“アンダー10万円”から始めるセンスの良い腕時計。TiCTACで見つけた珠玉の6本

【3本目】時計好きの間で人気上昇中のマイクロウォッチブランド

Brew Watch Co.(ブリューウォッチ)
「Metric Japan Limited Model MTRC-JPN-EDN」(7万4800円)

▲ケース径 36mm、ケース材質 316Lステンレススチール、ムーブメント VK68 メカクォーツクロノグラフ、5気圧防水

増田さん 次は少し毛色を変えて、ブリューウォッチをご紹介します。国内で実際に手に取って見られる場所はまだ限られているのですが、実はここチックタック池袋パルコ店が、世界初の常設展開店舗なんです。

GPW ブリューウォッチは個人的にも気になっていたブランドなので、実物を見られるのはうれしいですね。スクエア型のケースがなんともレトロで、おしゃれです。

▲写真左:「Metric - Digital Blend MTRC-DIGI-BLE」(6万6000円)

増田さん 70年代のテレビ画面を思わせるクッション型ケースに、レトロな配色を組み合わせたデザインが特徴です。クラシックとモダンをうまく融合させていて、日常のスタイルをさりげなく引き立ててくれます。まだ日本では知る人ぞ知る存在なので、そこに魅力を感じる方も多いですね。

GPW 改めてですが、ブリューウォッチってどんなブランドなんですか?

増田さん ブリューウォッチはニューヨークを拠点とするブランドで、創業者であるデザイナーのジョナサン・フェラーが手がけています。コーヒーを淹れる時間や、待つ時間といった日常の「間」をテーマにしていて、時計そのものが会話のきっかけになるようなデザインを大切にしています。

GPW リューズにコーヒー豆のマークが入っているんですね。

増田さん そうなんです。コーヒー文化への愛情が細部にまで表れているだけでなく、時計好きにも刺さる意匠ですよね。今回ピックアップしているのは、ブリューウォッチの定番型である「Metric」シリーズ。その中でも、こちらは日本限定仕様のモデルです。

GPW インデックスの一部だけオレンジ色になっていますね。

増田さん ブラックダイヤルをベースに、コーヒーを美味しく抽出する目安とされる「25〜35秒」のインデックスだけをオレンジで強調しています。主張しすぎないですが、ブリューらしい遊び心がしっかり感じられるポイントですね。

GPW さりげないけど、ちゃんと語れるポイントがある。時計好きが惹かれる理由がよく分かります。

【4本目】世界初の発想から生まれた、ブローバの革新を象徴する1本

BULOVA(ブローバ)
「CURV 96A205」(14万3000円)

▲ケース径 44mm、ケース材質 ステンレススチール、ハイプレシジョンクォーツ/カーブクロノグラフ、月差±5秒、3気圧防水

増田さん 次にご紹介したいのが、ブローバの「カーブ」です。これはデザインだけでなく、構造そのものがかなり特殊なモデルですね。

GPW 見た目からして、他の時計とは明らかに違いますよね。ケースが腕に沿うようにカーブしている。

増田さん はい。ブローバの「カーブ」は、世界で初めてムーブメント自体をカーブさせたクロノグラフを搭載しています。ケースだけでなく、中のムーブメントごと湾曲しているというのが最大の特徴です。

GPW ムーブメントごと、というのはすごいですね。普通はなかなか思いつかない発想です。

増田さん ブローバは、腕時計を「腕に装着するウェアラブルツール」として捉え直しました。そこから、より腕にフィットする形を追求した結果、ムーブメントを曲げるという結論に至ったそうです。ただ、曲げることのできないパーツの配置を見直したり、針が風防に触れないよう0.1mm単位で設計を詰めたりと、実際、開発には2年もの時間がかかっています。

GPW 途方もない道のりですね…。それでいて、この内容で価格が10万円台前半に収まっているのも、正直すごいなと思います。

増田さん そうですね。構造や技術の話だけを聞くと、もっと高くなっても不思議じゃないモデルだと思います。

GPW やっぱりこの時計を選ばれる方も、この構造に惚れる人が多いんですかね。

増田さん これだけすごいムーブメントを搭載しているんですが、実際は見た目で選ばれることが多いですね(笑)。時計の中でもブルーダイヤルは定番として人気が高いですし、若い世代の方からの支持も強いです。

GPW そしてムーブメントは…ハイプレシジョンクォーツですね。精度が高いやつだ。

増田さん はい。ブローバ独自の262KHzで振動する高精度ムーブメントを搭載しています。月差±5秒という精度も、このモデルの大きな魅力ですね。

GPW ブローバ自体、150年以上の長い歴史がありますし、時計そのものだけでなく、ブランドとしての厚みも感じます。

増田さん 性能やデザインだけでなく、その背景や積み重ねまで含めて選べるという点も、このモデルの魅力だと思います。

【5本目】セイコーが“究極の実用時計”として提示するひとつの答え

SEIKO ASTRON (セイコー アストロン)
「Nexter SBXC175」(35万2000円)

▲ケースサイズ 44.1mm、ケース材質 純チタン、キャリバー 5X83、ソーラーGPS衛星電波修正、平均月差±15秒(非受信時)、フル充電時約6カ月間連続駆動(パワーセーブ時約2年)、10気圧防水

