レトロ回帰は逆に新しい?時計ジャーナリスト・篠田哲生に聞くブローバの魅力

提供:シチズン

ここ数年、Z世代の若者を中心に“レトロブーム”が起きている。あえてのフィルムカメラ、テープレコーダー、ファミコンなどのレトロゲームと枚挙にいとまがない。こうした流れはSNSなどとの親和性も高く、広く普及し続けている。

そこで注目したいのが、アメリカ・ニューヨークの時計メーカー・ブローバから登場した新作ウォッチ「クラシックコレクション」を中心とした新作群だ。1960年代の人気コレクション「エアロジェット」からインスパイアされており、その佇まいは時代を超えて愛される普遍的な吸引力を持つ。

昨今のレトロカルチャーの高まりと腕時計の相性について、時計ジャーナリスト・篠田哲生氏に話をうかがいつつ、ブローバ新作ウォッチの魅力に迫る。

篠田哲生|男性誌の編集者を経て独立。コンプリケーションウォッチからカジュアルモデルまで、多彩なジャンルに造詣が深く、専門誌からファッション誌まで幅広い媒体で執筆。時計学校を修了した実践派でもあり、時計関連の講演も行う。

 

 

■“新しいモノづくり”への挑戦が原点

「1960年といえば第二次世界大戦後、国内では景気もよくなりヒッピーやロックやジャズといった、いわゆる“カウンターカルチャー”が隆盛の時代です」

そう話す篠田さんが注目するのは、1960年代後半からジャンボジェット機が登場し始めたことだという。これにより世界中を人々が行き交い始め、そんな中から第二時間帯を計れる旅の時計「GMTウォッチ」が登場した。

「そこで当時、スイスでは文化として、一方アメリカでは工業製品として時計を作っていました。すでにアメリカは機械式時計ではない新しい技術に挑戦しようという機運があり、ブローバから“音叉式”の腕時計『アキュトロン』が誕生します。時代の転換期であり、“次の時代”を意識したモノづくりが行われていたときなのでしょう」

そんな1960年代の人気モデル「エアロジェット」にインスパイアされたのが、ブローバの「クラシックコレクション」新作だ。

 

均整の取れたデザインとグラデーションがポイント

ブローバ
「クラシックコレクション 96B374」
(4万8400円)

▲自動巻き、ケース径41mm、SSケース、3気圧防水、レザーストラップ

ダイヤル中央にクロスデザインをあしらい、9時位置には上下で色を分けた24時間表示を備え、レトロなボックス型風防を採用。文字盤には旧ロゴと「AEROJET」の印字を配し、12時位置のインデックスはブローバを象徴する音叉マークが型どられている。

「1960年代といえば世界的にもカラーテレビが生まれたころ。そういった色に対する意識も高まっているときで、ダイヤルカラーの美しいグラデーションはそういった時代背景も意識しているのかなと思います」

“価値のあるものは何度でも復刻していい”、という篠田さん。ヴィンテージ、ネオヴィンテージといった我々になじみ深いアメリカンカルチャーの流れを汲む「エアロジェット」は、再び時代の転換期を迎えた現代において、価値あるものの再定義のため“学び直し”にもいいと話します。

「スマートウォッチの登場など、時計業界においても未来はわかりません。だからこそ、過去に培った普遍的価値を持つものから、新たな可能性を模索する時期なのかもしれないですね」

ブローバ
「クラシックコレクション 96B375」
(5万3900円)

▲自動巻き、ケース径41mm、SSケース、3気圧防水、SSブレスレット

ブラウンのダイヤルカラーにステンレススチールのブレスレットを携えた別モデルも。よりクラシカルな雰囲気を持ち、オン・オフどちらも使える便利な一本だ。

▲左から 「96B374」(4万8400円)、「96B375」(5万3900円)

■スケルトンウォッチにも現れる“ブローバイズム”

現代カルチャーのひとつの原点が1960~70年代にあるという篠田さん。ブローバはそうしたアイコニックな腕時計が数多く存在し、タイムレスなブランドだと言う。さらに今回、クラシック コレクションとしてスケルトン3種が登場した。

「この時代、意外とスケルトンウォッチは数が多くなく、あっても工芸品としての目的で作られたものでした。しかし、ブローバは1960年に初代アキュトロンで工業的なスケルトンを発表しており、こうしたブローバイズムをしっかり受け継いでいます」

ブローバ
クラシック コレクション“スケルトンモデル”

▲左から「98A283」(5万8300円)、「97A169」(5万8300円)、「96A266」(5万2800円)

ブラック、ローズゴールド、シルバーカラーの3モデルは、文字盤外周部に美しいペルラージュ仕上げを施し、力強いデザインにクラシカルかつ高級な雰囲気を実現。山型に成型されたインデックスや時・分針が立体感を与え、高い視認性と洗練された美しさを見て取れる。

「工業製品として合理的にいいものを作るという思想があるので、アメリカらしいカルチャーも感じられながらプライスも適正というのが大きな魅力だと思います。スケルトンモデルは先進メカニズムの中身が見られるという、ある種いまっぽいデザイントレンドですが、男性のワクワク感をくすぐるテイストをブローバはかなり早い段階で提案していたのは面白いですよね」

インダイヤルの中もしっかりとムーブメントが駆動する様が見られ、ダイヤル外周部やパーツの溝のようなパターンなど凝ったディテールが堪能できる。

リューズにはブローバのロゴをあしらい、ケースサイドも鏡面に磨かれ、ラグには筋目の仕上げを施すなど、細部へのこだわりが見て取れる。

ローズゴールドのモデルはインダイヤルや外周部にブラックを採用し、一風変わった趣を持っている。

▲背面からもスケルトンウォッチの動きを見られるシースルーバック仕様

「ブローバの面白さって、そういう合理的なモノづくりと日本人になじみ深いアメリカンカルチャーへの親和性の高さですよね。映画や音楽といったカルチャーを含め、そういうのが感覚的にカッコいいと思えるブランドなんだと思います」

>> ブローバ 2021 機械式時計キャンペーン開催中

2022年1月10日(月・祝)までの期間中、対象店舗およびブローバ公式オンラインショップにて、ブローバの機械式時計を購入すると、BULOVAロゴ入りオリジナルタンブラーをプレゼント。この機会にぜひ店頭に足を運んでみて。

<お問い合わせ>ブローバ相談室 0570-03-1390

<取材・文/三宅隆(&GP) 写真/江藤義典 スタイリスト/宇田川雄一>

この記事のタイトルとURLをコピーする