「超大容量ポータブル電源」があれば災害時にも家電が使えるようになる

地震大国、日本。東日本大震災や阪神淡路大震災など大規模地震の経験から、防災用品が入った「非常持出袋」を用意するなど、非常時の備えをしている家庭は多いのではないでしょうか。

ライトやラジオ、救急用品、水や日持ちの良い食料など、被災時に必要となるものを用意しておくことは重要です。

災害は地震だけではありません。近年は全国各地で大きな水害が多発しており、居住地域に関係なく、誰もが電気、ガス、水道といったライフラインがストップした時に備えておくべき状況と言えます。

そんな防災用品の新たな1つとして近年注目されているのが“ポータブル電源”です。モバイルバッテリーが大容量になったものと思われがちですが、実はそう単純なものではありません。

電化製品は種類によって必要な電力が異なります。中でも暖房器具や調理家電といった熱を発する家電は大きな電力が必要です。そして被災時に最も必要となるのも熱関係。「暖まるもの」「温かいもの」は、ライフラインが止まっている時にこそ得ることが難しく、そして必要になるものです。

これらを踏まえた上で、では災害時に超大容量ポータブル電源があるとどういうことができるのか、「BLUETI AC200P」(23万9880円)を例に見ていきましょう。

 

■容量以外に見ておきたいのが定格出力

まずはスペックを確認。

容量は2000W。モバイルバッテリーでよく使われるmAhで表すと33万1000mAh。いかに大容量かが分かります。

そして端子類。右から順に、以下を備えています。

・AC(交流、コンセント)×6
・USB-A×4
・USB-C(PD対応/最大60W)×1
・DC(直流、12V/10A)シガーライター×1
・DC(12V/3A)×2
・DC(12V/25A)×1

さらに天面には2つのデバイスをワイヤレス充電可能です。

日本ではDC端子が必要な電化製品は少ないので、重要となってくるのはAC=コンセントとUSBポートになります。特にコンセントは、スペック次第で使える家電が決まってきます。そこで見るべき数字は「定格出力」です。これは安定して出せる電力のことで、「BLUETI AC200P」のACポートは2000Wh。この数字によって使える家電が変わってくるのです。

ちなみに2000Whの定格出力ですが、実はかなりのハイパワーになります。これだけあれば、家庭にある家電はほとんど使えるといってもいいかもしれません。

ではどんな家電が使えるのか具体的に見てみましょう。

 

■調理家電

▼電気ケトル

例えば災害時に温かい飲み物が欲しくなった時。ガスが止まっているとお湯を沸かす手段としては電気ケトルが必要になります。

熱を出す製品なだけに、家庭で使われている電気ケトルの多くは定格消費電力1000Wと、かなりの電力が必要ですが、2000Wあれば問題なく使えます。

▼電気グリル鍋

鍋料理に便利な電気グリル鍋。こちらも熱を発する家電です。サイズによって消費電力は異なりますが、600~800Wといったものが多くなります。ホットプレート機能も付いているものになると1300Wという大出力が必要なものも。もちろんこれらも使えます。

電気グリル鍋が使えるようになると、お湯を沸かして自宅に常備しているレトルト食品が温められます。非常持出袋に入れている長期保存可能な食料だけでなく、普段の食事用として買い置きしてあるものを温めて食べられるのは、災害時にはありがたいですね。

▼電子レンジ

そして2000Wの定格出力は、電子レンジも使えます。

電子レンジの場合は出力(W)を切り替えられる機能が付いていることもあるので、ピンとくる人も多いかもしれませんが実はこれは温める強さ。消費電力の数値ではありません。では定格消費電力はというと、多くが1100~1400Wあたりになります。やはりかなりの電力が必要です。ポータブル電源の残量を考えると、頻繁に使うのは避けたいところですが、いざという時に使えるというのは、気持ちの余裕が変わってきます。

