「ARTPLA SCULPTURE WORKS エヴァンゲリオン初号機“ヤシマ作戦”」をプラモの達人はどう作る?【達人のプラモ術<エヴァ初号機“ヤシマ作戦”>】

■悩ましきはエヴァンゲリオン初号機のカラーリング

初めてエヴァ初号機のガレキを製作した時に、何ともまぁ悩ましいカラーリングだな~と思ったことを覚えています。色の組み合わせもありますが、どの順番で色を塗っていくのがベストなのか…随分悩まされましたね。グリーンやイエローは当然ながら下地に白を塗装しないとキレイに発色しないし。初号機ボディのメインカラーとなるパープルも下地と重ねる回数でも色調が変わってくる。

とは言うものの、パープル×グリーン×ブラック×イエローの組み合わせでエヴァのデザインをした山下いくと氏のセンスが炸裂したこの機体のグラフィックは、30年経った今でも古さを感じさせませんね(塗るのは大変だけど…)。

再販されたエヴァンゲリオン2号機ベージュカラーバージョンのように単色で仕上げても面白いとは思いますが、今回は劇中のカラーイメ―ジ(『エヴァンゲリヲン新劇場版:序』)を活かして、メカメカしい陽電子砲と射撃体勢に入るエヴァンゲリオン初号機を塗装で仕上げていこうと考えています。

▲パーツは8枚のランナーに振り分けられており、パーツ数のボリュームも多い

 

■組んで塗るか、塗って組むか、それが問題

先にも書きましたが、キットはブルーグレー単色で成型されています。劇中仕様の複雑なカラーリングで塗装する場合、パーツ単位で塗装するか、あるいは組んでから塗装するかの二択となるワケですが、組んでから塗装するとなると、陽電子砲の射撃体勢の固定ポーズなので、マスキングが超大変になってしまい、あまり現実的とは言えません。

というワケで、パーツ単位での塗装がお勧めとなるのですが、キットは接着剤を使わないスナップ仕様ではないので、パーツはすべて接着剤を使って組んでいく必要があります。しかしパーツを接着してしまうと個々のパーツの塗分けマスキングが大変になってしまいます。ポージングの関係でマスキングできなくなってしまう部位も出てしまいますし…。なかなか悩ましい問題ではあります。

またキットはパーツの接着面が目立たない分割とはなっていますが、腕や脚などのパーツの一部は、どうしても接着線を処理をしなくていけない箇所もあります。

▲エヴァだけでなく大型の陽電電子砲も細かい塗分けが指定されている。塗装はMr.カラー指定

 

■樹脂系ボンドを使って仮組みをする

そこで作例は、パーツを接着して組み上げてしまうのではなく、後でパーツを取り外すことが可能な樹脂系のボンドを使って、まずは機体の仮組みを行い、各パーツの接合部位をチェック。その後、一旦バラして塗装を進めていきます。

使用した樹脂系のボンド(「タミヤ多用途接着剤」)はプラスチックを侵さないので、パーツの仮固定に向いており、硬化後の再分解も簡単に行えます。

▲樹脂ボンドを使用して仮組みした機体

▲「タミヤ多用途接着剤(クリヤー)」(770円)クリアーパーツや塗装したパーツの接着もOK。粘度が低く、糸引きが少なく塗布しやすいのも特徴。固まるまでに時間の余裕があるので、接着位置を調整することもできる

 

■胴体の製作

胴体は左右と脚の付け根に3分割されており、パーツの接着面は目立たない工夫がなされています。組み上げた胴体に装甲を接着していくことで、接合線はほとんど目立ちません。とは言うものの、首の後部や脚の付け根など、一部継ぎ目消しの作業が必要です。

▲メインの胴体パーツは基本的に、全て接着で組んでいく(ここはプラ用接着剤を使用)

▲キットとランナーの接合部分は、近年のプラモデルでよく見られるアンダーゲートにはなっていない。素材は柔らかめの樹脂なので、デザインナイフにしてもニッパーを使用するにしても、パーツを切り離す際は表面をえぐってしまわないように注意

▲組み上げた胴体に、クリアーボンドを使用してを装甲パーツを仮接着していく。パーツは接着タボがしっかりしているので位置決めがやりやすく、パチパチと組んでいくことができる

▲背中側はエントリープラグの挿入口とアンビリカルケーブルの取り付け基部にわずかにパーツの接着面が生じるので、研磨修正しておく

 

【次ページ】パーツ数は多いが案外サクサク組み上げられる

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