「暑がり」「寒がり」どちらも快適なエアコン!三菱電機「霧ヶ峰ADVANCE FZシリーズ」

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一年を通して、室内を快適な状態にしてくれるエアコン。現在の生活においては欠かせない家電製品のひとつだ。最近では、エコや温度湿度、風の向きまでコントロールする機種が登場しているが、三菱電機から登場する「霧ヶ峰ADVANCE FZシリーズ」では、家族ひとりひとりに最適な風を送れるという。

つまり、寒く感じる人には温度をあげ、暑いと感じる人には温度を下げて風を送る。しかも同じ部屋にいる人に向けてだ。そんなことが可能なのだろうか? さっそく取材に行ってきた。

エアコンの構造は50年前からほぼ変わらない!?

まずはエアコンがどのような仕組みで作動しているか、そこから知ることが必要だ。基本的な仕組みを解説しよう。

エアコンの室内機には熱交換器というユニットがある。暖房の際は室外機から、熱交換器内のパイプに対して熱いガスを送り、熱交換器を熱くし、冷房の際は逆に熱交換器を冷やす。そして、同じくエアコンの中にあるファンが熱交換器に風を当てて室内に暖かい風や冷たい風を送ることで、暖房、冷房ができるのだ。

このエアコンの基本的な構造は家庭用エアコンが誕生した50年前からほぼ変わっていない。しかし、三菱電機を初めとする家電メーカーは送風効率の改善や熱交換器のサイズや形状、体積の改善、そして室外機のファンサイズやコンプレッサー性能の改良などにより、消費電力を減らし、エアコンの基本性能を高めてきたのだ。

しかし、近年はモデルチェンジによる消費電力の低減ペースが落ちてきていたという。そこで三菱電機は、家庭用エアコンの室内機を0から見直すことにしたという。そして誕生した「霧ヶ峰ADVANCE FZシリーズ」では、家族ひとりひとりに最適な風を送れるようにした、というワケだ。

 

三菱電機 霧ケ峰

スクエアなフォルムとなった「霧ヶ峰ADVANCE FZシリーズ」

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三菱電機が変えたのは“ファン”の形だった

三菱電機がエアコンを0から見直すことにしたとき、注目したのがファンの形状だ。三菱電機では1968年に家庭用エアコンで初めて「ラインフローファン」を採用した。現在、家庭用エアコンのほとんどがこのラインフローファンを搭載している。自ら生み出したこのラインフローファンを見直すことにしたのが始まりだった。

 

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上が従来採用されてきたラインフローファン。下部が新たに採用されたプロペラファンだ

 

近年のエアコンではセンサーを利用して室内温度を検知、さらに人のいる場所や体温などを認識して、最適に送風する機能を搭載している。三菱電機の霧ヶ峰シリーズでは1984年発売モデルで最初に輻射熱センサーを搭載し、壁などの温度を計測する機能を家庭用エアコンでは初めて搭載。さらに、1994年発売モデルで、人感検知センサー「パノラマアイ」を搭載し、人の位置と距離を検知して送風をコントロールする機能を実現している。

近年のモデルでも、センサー技術「ムーブアイ極」により、室内にいる人の位置や温度を計測、そして左右2枚に別れた「匠フラップ」により左右に分けて送風できるようになっている。

ひとりひとりに風を送れる“パーソナルツインフロー”

多くのエアコンが実現しているセンサー技術とフラップ制御による送風技術。しかし、風を起こすラインフローファンは一体なので、左右それぞれで風量を変えることはできなかった。そこで霧ヶ峰が新たに採用したのが、左右それぞれに異なる風を起こせる左右独立駆動の「パーソナルツインフロー」だ。

エアコンの本体上部に2基のプロペラファンを搭載。外からの風を効率良くエアコン内部に送れるだけでなく、2つのファンそれぞれで異なる風量を送ることができるようなったのだ。

 

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ふたつのプロペラファンを左右に設置。フレーム部と一体化した状態で本体に固定されている

 

左右に異なる風を送りたいなら、ファンを分ければいい。後から考えると簡単だが、このパーソナルツインフローの実現にはさまざまな苦労があったという。ひとつが、ファンを回すモーターだ。ファンがふたつあるため、モーターも2基搭載する必要がある。そして、プロペラファンのモーターはプロペラの中心部分に設置する必要がある。このため、しっかりとした風量を起こすためには、モーターを小型化する必要があるのだ。

