【比べてみた】「とにかく軽い」アウトドアチェア7選

20160702_outdoorchair00

写真左から
(1)ロゴス「ウルトラライトチェアL」
(2)エーライト「カルパインチェア」
(3)コールマン「リーフィーチェア ハイバック」
(4)ドッペルギャンガーアウトドア「Vチェア」
(5)ヘリノックス「ビーチチェア」
(6)ドッペルギャンガーアウトドア「ウルトラライトハイシートチェア」
(7)ヘリノックス「チェアワン ミニ」
・500mlペットボトル

同じ軽量チェアとはいっても、大きさにはかなりの違いが出てきます。フレームの構造や太さによって、収納時にどれだけコンパクトにできるかが変わってきます。もちろんどれも1.5kg以下なので、重さの負担は少ないですが、キャンプ場やフェス会場への移動時を考えると、小さくできることは重要です。


(1)ロゴス「ウルトラライトチェアL」

7992円
http://www.logos.ne.jp/products/info/2904
サイズ:W400×H600×D400mm
収納サイズ:Φ140×H600mm
重量:950g
座面高:330mm
耐荷重:100kg
カラー:1色

キャンプ用品を中心に手頃な価格の商品を数多く作り続けてきたロゴス。近年はデザイン性にこだわったアイテムもリリースしています。

そんなロゴスからは、実は多くの種類のチェアが発売されています。今回紹介するのは、いわゆる昔ながらの構造で座面が高いチェアになります。

背面が立っているのでリラックスするタイプではありませんが、フレームと座面が一体化しているので、広げるだけでOKという組み立て不要という手軽さがあります。また、頻繁に立ったり座ったりするのに楽な座面の高さ、これも軽量チェアの中では他にない特徴になります。

20160702_outdoorchair01

パーツはすべて一体化しているので、収納袋からはひとまとまりになった椅子本体を出すだけ。

20160702_outdoorchair02

20160702_outdoorchair05

座面の奥行きがないので、浅く腰掛ける形に。ただし上半身が立ち気味なことと、やはり座面が高いので、立ち上がるのは簡単です(モデルの身長は177cm)。

20160702_outdoorchair04

片付けやすさは抜群。四隅から中央に向けて力を掛けるだけで、すぼまってくれます。コンパクトチェアは、フレームと座面が別になっているものが多い中で、一体化している構造ならではの手軽さは魅力です。


(2)エーライト「カルパインチェア」

1万6740円
http://goldwinwebstore.jp/ec/pro/disp/7/YN21601
サイズ:W584×H864×D508mm
収納サイズ:W152×H686×D102mm
重量:1490g
座面高:380mm
耐荷重:113.4kg
カラー:5色

軽量かつ座り心地がいいチェアで一躍名を馳せたエーライト。この「カルパインチェア」は、今年発売された新作になります。これまでのモデルは、ローチェアばかりでしたが、待望のハイチェアです。

20160702_outdoorchair06

構造は、フレームと座面のみなのですが、開けて驚いたのはやはりフレーム。途中で曲がっているものもあります。それを上手く分割させることで、幅を取ることなく収納できるように工夫しています。

20160702_outdoorchair07

結節部分は1カ所のみで、前側はフレームを折り曲げた構造になっています。この形を頭に入れておかないと、最初は組み立てに少し苦労するかもしれません。

20160702_outdoorchair09

20160702_outdoorchair10

座面高が38cmというだけあり、膝が直角に近い状態で座れていることが分かります。お尻はストンと落とすような感覚になりリラックスできるのに、なおかつ立ち上がりやすいという、珍しいチェアです。

20160702_outdoorchair11

エーライトのチェアの特徴である背中が包み込まれるような広い背面は健在。肩まわりがシートからはみ出ることなく、すっぽりと覆われています。

20160702_outdoorchair08

座ってみて分かったのですが、このフレームの構造も座り心地につながっているのかもしれません。座面前側の左右から下に向けて斜めにフレームが伸びていますが、座面に体重がかかると、この2本のフレームが内側方向にしなります。後ろ側に伸びるフレームでも同じことが起こり、シートの張力だけでなく、フレームのしなりによってやわらかな座り心地を実現しています。またフレームがすべてつながっているため、安定感もあります。


(3)コールマン「リーフィーチェア ハイバック」

1万3824円
http://ec.coleman.co.jp/item/IS00060N04971.html
サイズ:W560×H1010×D670mm
収納サイズ:W150×H500×D100mm
重量:1500g
座面高:420mm
耐荷重:100kg
カラー:2色

キャンプ用品の雄、コールマン。これまでもさまざまなチェアを発売してきましたが、今年発売されたこのモデルは、軽量でかつハイバックタイプ。リラックスできるチェアは今までもラインナップしていましたが、これは立ったり座ったりもしやすい、実用性も備えるタイプです。

20160702_outdoorchair12

バラバラにした状態は、かなりコンパクト。ハイバックなので、当然ながらシート面積も広く、フレームも長いのですが、収納しやすく持ち運びやすいように上手くコンパクト化を実現しています。

