おしゃれな業界人がこっそり伝授。周囲と被らない“隠れた名作スニーカー”とは?

【スニーカー最前線2025】

おしゃれは足元から、と言うように着こなしにおいて足元は重要な要素。ただ、せっかく気合いを入れておしゃれな1足を履いて外出したのに知人や友人と被ってしまった…。そんな経験はありませんか? そこでファッション業界で働く人たちにこっそりと隠れた名作を教えてもらいました。これで人とあまり被らず、足元のおしゃれが楽しめるはず!

■ファッション業界人に聞いた、本当は教えたくないお気に入りの「My名作スニーカー」たち

餅は餅屋と言うようにファッション小物でもあるスニーカーのことは、おしゃれなファッション業界人に聞くのが1番。ということで早速取材を敢行。セレクトショップとのコラボモデルやあまり知名度がない隠れた逸品など他ではあまり見られないアイテムが並びます。

1. カリウマ「別注 マレ ボートシューズ」

教えてくれたのは…ジャーナル スタンダード プレス 玉木悠斗さん

▲シューズ/カリウマ「別注 マレ ボートシューズ」1万9800円、ジャケット/バブアー「レリューム別注 デニム スぺイジャケット」5万9400円、パンツ/ジャーナル スタンダード レリューム「ゴートレザー ペインターパンツ」4万4000円

セレクトショップ「ジャーナル スタンダード レリューム」の敏腕プレスがイチオシするスニーカーはデッキシューズとスケシューが融合したような1足。ベージュのような柔らかい色味には黒やネイビーなどの落ち着いたウエアを合わせると上品さが際立つ、と教えてくれました。「全体的に男臭いコーデなのでスニーカーやキャラもののスカーフなどで抜け感を意識すると、より“大人の遊び”を演出できます」

オーセンティックなデザインのボートシューズタイプですが、素材にスエードを使用したりアウトソールにガムソールを採用したりとストリートなエッセンスを取り込んだ意欲作。それでいて色味や素材感が落ち着いているためカジュアルすぎない印象に。大人のストリートMIXにもってこいの1足と言えるでしょう。

▼特にお気に入りなのはグリップ力のあるアウトソール!

見た目はシンプルなボードシューズですがグリップ力などは申し分ありません。そこはやはりボードスポーツカルチャーをルーツに持つカリウマならでは。そのさりげなく香るブランドのアイデンティティが良いですよね。きれいめからストリートまでフォローできる汎用性の高さも大きな魅力だと思います

2. ナイキ スポーツウェア「エア フォース 1 ユーティリティ」

教えてくれたのは…カメラマン 田中利幸さん

ファッション誌などでも活躍するカメラマンの田中さんが愛用するのはナイキ スポーツウェアの「エア フォース 1 ユーティリティ」。ブラックのアッパーにガムソールという、あまりナイキらしくないルックスも含め好みだそう。「職業柄、ロンTにデニムのような動きやすいラフな服装が多いので足元は黒で締めたいですね」

ナイキの中でも王道の「エア フォース 1」。誰もが知るモデルを“ユーティリティ”というモデル名通り使い勝手の良い機能を盛り込んだ、まさに隠れた名作。シューレースがなく、代わりにゴムバンドを使用しているため脱ぎ履きが非常にスムーズ。本来サイドにあるはずのスウッシュもバンド部分に配置されているなどユニークなデザインが光ります。

▼特にお気に入りなのは脱ぎ履きしやすい機構!

カメラマンという職業だとスタジオでの撮影などでシューズを脱いだり履いたりすることがとても多いです。なのでシューレースがないタイプを基本的には選ぶようにしているのですが、このアイテムもまさにそう。おまけに長めのヒールタブも配されているので文句ナシですね。誰もが知る「エア フォース 1」でこんなモデルもあるんだ、という面白さもあって思わず2足購入しました

3. アディダス オリジナルス「フリークス ストアエクスクルーシブ タバコ」

教えてくれたのは…フリークス ストア プレス 板花洋平さん

▲シューズ/アディダス オリジナルス「フリークス ストア エクスクルーシブ タバコ」1万5400円、セットアップ/フリークス ストア「リラックスフィットコーデュロイセットアップ」1万2980円、キャップ/フリークス ストア「コーデュロイキャップ」4994円、その他本人私物

人気セレクトショップのプレス板花さんが満を持して押す1足はアディダス オリジナルスの「エクスクルーシブ タバコ」。ブラウンカラーに合わせた秋らしいコーデュロイのセットアップが全体の統一感を生み、洒落た雰囲気を醸し出します。「大人でも楽しめるスニーカー。同色のセットアップでまとめていますが、キャップなどの小物を投入してメリハリを利かせるのがポイントです」。うーん、さすがです!

アディダスの中でも隠れた名作として人気を博す「タバコ」。今作は「フリークス ストア」限定のカラーで、すべてブラウンで統一した大人っぽい1足。スエードのアッパーと相まってより落ち着いた雰囲気を漂わせています。ここ数年、アディダスの「サンバ」をはじめとしたテラスシューズがトレンドでしたが次なる手として要注目です。

▼特にお気に入りなのはサイドに入ったアイテム名を省いたところ!

