現代に蘇る“フジツボダイバー”。シチズンが誇る名ダイバーズを踏襲した新作が登場!

シチズンは1918年の創業以来、軽く耐久性に優れたスーパーチタニウムやクリーンな太陽光エネルギーで稼働するエコ・ドライブの開発など、腕時計のテクノロジーをリードし続けてきた。そんな世界に冠たるウオッチメーカーが過酷な状況で限界に挑戦するプロフェッショナルたちのために開発したブランドが「CITIZEN PROMASTER(シチズン プロマスター)」である。

シチズンの技術の粋が結集された同ブランドは「マリン(海)」「ランド(陸)」「スカイ(空)」の3シリーズに分類されるが、今回フォーカスするのは、この夏、「マリン」に新たにラインナップされた「メカニカル ダイバー200ⅿ」。それはかつて世界中の時計愛好家を驚嘆させた伝説のモデル“フジツボダイバー”の系譜を受け継ぐタイムピースだ。

■伝説のダイバーズウオッチ“フジツボダイバー”とは

▲1983年、オーストラリアのロングリーフビーチで発⾒された、1977 年発売の⾃動巻きダイバーズウオッチ「チャレンジダイバー」(提供:シチズン)

通称“フジツボダイバー”と呼ばれる「チャレンジダイバー」は、シチズンの技術力を世界に知らしめた名機だ。1977年に発売されたこのモデルは、精悍なブラックダイヤルと視認性に優れた立体的な夜光インデックス、りゅうずガードのない厚いSS(ステンレススチール)ケースが特徴。

さらに当時としては優秀だった150ⅿの防水性能をはじめ、ねじ込み式りゅうず、回転ベゼル、スクリューバックと充実したスペックを備えていた。発売後、たちまちその性能が評判となり、プロダイバーたちに愛用された。

▲“フジツボダイバー”発見時の記事。当時はいつ・どの製品か判明していなかった(提供:シチズン)

そんな中、ある出来事が。1983年にダイビングスポットとしても知られるオーストラリアのロングリーフビーチで1本の「チャレンジダイバー」が発見された。見つかったのは岩場の上で、原形がわからないほど全体がびっしりフジツボで覆われていた。だが、驚くべきことに、その腕時計は何事もなかったように時を刻み続けていたのだ。

おそらく海中で波による揺れを動力源として動き続け、やがて波によって打ち上げられたのだと推測される。このロマンチックな出来事がきっかけとなり、「チャンレンジダイバー」は、時計ファンの間で“フジツボダイバー”と呼ばれるようになったのだ。この呼び名にシチズンへの技術力への称賛が込められていることは言うまでもないだろう。

■名作のデザインを踏襲したアップデートモデルが登場

今年の8月に登場する「シチズン プロマスター」の新モデル「メカニカル ダイバー200m」をひと言でいうなら、“進化版・フジツボダイバー”といったところか。

ファーストインプレッションはまさに「チャレンジダイバー」。りゅうずガードのない41mm径のケースをはじめ、針の形状、夜光塗料が塗られたエンボス加工によるインデックス、すり鉢状の回転式ベゼルなど、オリジナルの面影を色濃く残している。

また、ベゼル上の角ばったフォント、ダイヤル外周の分目盛りなど、細かい部分にも共通点が多く見られる。

▲ケースの厚みは12.3mm(設計値)の薄型に仕上がっており、スッキリとした印象

とはいえ、そこは技術のシチズン。機能性や使い心地に関わる肝の部分はしっかりとアップデートされている。まず、ケースは軽量でキズに強いスーパーチタニウムに変更。加えてケース厚がオリジナルよりも薄くなったことで装着感がいっそう快適に。

そしてムーブメントは自社製の「Cal.9051」。デジタル社会に対応する機械式時計を志向するブランド「シリーズ8」にも採用されている自社製の自動巻きムーブメントは、ヒゲゼンマイと周辺パーツに磁気を帯びにくい素材を使用したもの。

