スマートプラグの正しい使い方 [IoTで自堕落生活への道]

本連載「IoTで自堕落生活への道」2020年10月13日公開記事(現在は非公開)において、スマートプラグの使い方に誤った内容(スマートプラグをガスファンヒーターにて使用)の記述がありました。スマートプラグを暖房器具など電熱機器にて使用することは、火事を引き起こす可能性があり危険です。同梱の説明書を確認し、正しい使用法でお使いください。(&GP編集部)

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先日、この連載で、スマートプラグをガスファンヒーターのオン・オフに使ったことについてSNSを通して、多くの方に間違いをご指摘いただきました。同梱の説明書を読まず、通常の電気製品のように使用したことが誤用の原因です。

間違いをご指摘いただいたみなさん、ありがとうございます。メディアに原稿を書く立場にありながら、安全性について十分勉強せず、誤った情報を公開してしまったこと、お詫び申し上げます。お読みになった方はくれぐれも、スマートプラグを暖房器具や電熱機器に使わないようご注意いただきたく、お願いいたします。

ご指摘を受け、使用したAmazonのスマートプラグに同梱の「重要な情報」という説明書を確認したところ「電気ストーブ、電熱器など接続し、火災・感電・傷害の原因になりうる機器を接続しないで下さい」と記されていました。また、Amazonの購入ページにも「電気用品安全法により、電気ストーブや電気コンロなどの電熱器を含む特定の電気用品は本製品を接続し音声等で遠隔操作をすることが禁じられています」と明記されています。

▲「取扱注意事項」として「電気ストーブ、電熱器など接続し、火災・感電・傷害の原因になりうる機器を接続しないで下さい」と書かれている

そもそも、なぜスマートプラグは電熱機器に使えないのか。そして実際にどんな危険があるのか。同じくスマートプラグを手がけるスマート家電ブランド「+Style」の広報・徳原大さんに伺いました。

「プラグの電気的仕様などに関係なく、スマートプラグは暖房器具などの電熱機器と組み合わせて使うことはできません。プラグそのものが火災などの要因となるわけではなく、“遠隔で操作できる” という行為自体が火災などの重大事故につながる恐れがあるからです。プラグに接続した機器の状態を監視できないため、異常を検知することができず、異常加熱や異常発火に繋がる恐れを遠隔の状態で把握できないことが、スマートプラグで電熱機器を操作してはいけない理由です」(徳原さん)

どんな暖房器具でもスマートプラグは使用できず、エアコンも使えないとのことです。

「+Styleのスマートプラグ『スマートWi-Fiプラグ』には電力計測機能があります。なので、エアコンの電力使用量を計測したいというニーズもあるかと思いますが、これもエアコンとの使用はNGです」(徳原さん)

▲電熱機能を伴う製品でも安全機能を備えていれば遠隔操作は可能

一方、電熱機器に関しては全てが遠隔で操作できないというわけではなく、安全機能を搭載し、遠隔操作に対応する製品もあるようです。筆者は+Styleの「スマート全自動コーヒーメーカー」という製品を使っていますが、スマホでの操作はもちろん、Alexaからの声での操作にも対応しています。

「弊社のコーヒーメーカーが加熱行為を伴うにもかかわらず遠隔操作が可能なのは、加熱箇所の防護措置が行われており、異常加熱による自動停止機能が備わっているからなんです」(徳原さん)

つまり、この+Styleのコーヒーメーカーは、取扱説明書に従って正しい使い方をしていれば「アレクサ、コーヒーメーカーつけて」と話すだけでコーヒーを淹れられますが、一般的なコーヒーメーカーをスマートプラグを挟んで使うのはNGということです。

▲サーキュレーターは利用可能

コンセントに挿すだけで、さまざまな電化製品のオン・オフが遠隔で行えるようになるスマートプラグ。Amazonの「スマートプラグ」は照明機器やサーキュレーターを、+Styleの「スマートWi-Fiプラグ」は「間接照明、超音波式加湿器、サーキュレーター、電飾、スマホ充電」を想定しています。ただし、加湿器は「超音波式」のみがOKで、電熱装置を持つ「スチーム式」はNGとのことです。

暖房が欠かせない季節になりましたが、スマートプラグを暖房器具などの電熱機器につながないようご注意ください。もちろんスマートプラグは非常に便利なものではあります。今後は説明書をよく確認し、安全な使い方で活用していこうと思います。

 

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

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