バング & オルフセン「Beosound Premiere」は単なるサウンドバーの枠を越えた存在だ

デザインについても、一般的なサウンドバーとは明らかに異なります。横に長い箱ではなく、立体的なシルエット。しかしそれは、見せるための造形ではありません。

スピーカーユニットの配置や音の放射方向を、そのままデザインに落とし込む。中央に配置された上向きのツイーターや、精密に加工されたアルミニウムの筐体は、すべて音響設計と直結しています。

マットなサテン仕上げのアルミニウムは光を柔らかく受け止め、リビングに置いたときも主張しすぎない佇まい。上質な空間づくりの一翼を担う存在といえるでしょう。

なお、Bang & Olufsenは、音と同じくらい「つくり」にも重きを置くブランドです。純アルミニウムから削り出された筐体をはじめ、細部まで妥協なく仕上げられています。

▲写真は「Beosound Premiere(ファブリックカバー付き)」:79万2750円

創業年にちなんだ1925個の穿孔が施されるなど、ファンならずともニヤリとするディテールも印象的。それらは決して目立つための演出ではなく、長く使うほどに気づくための要素です。

▲写真は「Beosound Premiere(ウッドカバー付き)」:91万5000円

音、形、つくり。そのすべてを高い次元で成立させることで、Beosound Premiereは「サウンドバー」という枠を超えた存在になっています。

ちなみに、世界25台限定で「Beosound Premiere Haute Edition」も登場しています。彫刻的な加工をさらに押し進めた特別仕様で、17時間をかけた切削による放射状のパターンは、まるで音の波動を視覚化したかのよう。

価格は198万1500円。誰にでも勧められるものではありませんが、Bang & Olufsenが音と工芸をどう捉えているかを、最も純度の高い形で示した一台です。

Beosound Premiereは、音を良くするための道具というより、空間そのものを整えるための装置に近い存在。テレビの前に置くもの、という発想を超えて、音・形・空間をまとめて考えたい人にこそ響く一台でしょう。

>>BANG & OLUFSEN

<文/若澤 創(GoodsPress Web)>

 

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