災害時の停電はどのぐらい続くのでしょうか。2011年の東日本大震災では広い地域で停電が起こりました。この時、約80%の地域で電気が復旧するのに約3日かかりました。またこの時は、電力網に大きな被害が出たため、計画停電も行われました。そして近年多発しているのが台風による停電。2018年7月に広島県や岡山県を中心に大きな被害が発生した西日本豪雨では、停電した地域の99%が復旧するまでに約100時間かかりました。同年9月の近畿地方に大きな被害をもたらし最大約240万戸が停電した台風21号では、99%の家屋が復旧に要した時間は約120時間。また千葉県を中心に大きな被害が発生した2019年9月の台風15号では、なんと99%が復旧するまでに約280時間もかかっています。(東京電力「東北地方太平洋沖地震に伴う電気設備の停電復旧記録」、経済産業省「台風15号・19号に伴う停電復旧プロセス等に係る個別論点について」より)

 

■冷暖房器具

▼セラミックファンヒーター

寒い季節だけでなく、春や秋でも夜になると冷えることがあります。そんな時、あると助かるのが暖房器具。石油ストーブも燃料は灯油ですが、着火に電気を使う場合があります。また電気ヒーターは頻繁に使うと電気代がかなりかかることからも、かなりの電力が必要なことがわかります。

セラミックファンヒーターの場合、多くは定格消費電力が1100~1300Wです(※弱運転の場合で600~900W)。

▼電気毛布

そしておそらく、被災時の暖房として最も活躍してくれるのが電気毛布です。

定格消費電力が70~100W程度のものが多いので小型のポータブル電源でも使えるのですが、「BLUETI AC200P」のような2000Wも容量があるポータブル電源であれば、複数を同時に長時間使えることになります。

▼扇風機

夏になると逆に暑くて眠れないことがあるかもしれません。そんな時もポータブル電源があれば扇風機が使えます。

扇風機はただモーターを動かすだけなので、定格出力が30~40Wあればほぼ使えるはずです。

2019年には経済産業省が大手電力会社に対して、災害発生後48時間以内に復旧見通しを示すよう求めました。また過去の災害から考えても、少なくとも3日間は電気が使えるようにしておくと停電時も安心感が変わってきます。それでも、もしポータブル電源に蓄電した電気がなくなってきた場合、あると助かるのがソーラーパネルです。

「BLUETI AC200P」の場合、「BLUETI SP120」(2万9880円)という最大出力120Wのソーラーパネルを2枚使うことで充電できます。枚数を増やせば使えば短時間での充電が可能になります。

*  *  *

家の中で普段使っている電化製品が被災時にも使えるというのは、安心感が変わってきます。アウトドアが趣味の人であれば、手持ちの道具でお湯を沸かせたり、暖かい寝袋で寝られたりするかもしれませんが、ガスを使うキャンプ道具は基本的に屋内での使用は想定されていません。また火が出るものなので取り扱いには細心の注意が必要です。

だからこそクルマに避難した場合でもアウトドア用の道具は車内では使えませんが、ポータブル電源があれば使えるようになります。

これら想定しうる状況を考えていくと、やはり家電が使えることの安心感は大きいと言えるのではないでしょうか。備蓄食料以外に常備している食料を食べられるという点も見逃せません。

もちろんこれだけの大容量なので、さほど電力が必要ではないスマホやタブレット、PCといったデジタル機器の充電は複数台同時でも余裕でこなしてくれます。

キャンプや車中泊が趣味という人は、それら趣味の時にも使えるポータブル電源ですが、超大容量になると趣味用の小型タイプとは違い、家電を動かすといった使い方ができるようになります。これは、災害時を考えた時には大きな安心につながります。

もちろんポータブル電源であれば何でもいいというわけではありません。とはいえ超大容量となるとサイズも大きく、そして重くはなってしまいます。しかし、だからこそ家電すらも動かせるハイパワーを得られるわけです。

実際に近年は公共施設でもポータブル電源を備えるところが増えてきていることからもわかるように、これからは非常持出袋に加えて大容量のポータブル電源が被災時の備えとして重要になってくることは間違いありません。

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<文/円道秀和(&GP) 写真/田口陽介>

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