified=簡略化)の意味。本モデルを憧れの一本に挙げるファンも多い。
▲月桂樹ボタンとドーナッツボタンが特徴だが、本個体はリーバイボタンを使用しているため初期のモデルと判る
▲バックポケットのアーキュエイトステッチはペンキで描かれた。消えてしまっていることが、その証左といえる
▲簡略化は細部にまでも及び、懐中時計を収納するためのウォッチポケット(コインポケット)のリベットも廃止
【501XX(1947〜57)】
レザーパッチにリベットとディテール復活で完成度UP
リーバイス
「501XX LEATHER」(ベルベルジン販売価格:65万7800円)

第二次世界大戦の終戦に伴い、代用されていたパーツや簡略化されていたディテールが一気に復活。アーキュエイトステッチが2本針になったのも見逃せない。ただし股リベットだけは、復活せずに消えていった。
▲パッチはレザー製。かなり縮んでいるので判別が難しいが、モデル名の頭に記載されていた“S”の文字も消える
▲アーキュエイトステッチが2本針ステッチで復活。赤タブはビッグE片面刺繍が、1953年から両面刺繍へと変更
▲フライ部分の先端(持ち出し)が切りっぱなし仕様から、折り込み仕様へと変わる。裏返してみれば一目瞭然だ
【501XX(1962〜65)】
チェックすべきは紙パッチ最後のXX、通称“ギャラなし”
リーバイス
「501XX」(ベルベルジン販売価格:87万7800円)

パッチが革から紙に変わったのは1世代前の“ギャラ入り”から。本個体はパッチにギャランティ表記のない、通称“ギャラなし”だが、細部にギャラ入りの特徴も残る。このことから過渡期にあたる1962年製と思われる。
▲1957年より革パッチから紙パッチに。パッチに“Every Garment Guaranteed”の記載はないので、通称“ギャラなし”
▲赤タブをよく見ると、LEVI’SのVが両面とも左右均等に刺繍されている。均等Vと呼ばれ、1966年頃までの特徴だ
▲ポケット中のスレーキに打たれているリベットは、鉄製銅メッキの打ち抜き。これは1962年頃までの特徴である
【501(1966〜67)】
型番の急な変更で生まれたコレクタブルな仕様が魅力
リーバイス
「501」(※ベルベルジン スタッフ私物)

紙パッチに型番が2つ印字された、通称“ダブルネーム”。1966年にXXの表記が姿を消し、「501」に型番が変わる。これによる混乱を避けるため旧型番を併記したのだ。本個体はパッチが紛失するも、下記条件を満たすことから同モデルの可能性が高い。
▲トップボタン裏にはアルファベット1文字の刻印、さらにはV状のステッチ、ウエスト上部がシングルステッチ
▲股部分はステッチで補強するカンヌキ止め。写真のようにシングルステッチ部分とズレて縫製しているものを、ズレカンと呼ぶ
▲赤タブはビッグE表記。股と同じくポケットの隠しリベットも廃止され、バータック(カンヌキ止め)に変わる






















































