「じゃあ2度塗りだ!」エンゾの“チンクエチェント”を作りたい!【達人のプラモ術<フィアット500F>】

■まずはボディから製作!

いや小さい。マジ小さくてカワイイです。初版発売時のボディカラーの指定は赤や紺といったソリッドカラーだったのですが、今回は新たにイタリア国旗をイメージしたトリコロールカラーのストライプやゼッケンのデカールが付属。これが実にカワイイと言うか、チンクエチェントに実に似合っているので、インストの指示とおりにアイボリーホワイト塗装で塗装していきます。

以前のカーモデル製作と同じく、インストの製作順番ではなく、まず乾燥に時間が必要なボディの塗装からスタートします。

今回はインストの指示にある缶スプレーを使ってボディを塗装していきます。指定色はタミヤ缶スプレー「TS-7レーシングホワイト」。アイボリーがかった白です。個人的には明るいグレーとか、ベージュといったカラーでもストライプが似合う気がするので、好みでボディカラーを変えてもいいでしょう。

▲タミヤ缶スプレー「TS-7レーシングホワイト」(770円)

 

■パーティングラインの処理と下地塗装

ボディはパーティングラインがプレスラインに沿っているので、ほとんど気にならないのですが、リアウインドウの両サイド部分のみを研磨処理、缶スプレーのグレーサーファイサーで下地塗装を済ませます。

▲缶スプレーのサーフェイサーで下地塗装を行う

▲矢印部分のパーティグラインが目立つので研磨して消すのを忘れずに

 

■缶スプレー塗装のコツ

エアブラシ塗装が普及したこともあり、缶スプレー塗装は苦手と言うモデラーさんが意外に多いんですね。塗料が垂れてしまう、塗装面に泡が出てしまう、ムラになる、といったトラブルに泣かされた経験が多いようです。確かにエアブラシのように吹き付けのコントールができないので難しい一面はありますが。ちょっとしたコツを掴んでしまえば失敗は少なくなります。

【失敗しないコツ その1】一度に吹き付けない

缶スプレーは一度に塗料が出るので、ブワッとイッキに吹き付ければキレイに塗れるはず、というのは大間違い。薄く吹き付け→乾燥→吹き付けと重ねていくことで均一でムラのない仕上がりが得られます。イッキに吹き付けたら、それこそ塗料が垂れて塗装面が台無しになってしまいます。

▲一気に吹き付けてしまうとボディの表面で塗料が垂れてしまう。また缶スプレーはガスが含まれているので、塗装面に泡が生じてしまうことがあるので一気吹きはNGだ

【失敗しないコツ その2】吹き付けは距離と缶を動かすスピードのバランスが大事

よく缶スプレーは30センチ程度離して吹き付けるといいと言われるようですが、カーモデルように光沢仕上げを求める場合、30センチは離しすぎだと思います。塗装面が梨地になってしまい、思うような光沢が得られません。近すぎ離しすぎは論外ですが、ポイントは距離と缶を動か素早さです。

光沢塗装であれば15センチから20センチの距離を保つ。そして近い距離で吹き付けるなら缶を動かすスピードを速く、距離を離して吹き付けるのであれば缶を動かすスピードを落とすようにします。また缶を往復させての吹き付けは折り返し部分が厚塗りなってしまうのでNGです。缶を右から左、上から下といった具合に常に一方向に缶を動かして吹き付けるように意識してください。

▲左は5センチの距離で吹きつけたため、あっという間に塗料が垂れてしまった状態。中央は、オススメの15センチの距離で吹いた状態。缶を動かしていないので中央が濃いスポットになっている。右は30センチで吹き付けた状態。垂れることはないが塗料が吹き付け面ですぐに乾いてしまうため梨地になってしまっている

▲レーシングホワイトを1回吹いた状態。20センチ程度の距離でムラなく吹き付けていく

▲1回目吹き付けの後、30分程度乾燥させて2回目を吹き付ける。この時点でもツヤを出すことは意識せず、1回目と同じく20センチ程度の距離で塗装面全体に均一に塗料を乗せていく

▲2回目の吹き付けから30分程度乾燥させての3回目。今度は15センチ程度まで近い距離で缶をやや速いスピードで動かしながら吹き付けていく。塗装面で塗料がジワッと伸びて均一な塗膜となる。2回目までの砂吹きが塗料を受けてとめてくれるため垂れることもない

▲3回目の塗装から半日程乾燥させて、15センチ程度まで近い距離で缶をやや速いスピードで動かしながら仕上げの4回目を吹いた状態。均一で光沢のある仕上がりが得られた。この状態で最低でも24時間以上乾燥させる

▲実際のボディでの1回目の塗装が終わった状態。このまま30分ほど乾燥させて2回目の砂吹き塗装をおこなう

▲レーシングホワイトを4回塗り重ねが完了したボディ

▲この状態で丸一日以上乾燥させる

▲シャシーやリアハッチ等ボディと同色となるパーツも同様に塗装しておく

 

【次ページ】フィアット500が出てくる映画といえば…

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