【完結済みの名作】
“全10巻以内ですぐ読み終わる”
巻数が多すぎると途中離脱してしまいそう…なんて心配もここでは無用。全10巻以内で完結しつつ、どれも読み応えは十分。マンガ読みたちが選んだのは、心が揺れる青春モノ4作品と未知への驚きが詰まったSFモノ6作品。
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1. 藤子不二雄の誕生と成長を描く自伝的長編作
『まんが道』(藤子不二雄Ⓐ/小学館クリエイティブ) ※全10巻(新装版)

単行本の形態によって巻数は異なりますが、新装版であればピッタリ全10巻。マンガ家を目指す主人公ふたりの情熱と葛藤が、読む者の胸に響く名作。もちろんマンガの道のみならず、夢を追うすべての人々に届けたい作品です(『アニメージュプラス』編集長 櫻井)
主人公はマンガが大好きな満賀道雄と才野茂。コンビ作家としてデビュー&上京したふたりは、若き才能が集まるアパート“トキワ荘”で同世代の仲間たちとプロの道を歩んでいく。
Ⓒ藤子スタジオ/小学館クリエイティブ
2. 男女9名・近未来SFサバイバルストーリー
『彼方のアストラ』(篠原健太/集英社)※全5巻

少年少女の宇宙船漂流から始まるSF中編。未知の惑星を知恵と勇気でサバイバル…と思いきや、不可解な事故、疑惑、陰謀などなどてんこ盛り! すべてのピースがフィナーレに向けて収束してゆく一気読み必須の全5巻(書泉グランデ コミックフロアスタッフ hossyさん)
宇宙が今より身近になった近未来。高校生のカナタら9名は惑星キャンプに旅立つ。未体験の宇宙旅行に胸を躍らせながら惑星に降り立った彼らを待ち受ける、予想外の事態とは!?
Ⓒ篠原健太/集英社
3. 戦場で生きる女性スナイパーを描くSF巨編
『銃座のウルナ』(伊図 透/KADOKAWA)※全7巻

異形の者と銃で戦うSF的な始まりから、後半にかけては1Pめくるのにも体力を使うような展開で、ここまで感情を揺さぶられる物語になるとは思わなかった。圧倒的な描写力で描く、戦争により翻弄された者たちの愛と憎しみの物語(Chillweeb オーナー Tillさん)
辺境の島リズルに赴任した覇権国家レズモアの女性狙撃手・ウルナ。彼女はそこで出会った生物研究者のラトフマと共に、異形の敵の秘密や、国家の陰謀に迫っていくことにーー。
Ⓒ伊図透/KADOKAWA
4. マンガの表現技法に革新をもたらした記念碑
『童夢』(大友克洋/講談社)※全1巻

1巻のみですが、230ページほどに緻密に詰め込まれた映画を読んでいるよう。超能力という目に見えないものを、壁に人を打ちつけて表現したのには大興奮。あとは圧倒的な画力。見開きで老人の驚き顔を描いたシーンは必見(エディター 相沢しゅういちさん)
不審死が頻発する郊外のマンモス団地に家族と共に越してきた少女・悦子は“とある超自然的な力”をその身に秘めていた…。掲載画像は『大友克洋全集』収録のコンプリート版。
『童夢』 ⒸMASH・ROOM/KODANSHA
5. “人間とは何か、生きるとは”。その意味を問う
『寄生獣』(岩明 均/講談社)※全10巻

全10巻とは思えない凄まじいストーリー。生物の在り方を考えさせられるテーマではあるけど、重くもなく、ダレることなく常に新展開の連続で、まさに“あっと言う間”に読み終えます。1巻早々「ぱふぁ」というコマが衝撃(『GoodsPress』編集長 中山)
謎の寄生生物 “パラサイト”を右腕に宿すことになってしまった平凡な高校生・泉 新一は、ミギーと名付けた右腕とともに人間VSパラサイトの対立の渦中に巻き込まれていく。
Ⓒ岩明均/講談社
6. 平成期オタク大学生たちのリアルな日常譚
『げんしけん』(木尾士目/講談社)※全9巻

オタクがまだ現代の隠れキリシタンだった平成。0時売り、アキバ詣、マンガ喫茶で徹夜からの始発でコミケ参戦…今や“古き良き時代”となった当時のオタクカルチャーを知る歴史書にして、エモ全開の元祖アキバ系青春白書!(NOHOHON-PRODUCTION エディター TOMMYさん)
大学1年生・笹原完士が入会したサークルの名は、現代視覚文化研究会(現視研)。笹原は仲間たちと過ごす日々の中で、オタクである自己を認めながら成長していくのであった。
Ⓒ木尾士目/講談社
7. 小学校最後の夏休み、幼い恋と冒険の物語
『神様がうそをつく。』(尾崎かおり/講談社)※全1巻

小学生が隠すにはあまりにも重い秘密――これは漫画だと分かっていながら感情をえぐられまくり、ラストは圧倒的なカタルシスに涙が……。たった1冊で映画を観たような読了感! 特にお子さんがいる方は号泣必至です!(まんがの図書館ガリレオ店長、漫画原作者 三田さん)
東京から転校してきた小学6年生の七尾なつるは、大人びたクラスメイトの女子・鈴村理生の誰にも言えない秘密を知る。小学校最後の夏休み、ふたりのひそやかな冒険が始まる。
Ⓒ尾崎かおり/講談社
8. 少年と少女の出会いが、世界の運命を変える
『人形の国』(弐瓶勉/講談社)※全9巻

弐瓶勉先生の作品で一番好きなのがコレ。主人公ふたりが外骨格を唯一貫ける武器AMB(弾数は7発のみ)を持って敵に立ち向かうのですが、「たった7発の弾数ですべて倒すことができるのか?」という設定が驚くほどに良い!!(お笑い芸人/おミュータンツ 宮戸さん)
舞台は人工天体アポシムズ。危険な自動機械や人形病が蔓延する極寒の地表で暮らす少年兵・エスローは、不思議な少女を助けた際に世界の運命を変える“あるモノ”を託される。
Ⓒ弐瓶勉/講談社
9. 大災害で荒廃した世界で、人間の本質を描く
『ドラゴンヘッド』(望月峯太郎/講談社)※全10巻

90年代オルタナ漫画の系譜が大好きなのですが、その中でも今流行りの文明崩壊後の世界が舞台の作品です。極限状態で露呈する人間性や得体のしれない恐怖。サバイバル下なので緊張感張りっぱなしで終わりまで駆け抜けます(『McGuffin』編集長 安藤さん)
修学旅行の帰途、大地震により主人公が乗っていた新幹線がトンネル内で大事故を起こしてしまう。崩落するトンネルから脱出するも、その先には荒廃した世界が広がっていた。
Ⓒ望月峯太郎/講談社
10. 時代を変えた“ネオ・スポ根”卓球マンガ
『ピンポン』(松本大洋/小学館)※全3巻(文庫版)

松本大洋作品の中でも別格。高校生の時に読み、ペコとスマイルと自分を重ねたのを覚えている。それぞれの対戦が浪漫であり、挫折後のペコの躍進とスマイルとの対戦はかなりグッとくる。友情と挫折がパワーを与える青春マンガ(スタイリスト兼経営者 服部さん)
卓球で“この星の一番になりたい”星野裕(ペコ)と卓球は“死ぬまでの暇つぶし”というクールな親友・月本誠(スマイル)を中心に、卓球に青春を懸ける少年たちの姿を描く。
Ⓒ松本大洋/小学館













































