JIS規格である第2種耐磁をクリアした耐磁性能は、1万6000A/m(アンペアマイメートル)もの磁気を発する機器に1cmまで近づけても性能を維持することが可能。スマホやパソコンに囲まれた日常はもちろん、強力な磁気コンパスが積まれた船上でも安心して使うことができる。

また、ダイバーズウオッチの生命線である防水性能がISO規格に準拠している点も見逃せない。ISO規格とは160を超える国々が制定する世界品質を定めた国際的な基準のこと。潜水用防水時計の基準には視認性、耐磁性、耐熱衝撃性といった厳格な基準が設けられており、それらをクリアしなくてはならない。世界基準の200ⅿ防水はフジツボダイバーの後継機としてふさわしい性能といえるだろう。

「メカニカル ダイバー200ⅿ」はオリジナルと同じブラックダイヤルに、レトロな格子柄がデザインされたウレタンバンドが装着された「NB6021-17E」と、深海を思わせるブルーダイヤルにスーパーチタニウム製のブレスレットを持つ「NB6021-68L」の2種類が展開される。

■違いはダイヤルカラーとバンドのマテリアル。完成度の高い2モデルをどう着けこなす?

「NB6021-68L(写真左)」と「NB6021-17E(写真右)」がラインナップされる「メカニカル ダイバー200ⅿ」。では、どちらのモデルを選ぶのが正解なのか? もちろん好みで選ぶのが一番だが、腕時計と密接な関係にあるファッションもまた良い選択の基準となる。主に使用するシーンを想定し、そのスタイリングに合わせて選べば、日常でもその高いパフォーマンスを実感することができるだろう。

■気軽なビジネススタイルの“格”を上げるチタン×ブルーダイヤル

▲「NB6021-68L」

在宅ワークの普及も手伝って、さらなるカジュアル化が進むビジネススタイル。そんな流れとともに需要が高まっているのがセットアップだ。スーツより着心地が楽チンで、見た目もリラックスした雰囲気にまとまるのが美点だが、ビジネスシーンで着る際には、カジュアルになり過ぎないよう注意が必要だ。

そこで役立つのが「NB6021-68L」。エレガントなブルーダイヤルとスーパーチタニウム製のブレスレットを持つこのモデルなら、カットソーをインしたカジュアルなセットアップスタイルでも、ビジネスシーンにふさわしい品格をプラスしてくれるのだ。

■シックとカジュアル。その塩梅が絶妙なウレタン×ブラックダイヤル

▲「NB6021-17E」

ウレタンバンドがスポーティなイメージを強める「NB6021-17E」は、カジュアルスタイルとの相性が抜群だ。キレイめからアメカジ、アウトドア、スポーツMIXまで幅広い着こなしにマッチする。さらにダイヤルにベゼル、ウレタンバンドがブラックで統一された精悍な面構えは、スタイリングの印象をキリッと引き締めてくれる効果も。

ただ、このモデルがカジュアル専用かといえば、そうでもない。ダイバーズの王道を感じさせるシャープなデザインは、大きすぎない41mmのケースサイズも手伝って、かっちりとしたスーツスタイルの腕元にも違和感なく調和するだろう。

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シチズンのレガシーというべき“フジツボダイバー”の遺伝子を受け継ぎつつ、機能性や着け心地が現代的にアップデートされた「メカニカル ダイバー200ⅿ」。本記事ではそのさまざまな魅力を紹介してきたが、「NB6021-17E」はアンダー10万円、「NB6021-68L」は12万円台前半という手の届きやすい価格設定も特筆すべき点だ。

ブランド力、スペック、汎用性、これほど安心して購入できるダイバーズはほかにそうそうない。「メカニカル ダイバー200ⅿ」は、マリンスポーツを楽しむ人だけでなく、ファッションを愛する都市生活者にとっても、全幅の信頼を置ける相棒となるはずだ。発売は共に8月19日を予定。ぜひ手にとって、その完成度の高さを実感してほしい。

問い合わせ先:シチズン お客様時計相談室☎0120-78-4807

>> シチズン プロマスター「メカニカル ダイバー200ⅿ」

<取材・文/押条良太 写真/五十嵐 真 スタイリング/宇田川雄一>

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