アディダスのスニーカーって昔はサイドにアイテム名が入っていなかったんですよね。この「タバコ」もあえて入れていないんですよ。そういったさりげないディテールがクラシカルな見た目とマッチしてツウの人も唸ってくれるのではないでしょうか。また、インソールはトレフォイルとブランドネームの総柄になっているんですが、見えないところにもちゃんと気を配っている点は手前味噌ながら良いなあと

4. コンバース「ジャックスター(スター&バーズ)」

教えてくれたのは…ライター 小林大甫さん

さまざまなファッション媒体で執筆するライターの小林さんが履いてきたのはコンバース“ジャックスター”こと「スター&バーズ」。なんでも、10数年前に購入し今でも大事に履いているそう。このシューズを履く際はスニーカー自体の雰囲気を生かしてアメカジテイストな着こなしを楽しむことが多いと語ってくれました。「元から褪せたグリーンだったんですけど、ユーズドのような色味で可愛いですよね」

スニーカーファンから通称“ジャックスター”として知られるコンバースの中でも隠れた名作。本当の名前は「スター&バーズ」で、1963~73年の間にしか生産されなかったこともあり世界中で隠れた名作としてその名を馳せています。コンバースといえば「オールスター」や「ジャックパーセル」が代表的なモデルですが、「スター&バーズ」を手に取れば「そのモデル何?」と聞かれること請け合いです。

▼特にお気に入りなのはメイド・イン・ジャパンのしっかりとした作り!

購入するまで“ジャックスター”という存在自体知らなかったんですよね。だから見つけたときは何か嬉しくて。しかもメイド・イン・ジャパンなので非常に作りもしっかりしています。現に10数年履いていてもまったく壊れたりしていません。普段ローテクを履くことが多いのですが、特にこの1足は他と被らないのでお気に入り。これからも大切に履いていきたいですね!

5. クレイ「JOSHUA」

教えてくれたのは…4K プレス 青木万希也さん

▲シューズ/クレイ「JOSHUA」2万6400円

さまざまなブランドを取り扱う4Kのアタッシュドプレス青木さんが押すのはクレイの「JOSHUA」。2001年にアメリカ・ロサンゼルスで誕生したライフスタイルフットウエアブランドからの1足です。「デニムに革靴を合わせることが多いのですが、やっぱり長時間履いていると疲れるんですよね。これならスニーカーの履き心地なうえに上品な空気感なのでちょうど良いなと思い、愛用するようになりました」

ランニングスニーカーがデザインソースにもかかわらず落ち着いた配色やスマートな木型、アッパーの素材などで品のある佇まいな「JOSHUA」。リサイクルメッシュやりんご由来のフェイクレザーなどサステナビリティ溢れる点にも注目です。また、ミニマルなデザインは着こなしを選ばないためワードローブに加えておくと重宝する1足です。

▼特にお気に入りなのはミニマルで上品なアッパー!

落ち着いたファッションやきれいめなアイテムが好みだということもあり、ブランドなどを主張しないアッパーデザインに惹かれました。実は最近デニムデビューを果たしたんですけど、合わせるスニーカーをどうするか迷っていて。そんなときに出合ったので、革靴っぽいシックな雰囲気のこのアイテムが良いなと。カジュアルなアイテムと合わせるとメリハリも生まれますし、より着こなしに奥行きが出ると思いますよ

6. リーボック「ワークアウトプラス」

教えてくれたのは…スタイリスト 深澤勇太さん

ファッション誌からアーティスト、広告まで幅広く活動するスタイリストの深澤さん。目が肥えているファッションのプロが紹介してくれたのはリーボックの「ワークアウトプラス」。リーボックといえば「インスタポンプフューリー」や「クラブシー」を思い浮かべる人も多いと思いますが、逆張り的なこのアイテムがお気に入りだそう。「パッと見、リーボックの何のモデルかわからない感じが好き。しかも5000円くらいで買ったのかな? 価格も手頃で試しやすいところも良いですよね」

1987年に登場し、80年代のフィットネスブームの牽引役を担うほど当時人気を博した一品。耐久性やグリップ性の高さからフィットネスの垣根を超え、あらゆるスポーツシーンで着用されるように。クラシカルなデザインも今の気分とマッチしており、スポーティなコーデだけではなくきれいめな装いの足元にもスッと馴染みます。

▼特にお気に入りなのは柔らかすぎないソール!

ここ数年、ふかっとした厚底ブームでしたが個人的には適度な硬さがあったほうが好みなんです。このアイテムはそれがありますよね。それでいてクッション性はちゃんと担保されていますし。コートシューズっぽいデザインなので着こなしもそれに合わせて少しスポーティなテイストを入れています。思いきりスポーツMIXにしてしまうと子供っぽくなってしまいがちなので、品のあるチェックやポロシャツでバランスを取ると大人でも履きこなしやすいのではないでしょうか

【次ページ】編集部が厳選した名作たち

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