 

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フレーム部に固定された高出力の小型DCモーター。プロペラファンの中心部の内径に収まるサイズで新開発された

 

開発陣はモーターを小型化するため、本来モーター内に取り付けるICチップをエアコン側の基板に配置。このため、従来のエアコンでは気にする必要のなかったICチップの発熱対策も必要になったという。

また、家庭用エアコンでは、取り付け時などに落下しても簡単には壊れないようになっているが、プロペラファンはフレームとの隙間が小さく、振動を防止するために用意した遊びがあるため、落下時に破損の可能性があったという。

これも最初はモーター部に振動防止用のゴムを設置していたが、フレームと一体化し、フレーム部に振動防止ゴムを配置することで、落下時の耐久性や、回転数の異なる2つのファンによる振動問題などをクリアしている。

 

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モーターを小型化したため、モーターを制御するチップは基板側に。発熱対策の放熱板は冷蔵庫用の技術を転用したという

 

ファンをラインフローから、パーソナルツインフローに変えることで、利点も生まれている。ラインフローファンを採用したエアコンでは、ファンを包み込むような形で熱交換器が設置されている。熱交換器の設置位置は本体の前面から上面に制約され、設置面積も決して大きくなかった。しかし、「霧ヶ峰 ADVANCE FZシリーズ」ではパーソナルツインフローを採用することで、室外機の下部にW字型で熱交換器を設置することが可能となった。熱交換器の搭載量は従来モデルと比べて約22%アップ。省エネ性能もさらにアップしたという(同社2015年 Zシリーズ5.6kwクラスとの比較)。

 

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新たにW字型となった熱交換器。搭載量が22%増えたことで、APFも4.5%改善した

 

さらに「霧ヶ峰 ADVANCE FZシリーズ」では、人の指先などの温度も検知する「ムーブアイ極」のセンサー解像度を従来の4倍となる1万8392エリアをセンシングするように進化した(同社2015年 Zシリーズとの比較)。手先、足先の温度を検知することで、その人が寒いと感じているか、暖かいと感じているかを把握できる。

これで、パーソナルツインフローにより、寒がりの奥さんには優しい風を直接当てないように、暑がりの旦那さんには涼しい風をしっかりと当たるように送風するといったひとりひとりに最適な風を送ることができるのだ。

 

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電源を入れると「ムーブアイ極」のセンサーが下部から延びて出てくる仕組み。360度回転して室内をセンシングする

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2枚のフラップで風を別方向にコントロール

インテリアに合う上質デザインモデルも登場

さらに三菱電機はエアコンにもうひとつの提案をしている。既存のエアコンといえば、ほとんどがインテリアに溶け込むことを意識した地味目のカラーリングがほとんどだった。

しかし、新たに提案する「霧ヶ峰 Style FLシリーズ」はボルドーレッドとパウダースノウの2色を用意。透明パネルを裏側から塗装した透明感と深みのあるデザインを採用しているのだ。これなら、こだわりのインテリアのなかで、エアコンも存在感を示しながらも空間にフィットするはずだ。

 

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2色展開の三菱電機「霧ヶ峰 Style FLシリーズ」。スクエア形状で薄型のボディを採用している

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へアライン状の仕上げにもこだわった

 

もちろんFLシリーズもセンサー機能「ムーブアイ極」を搭載し、「匠フラップ」による風をコントロールする機能を搭載している。

家庭用エアコン50年の歴史を覆す新ファンを搭載する「霧ヶ峰 FZシリーズ」、そして高いデザイン性を実現した「霧ヶ峰 Style FLシリーズ」。今年も家庭用エアコンの進化を霧ヶ峰がリードしていく。

三菱電機霧ケ峰シリーズ

 

(取材・文/コヤマタカヒロ

こやまたかひろ/エディター、ライター

こやまたかひろ/エディター、ライター

PCやタブレット、スマートフォンなどのデジタルギアからオーブンレンジ、炊飯器、ロボット掃除機などの白物家電までカバー。実際に製品を使い、その体験を活かした原稿を手掛ける。スペックからは見えない使い勝手などを解説する。

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