焚き火の種類とその特徴を知れば目的やシーンに応じて便利に使い分けられます!

■どんな時に焚き火をする?

焚き火の種類を紹介する前に、おさらいです。みなさんは、焚き火で何をしますか? 暖を取る、調理に使う、灯り、観賞などでしょうか? 私は夏でも虫除けに焚き火をすることも多いのですが、ほとんどは前の4つの用途ではないでしょうか。

そんな何役もこなす焚き火ですが、形状(薪の置き方・組み方)によって火の強さや明るさなどが異なるため、用途がかなり違うのです。

そこで、ここから5タイプの焚き火とその特徴を紹介していきます。

1.【ティピー型】灯りや暖を取る際におすすめ

三角テントのような形がティピー型の焚き火。内側から細い枝、外側に向かってだんだん枝を太くしていくとより燃焼効率が高くなります。

暖を取るならば、今回紹介する焚き火の中ではトップレベルの暖かさで、灯りも十分取れます。私は着火した直後や、暖を取りたい時にこの形状にすることが多いです。

着火直後は火力が安定しないので、一気に大火力に持っていきたい時に重宝します。雨で薪が濡れているときなども、周りの木を乾かしながら、大火力をキープできるのでおすすめです。

雨の日に行う場合は、火の高さが出やすいので、タープ下など、上に何かがあるところで行う場合は要注意です。

私も多用するのですが、調理に向かないのと、燃焼効率が良すぎて何時間もこの形状で焚き火を行うには大量の薪が必要になるのが難点。なので、焚き火始め、暖を取る時など、限定的に使うのがいいかもしれません。

上にクッカーを置けないので、調理や湯沸かしをする場合は写真のように横に置くしかできません。湯沸かしや煮込み料理なら可能かもしれませんが、焼き物は厳しいです!

2.【さしかけ型】少ない薪で着火したいときに便利

少し太めの薪を横たわらせて、その薪に細い枝を立てかけていく形状です。内側は細い枝で、外側に向かって太い枝を立てかけていくのがポイントです。

この形は初めに横たわらせた太めの薪を早く炭化させることができて、少ない材料でも火を起こしやすい組み方です。私は着火時に使うことが多いですね。ちゃんと並べられれば、ワンマッチで着火が可能です。今回紹介する組み方の中ではトップレベルの着火の早さだと思います。

ただ、あまり大きな火になりにくいのと、調理はしにくいのが難点。なので、暖を取るときや調理にはあまり向かないと思ってください。着火や一度燻ってしまった薪の火を再度大きくする時などは役立ちます。

写真のように、クッカーを横にしか置けないので、湯沸かしや煮込み料理くらいまでが限界かと思います。

3.【放射型】火力コントロールがしやすく長持ち

漫画やアニメなどでよく見かける焚き火の組み方で、上の写真のように、放射状に薪を置いていきます。火力調整がしやすい組み方で、昔の人が大型テントの中で焚き火をするために、あまり炎を上に上げないように多用したと言われています。

中央で火を起こし、どんどん中心に向かって、枝を押し込んでいくやり方で火力を上げることができ、薪を中央から離せば火力が弱まります。あまり、炎が上に上がりにくいのも特徴です。ある程度、焚き火ができる面積が広くないとできない方法かもしれません。

調理に関しては放射状に置かれた薪の上か、間に置くことが可能なので、調理はしやすい組み方だと思いますが、私はあまり使いません。理由は大火力が苦手なのと、面積を取るからです。逆に強火は必要なく、長く焚き火を楽しみたい方には、非常にいい組み方だと思います。

4.【井桁型】煙突効果で大火力を得られる


写真のように井桁状に上に向かって薪を組んでいく方法です。中の部分が煙突効果で上昇気流が派生し、一気に火力を上げてくれます。着火時や観賞時に重宝する組み方だと思います。欠点としては燃焼効率が非常に良いので、大量の薪を消化してしまうことと炎が高く上がるので、幕やタープに注意が必要です。

熱量も多く、暖を取るのにも向いています。調理は、このままではできませんが、写真のように上に薪で五徳を作ってしまえば可能です。ただ、井桁を同じ形状に保つのが難しいので、ずっと調理するのは難しいです。崩れ落ちるのは注意してください。

5.【並列型】火力調整自在で少ない薪での焚き火に最適

太い薪を2本並行に置きます。その真ん中に細い薪を太い薪と並行に入れます。外側の太い薪が炭化して細くなったら、中央へ寄せていき、外側に太い薪を足します。これを繰り返すことで、火力調整が簡単にできて、長持ちする焚き火が完成します。

私が最も多用する焚き火です。写真では朝だったので、あまり太い薪ではないですが、このように応用も可能です。中央部分の小枝は燃料として、外側の太い薪は炭化してくるので、ちょっと火が消えても吹けばすぐに復活します。そして、五徳がわりになりますので調理もしやすいのが特徴。薪の量を増やせば、暖も取れますし、火力を一気に上げたい時は、外側の薪を中央に近づける。火力を下げたい時は反対に、薪同士の距離を遠ざけます。

こんなふうに五徳として使用すると便利です。特に朝の焚き火はなるべく少ない薪の量で効率的に焚き火をしたいので、本当に便利です。

いかがでしたでしょうか?

今回は、ティピー型、さしかけ型、井桁型、放射型、並列型の、それぞれの長所とどのような時に使用するのがいいのかを紹介しました。よく使い分ける5種類で、ほとんどの焚き火はこの形の変形だったり、応用でできるものなので、この5つをまず試してみてください。そして、自分に、また用途に合った焚き火を育ててください。

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(文・写真/RYU

RYU/横浜元町ミリタリーキャンパー

RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」

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