【ジャガー E-PACE試乗】待望の180馬力ディーゼルが上陸!加速は力強く高速巡航は快適

「十年ひと昔」といいますが、最新のジャガーを見るたびに、わずか10年ほどの期間で、よくぞこれほど大胆にイメージチェンジを図ったものだと感心させられます。

1990年代後半から2000年代初頭のジャガーといえば、フラッグシップサルーンの「XJ」シリーズを筆頭に、ミドルサルーンの「Sタイプ」、コンパクトサルーンの「Xタイプ」など、懐古趣味的なたたずまいを見せるセダンが主力でした。イギリス車という響きから想像するとおりの、重厚で伝統を感じさせる装いや設えに、憧れや愛着を抱くファンがいたのも事実ではありますが、そのイメージが先行し過ぎてしまい、気軽には手を出しづらい雰囲気があったのも事実です。

そんなイメージからの脱却を図るべく、2000年代中盤には、スポーツモデルの2代目「XK」シリーズ、新しい4ドアミドルサルーン「XF」が相次いでデビューを飾り、その後、XJがフルモデルチェンジ、コンパクトセダンの新生「XE」、ジャガー初のSUV「F-PACE(エフ・ペイス)」の誕生といった具合に、立て続けに新世代モデルを導入してきました。それらはクールで都会的なルックスとモダンなインテリアを備えており、旧来のイメージからのあまりの変貌ぶりに、驚かされたクルマ好きも少なくありませんでした。その変化を例えるなら、ウェストミンスター宮殿が一夜にして、ロンドン・シティばりの現代建築へと建て替えられたほど、とでもいいましょうか…。

さて、今年2018年から日本に導入された「E-PACE(イー・ペイス)」は、そんなジャガーの変化や進化を象徴するモデルのひとつ。きっと10年前であれば、ジャガーがコンパクトSUV市場に参入するなど、誰も思っていなかったことでしょう。これまでのジャガーにはなかったカジュアルさはもちろん、躍動感あふれるデザインや軽快な走りでも注目を集めるE-PACEですが、先頃、ディーゼルエンジン搭載モデルのデリバリーも始まりました。この新たなバリエーションは、E-PACEにさらなる魅力を与えているのでしょうか?

【次ページ】攻めの姿勢から生まれた最も身近なジャガー

この記事のタイトルとURLをコピーする

関連するキーワード