■レーダーをディテールアップ
艦橋にはレーダーのパーツを取り付けますが、細部が省略された板状で実感に乏しいものとなっています。レーダーは目立つので、ここは別売されているエンタープライズ用エッチングパーツを使用してみました。
▲左がエッチングパーツで組んだレーダー(塗装済)、右がキットのレーダー。精密感の違いは一目瞭然。壊れやすいので船体が完成した後に取り付ける
▲エンタープライズCV-6用エッチングパーツは童遊社から発売されている。価格も1500円と安価なのがありがたい
■エッチングパーツを使う理由
キットは1/700スケールということもあり、プラスチックでは再現できない細かいディテールが多々あります。複雑なトラス構造のレーダー、船体各部のタラップや転落防止ネットなどがそうしたパーツとなります。こうしたパーツは、薄い金属を利用したエッチングパーツを使うことで緻密なディテールが再現でき、リアルな精密感を得られます。
▲エンタープライズ用のエッチングパーツは薄い真ちゅう製。写真右上がレーダー、3枚のパーツを組み合わせて再現する
最近はエッチングパーツもかなりポピュラーになってきましたが、小さいので扱いが難しい、折り曲げ加工にはエッチングべンダーといった専用工具が必要、接着は瞬間接着剤を使用するなど、製作のハードルが高くなります。しかし必ず使用しなくてはいけないものではありません。また別売のエッチングパーツは全部使わなくてはいけないものでもありません。
▲エッチング折り曲げに愛用しているハセガワトライツールのエッチングべンダー
▲先端が角断面になっているので、小さなパーツでも正確に曲げることができる
ここぞと言うピンポイントに使いたい、キットのストレート組みに物足りなくなった時のNEXTステップアップアイテムです。
■甲板のホワイトラインをリアルに仕上げる
船体に組み上げた艦橋を取り付ける前に、付属のシールを使い飛行甲板の白線を貼っていきます。キットには一般的なデカール(水転写シール)ではなく薄いシールが付属しています。デカールに比べ扱いは楽なのですが、どうしても余白のフィルムが目立ち、実感を損ねてしまいます。そこでシールを貼ったのちに、余白部分をデザインナイフで切り離します。手間はかかりますが各段にリアルな仕上がりとなります。
▲甲板のライン、艦載機の国籍マークがシールで再現されている。上部の四角い部分はエレベーターに貼るように指定されているが、塗装しているので使用しない
▲右の線がシールを貼っただけの状態。左が余白部分をカットした状態
▲シーツの余白をカットしたことで格段にリアルになる
■達人流製作のポイント
①小パーツはランナーから切り離さずに塗装する
②甲板は接着剤を使いしっかりと固定する
③シールは余白をカットする
④エッチングパーツでピンポイントディテールアップ
▲船体と飛行甲板、艦橋が完成!
飛行甲板と艦橋が完成したことで。一気に空母らしくなりました。次回は艦載機の製作、そしてアンテナ線を取り付けてよりリアルな仕上げを目指します!
>> 達人のプラモ術
<写真・文/長谷川迷人>
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