【ビジネスファッション裏技事典】
スーツだけでなく、ジャケパン、セットアップとビジネスファッションがどんどん多様化する昨今。それ故、「何をどんな風に着こなせばいいのかわからない(汗)」というおしゃれ迷子が増えている模様。そこで、さまざまなファッションメディアで活動するエディターが、その悩みを解決するビジネスファッションの裏技を伝授します。
Q. 「仕事柄かっちりとしたスーツを着ることが多いのですが、外回りや出張が多いので着心地や動きやすさも重視したい…。そんな理想的なスーツってありますか?」M.Oさん(35歳)
A. それなら断然ジャージースーツがおすすめ。近頃は生地や仕立ての工夫によって本格的なウールスーツのように見える“上品見え”ジャージーが登場しています。
コロナ以降、働き方が多種多様になり“堅過ぎないスーツ”へのニーズが高まっています。そこで注目されたのがストレッチ性や防シワ性に優れたジャージースーツです。ただ、快適さは申し分ないものの化繊ベースゆえにドレス感に欠け、シーンによっては頼りなく映ることも。しかし、スーツブランドが研究を重ね、最近ではウール仕立ての本格スーツに見えるジャージースーツを多数展開。次世代スーツの本命はまさにこの1着と言えるでしょう。
■購入前には店頭での試着がおすすめ

最近はオンラインショップでスーツを買う人が増えていますが、ジャージースーツに関しては購入前に店頭で袖を通してみるのが吉。というのも、ジャージースーツはストレッチ性や重さ、生地の風合いの幅があり、写真だけで判断すると「想像と違った」となるおそれも。加えて上品見えを狙うならサイズ感は妥協できません。肩や胸などフィット感を確認できるのはショップならでは。故にジャージースーツは店頭での購入がおすすめなのです。
■肩や胸は立体的に仕立てられているかどうか

いくら着心地が楽ちんでもペラペラで見た目が頼りないスーツはビジネスシーンにふさわしくありません。そこでチェックしたいのが肩や胸回りの立体感。実はジャージー素材は伸縮性がある分、形が安定しにくくアイロンによる立体成形が難しい素材なんです。その弱点を克服するためスーツブランドは専用の型紙や伸縮性のある芯地を使って立体感を生み出しています。だからこそ、ジャージースーツを買うなら確かな技術力のあるブランドの1着を選びたいところです。
■快適なだけではなく、ウールライクな生地を選ぶこと

一般的なジャージー素材にはどうしても独特のテカリと硬さがつきまといます。ポリエステルやナイロンを多く含むことでギラつきやすく、編み構造のフラットな質感も相まってドレス感は損なわれがち。また、糸がギュッと度詰めされているため生地が硬くなり、印象も柔らかさに欠けてしまいます。そこで“上品見え”を志向するブランドはウールをブレンドしたり、立体感の出る編み構造を採用したりしてこうした弱点を克服。光沢やしなやかさにおいて、スーツの王道であるウール生地に近付けられるかがブランドの真価が問われるポイントです。
■クリースの加工や防シワ性などイージーケア性も確認

伸縮性と高い復元力を備えたジャージーはシワになりにくい点も大きな魅力。座りジワや移動によってできるシワも自然に消えやすく、出張や外回りの多いビジネスマンにとって強い味方です。さらにブランドによってはセンタークリースを長持ちさせる加工や自宅で丸洗いできるタイプも展開しています。快適さや機能性はそのままに、ドレス度が高められたジャージースーツはオンの主役スーツとして活躍すること間違いなし。ワードローブに加える価値は大いにあります。
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