洗練されたスタイリングと機能性を共存させた、セイコーの先進性を象徴するブランド「セイコー アストロン」。
今回は、特に人気の高い「SBXC175」と「SBXC181」にフォーカスし、それぞれの魅力と選ぶ際のポイントを見ていく。
■「セイコー アストロン」のこれまでとこれから
▲初代「クオーツ アストロン」
1969年、世界初のクオーツウオッチとして登場した初代クオーツ アストロンは、腕時計の常識を変えた一本だ。その名を継ぐ現行のアストロンは、GPSソーラーで世界中どこにいても正確な時刻を示す、セイコーの先進技術を象徴する存在。
今回フォーカスするNexterシリーズは、その実用性をベースに、次世代リーダーをイメージした造形と素材を採用し、現代らしいアップデートを遂げている。
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▲写真上:セイコー アストロン Nexter「SBXC175」(35万2000円)、ケースサイズ 44.1mm、厚さ14.4mm、ケース材質 純チタン、キャリバー 5X83、ソーラー GPS衛星電波修正、平均月差±15秒(非受信時)、フル充電時約6カ月間連続駆動(パワーセーブ時約2年)、ワンプッシュ三つ折れ方式、10気圧防水/写真下:セイコー アストロン Nexter「SBXC181」(33万円)、ケースサイズ 43.3mm、厚さ13.4mm、ケース材質 純チタン、キャリバー 5X83、ソーラー GPS衛星電波修正、平均月差±15秒(非受信時)、フル充電時約6カ月間連続駆動(パワーセーブ時約2年)、ワンプッシュ三つ折れ方式、10気圧防水
1969年に世界初のクオーツウオッチとして登場した初代「クオーツ アストロン」は、その後“クオーツショック”と呼ばれる価値観の転換を象徴する一本になった。その名前をいまも冠している時点で、このシリーズが特別な位置づけにあることは自明の理。世界にセイコーの技術力を知らしめたモデル名を受け継ぎ、さらに世界初のGPSソーラーウオッチとして常識を更新してみせたのが、現行のアストロンである。
とはいえ、今回の二本は、その背景を抜きにしても純粋にかっこいい。ケースの造形や素材使いにハイエンドらしい風格があり、高級感も申し分ない。加えて、中身はどちらもアストロン史上最高性能の「キャリバー 5X83」を搭載。また、軽量なチタンケースを採用しており、内外装ともに究極のストレスフリーウオッチといえる。
アストロンを選ぶのは、単に便利な時計を一本足すことではない。セイコーが積み重ねてきた長い物語を、自分の腕元に引き寄せることでもある。歴史の重みを声高に語る必要はないが、その背景を自分だけが知っていて、ふと袖口を見たときに少しにやりとしてしまう。まさにそんな“分かる人には分かる”楽しみ方ができる特別な腕時計なのだ。
■編集部員がリアルに検証!「SBXC175」と「SBXC181」の違いと選び方
アストロンの背景や魅力をひと通り押さえたところで、ここからはNexterシリーズの「SBXC175」と「SBXC181」を深掘り。約1カ月にわたり二本と過ごしてきた編集部のワカザワが、主観と客観を織り交ぜながら、その違いと選び方をガイドする。
GoodsPress
編集 ワカザワ
GoodsPress本誌&WEBで主に時計ページを担当。セイコーの推しモデルは「アルピニスト」
【視点1】素材で変わる“第一印象”
▲SBXC175
両者の違いがまず現れるのが、ベゼルまわりの素材感だ。「SBXC175」はサファイアガラスベゼルの澄んだ艶が印象的で、ふと視線が落ちたときに「いい時計を着けているな」と思わせてくれる上品なきらめきがある。
▲SBXC181
一方、「SBXC181」はブルーセラミックス特有の硬質感が際立ち、存在感のあるダイヤルデザインと好相性。深みのある輝きが視線を引き寄せ、見るたびに気分を高めてくれる。
天気の良い日に手元でキラリと光るサファイアガラスの透明感は格別。また、ブルーセラミックスは、いつ見ても惚れ惚れする安定感のある美しさが魅力です(ワカザワ)
【視点2】ダイヤルデザインと配色
▲SBXC175
ブルーダイヤルに横縞模様のパターンを配した「SBXC175」は、ハイエンドモデルらしい緻密な仕上がりで、統一感のある上品なデザインが魅力。
▲SBXC181
「SBXC181」は、縦ストライプの上にブルーとホワイトシルバーのコントラストを重ね、そこにレッドの秒針を差すことで、アクティブで軽やかな印象をつくり出しているのが特徴だ。
ダイヤルデザインの自由度や質感が高まったのは、ソーラー充電の効率が向上しているからだとか。こういう見えない進化をコツコツ積み重ねているところに胸キュン♡(ワカザワ)
【One Point!】性能の差はナシ!
両モデルともムーブメントは「キャリバー 5X83」を搭載。GPS衛星電波を捉えることで、世界中どこにいても、ボタン操作ひとつで今いる場所のタイムゾーンを特定し、現在地に合わせた正しい時刻へとすばやく修正してくれる
【視点3】スタイルの違いで際立つ二本の個性
【スタイル1】モスグリーンで味出しセットアップスタイル
▲ジャケット 2万1890円、スラックス 1万1990円/モアレス(洋服の青山 池袋東口総本店)、ニット 5万9400円/ジョン ス メドレー(リーミルズ エージェンシー)、バッグ 4万6200円/チマブエ(コランド)
▲SBXC175
▲SBXC181
モスグリーンのセットアップにブラックのタートルネックを合わせた秋冬らしいビジカジスタイル。
「SBXC175の落ち着いたトーンは、こういうきれいめなスタイルと相性抜群。スポーティなSBXC181も、青と白のコントラストが効いて、ビジカジに意外なほどなじみます」(ワカザワ)
【スタイル2】色数を抑えた大人の重ね着コーデ
▲ブルゾン 16万2800円/アーペントル、シューズ 3万9600円/サボール、バッグ 9790円/イーラ(バーニッシュ)、デニムジャケット 6万9300円、ニット 5万9400円/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー)、パンツ 3万9600円/コーディングス(真下商事)
▲SBXC175
▲SBXC181
モスグリーンのセットアップにブラックのタートルネックを合わせた秋冬らしいビジカジスタイル。
「SBXC175の落ち着いたトーンは、こういうきれいめなスタイルと相性抜群。スポーティなSBXC181も、青と白のコントラストが効いて、ビジカジに意外なほどなじみます」(ワカザワ)
【結論!】編集ワカザワが選んだモデルは「SBXC181」

正直、最初は「SBXC175」一択だと思っていました。あのベゼルの艶と高級感、そして所有欲を満たす感じはまさに唯一無二! ですが、黒やネイビー中心の服装が多い自分には、腕元がパッと映える「SBXC181」が思いのほかマッチしました。そして改めて思ったのは、“軽い”ってやっぱり正義。チタンウオッチ、最高です。
問い合わせ/セイコーウオッチ株式会社 お客様相談室 0120-061-012
<取材・文/若澤 創 写真/江藤義典 スタイリング/宇田川 雄一>



























