なぜ地中13.5mに巨木が!? 太古の神秘に触れられる「三瓶小豆原埋没林」を訪ねた

島根県の中央部に位置する大田市。こちらで1998年に日本の自然史に関わる大きな発見がありました。今から約4000年前、縄文時代の頃の森林が、噴火によりまるごと火山灰に埋まってそのまま地中に残っていたのです。その事実が判明したのは、’83年に出現した1本の杉の巨木でした。

現在、日本全国で一般公開されている埋没林は3カ所。太田市の埋没林がほかのふたつと大きく異なるのが、根を下ろした幹が大きく残る状態で発見されたことでした。これはとても稀な例なんです。そして、それら巨木を含む発掘物の保存と展示のために「三瓶小豆原埋没林公園(さんべあずきはらまいぼつりんこうえん)」が作られました。

実際に訪れてみると、周囲には山しかありません。そんなところに突然野原が開け、地上に出入口がぽつんとある。まるで子供の頃にみた戦隊ヒーローものの秘密基地のようです。地下に作られた「縄文の森発掘保存展示棟」では、その姿を間近で見ることができます。

▲秘密基地みたいじゃないですか?

▲秘密基地にはこの入口から…。高所恐怖症の方はご注意ください

▲地下に入るとまず遭遇するのが、堆積物が層になった壁。正しくは、我々がいる場所が穴を掘った部分なので、地層の中に入りこんでいるのです

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