増田さん 次にご紹介するのが、セイコー アストロンのNexterシリーズです。アストロンの中でも、デザインと機能のバランスを高い次元でまとめたハイエンドなラインですね。

GPW アストロンというと、いわゆる“クオーツショック”のイメージが強いですが、新生アストロンは「GPSソーラームーブメント」を搭載しているのが特徴ですよね。

増田さん そうですね。GPS衛星電波修正によって、世界中どこにいても正確な時刻に自動で合わせられますし、そこにソーラー駆動を組み合わせているので、日常使いで時刻合わせや充電を気にする、といったストレスがほとんどありません。

GPW 実用時計としては、まさに完成形ですね。

増田さん はい。その中でもNexterは、スポーティさと上質感のバランスを意識したデザインになっています。

GPW たしかに。ベゼルまわりの質感がかなり印象的ですよね。

増田さん サファイアガラスを採用していて、光の入り方や透明感が特徴です。フラットな印刷ベゼルとは違って、見た目の高級感がグッと上がります。

GPW そして持ってみると、サイズのわりにかなり軽い。

増田さん ケースとブレスレットに純チタンを使っているので、見た目以上に軽く、腕なじみもいいですね。毎日着けることを前提にすると、この軽さは大きなメリットだと思います。

GPW スーツにも合うスタイリッシュなデザインですし、ビジネスマンからの支持率も高そうです。

増田さん 実際、アストロンはビジネス用途で選ばれる方が非常に多いです。海外出張がある方や、移動が多い方には特に支持されていますね。

GPW 精度、機能、装着感、デザインまで含めて考えると、むしろ30万円台に収まっているのが地味にすごいのかも。

増田さん おっしゃるとおりで、実用性を突き詰めた結果の価格帯だと思います。セイコーの技術力を象徴するモデルですね。

【6本目】一生モノの時計を現実的にする、“ヴィンテージ”という選択肢

IWC(アイ・ダブリュー・シー)
「ポルトギーゼ・クロノグラフ Ref. IW371445」(66万円 ※ヴィンテージ価格)

▲ケース径 40.9mm、ケース材質 ステンレススチール、キャリバー 79350、パワーリザーブ 約44時間(最大巻上げ時)、3気圧防水/純正BOX・純正保証書付き、TiCTACオリジナル6カ月保証付き、一点物のため売り切れ次第終了

GPW そういえば、TiCTACさんはヴィンテージ品も扱っているみたいですね。

増田さん はい、一点モノにはなりますので、売り切れ次第終了、という点はご了承ください。最近入荷したものでGPWの読者さんにきっと喜んでいただけそうなのが、このIWCの「ポルトギーゼ・クロノグラフ」ではないでしょうか。

GPW IWCの中でも、特にエポックメイキングな存在ですよね。かっこいい。

増田さん おっしゃるとおりで、ポルトギーゼはIWCを象徴するロングセラーモデルです。クロノグラフを搭載しているにもかかわらず、ケースが薄く、全体としてとても端正なバランスにまとまっています。

GPW これはほしい。おっとヨダレが…

増田さん アラビア数字のインデックスと、すらっと伸びたリーフ針。この組み合わせは視認性も高く、デザインとしても完成されています。発売から長い時間が経っていますが、いま見ても古さを感じさせません。

GPW このモデルは金針ですが、青針もいいんですよねぇ…。

増田さん そこで迷われる方、多いですね。青針は爽やかさがありますし、金針はより落ち着いた印象になります。

GPW 今回の個体はヴィンテージ扱いですが、どのくらいの年代なんですか。

増田さん 2000年代のモデルですね。当時の純正ボックスと保証書が揃っている個体です。ヴィンテージ市場では、こうした付属品が残っているものは意外と少ないんです。

GPW そう考えると、66万円という価格も、かなり現実的に思えます。

増田さん 現行モデルは価格も上がっていますし、円安ということも相まって、なかなか手が出せないですよね。

GPW ちなみに保証やメンテナンス面も、ちゃんと対応してもらえるんですかね。

増田さん はい、TiCTACではヴィンテージにも6カ月の内部保証を付けていますし、保証終了後のオーバーホールや修理も対応しています。有料で保証期間を延ばすことも可能です。

GPW それなら、初めてヴィンテージに挑戦する人でも安心ですね。

増田さん 一点物なので出会いのタイミングは大切ですが、「最後の1本」として選ぶには、これ以上ないモデルだと思います。

*  *  *

今回はTiCTAC池袋パルコ店を訪れ、アンダー10万円から50万円を超えるヴィンテージまで、価格帯やキャラクターの異なる珠玉の腕時計を紹介してきました。

自分へのご褒美として、あるいは節目の1本として。実物を手に取り、プロの話を聞きながら選ぶ。そんな時間も含めて、時計選びの楽しさなのかもしれません。気になる1本があれば、ぜひ店頭で確かめてみてください。

>> TiCTAC

>> 【特集】大人のご褒美ギフト

<取材・文/若澤 創 写真/田中利幸>

 

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