20160702_outdoorchair13

特徴的なのが、背面側フレームが途中で少し曲がっている点。おそらく座った際のバランスを考えての構造だと思われます。

20160702_outdoorchair14

中心部は硬質樹脂製のフレームになっていて、各フレームを穴にスポスポ入れていきます。背面側と前面側のフレームを違う場所に挿すようにしているため、中心フレームを突き抜けるような形になり、しっかりと挿せています。

20160702_outdoorchair15

立ち姿を見るだけで、座面の高さが分かります。脚の前後幅が全体の大きさに比べてさほどないため、やはり安定感が気になるところです。

20160702_outdoorchair16

座ってみてまず感じたのが、とにかくラク! 浅すぎず深すぎない絶妙な座り心地。頭部まで受け止める背もたれ。お尻から前までが少し短いですが、逆にこれにより立ち上がりやすくなっています。リラックスと実用性を兼ね備えたチェアといえるのではないでしょうか。

20160702_outdoorchair17

見てください、この後ろ姿。普通の椅子でもハイバックは高級や高機能というイメージがありますが、それに近いものがあります。気になっていたバランスも、さほど気になりませんでした。

20160702_outdoorchair18

背面部分の上部は少しクッションが入っています。それほど快適さに変わりはありませんが、このちょっとした気遣いはうれしいですね。


(4)ドッペルギャンガーアウトドア「Vチェア」

6480円
http://www.doppelganger-sports.jp/product/c1_60/
サイズ:W550×H730/800/850×D80mm
収納サイズ:Φ70×H440
重量:629g
座面高:―
耐荷重:80kg
カラー:1色

今回、唯一の変わり種。チェアはチェアなんですが、リラックスするためというよりは、立っているときとさほど変わらないスペースで楽に過ごすための“支え棒”進化版とでもいえばいいのかも。

意外と活躍の場はありそうで、行列に並んでいるときや、野外フェスで座るとステージが見えなくなるときなど、これがあって良かったというシーンはありそうです。

20160702_outdoorchair19

20160702_outdoorchair20

とにかく太いフレームが特徴。フレームを伸ばして広げれば完成です。接地部分はラバー製の球体になっていて、滑りにくくなっています。また、高さは3段階に調整が可能で、身長145~185cmまで対応。腰掛ける部分は幅5cmのベルトです。

20160702_outdoorchair21

お尻の下部分にベルトがあたるようにして体重を掛けていきます。自分の脚とチェアが同じ角度になるようにすると座れるのですが、最初は少し戸惑いました。慣れるとさほど難しくないと思います。

たしかに、座り込むわけにはいかない場所では重宝します。さほどコンパクトにならない点も踏まえて、これを持ち歩く手間の分だけ少しラクができるというわけですね。


(5)ヘリノックス「ビーチチェア」

1万8360円
http://www.helinox.jp/menu124/contents241
サイズ:W590×H800×D730mm
収納サイズ:W470×H140×D120mm
重量:1480g
座面高:270mm
耐荷重:145kg
カラー:2色

登場するやいなや、一気にアウトドアチェアの人気ブランドへと上りつめたヘリノックス。軽くて頑丈という重要なふたつのポイントをきっちり押さえ、一度座れば人気も納得の品質を誇ります。

昨年までは、シンプルで小型な「チェアワン」が主流でしたが、今年はその技術力を活かしてさまざまなスタイルの製品を投入してきました。そのひとつが、この「ビーチチェア」です。

20160702_outdoorchair22

「チェアワン」と違い、一部に曲がったフレームが使われていることから、分解したフレームは多少かさばる印象です。ただし、ヘリノックスの各モデルに共通する特徴なのですが、細かく分解するので長さが短くなってくれます。また収納袋が大きめに作られているので、収納の際に無理がありません。

20160702_outdoorchair23

そして最大の特徴は、なんといっても脚。接地は点ではなく面になっています。名前からも分かるように、ビーチでも沈まず使えることがポイントです。当然ながらヘリノックスだけにフレーム精度は抜群。「チェアワン」同様、気持ちいいぐらいスポスポはまってくれます。

20160702_outdoorchair24

これも他にはないヘリノックスの特徴なんですが、座面のテンションがとても強力。その分、組み立て時に力は必要ですが、これだけピンと張ってくれると安心感はあります。

20160702_outdoorchair25

20160702_outdoorchair26

収納袋には面ファスナー(ベルクロ)が付いています。そして、チェア上部の前面と背面にも同じく面ファスナーが。背面側に付けると小物入れに、中にタオルなどを入れて前面側に付けるとマクラになってくれます。

20160702_outdoorchair27

低い着座姿勢なので、多少脚は投げ出すような形に。ハイバックなのですが、もたれかかっても不安はなく、まさにリラックスといったところ。面で接地だからか、感覚としての安定感は抜群です。ただし、前後にゆらゆらはできません。

20160702_outdoorchair28

脚の先端はこのような形状に。これならビーチでも問題なく使えそうですね。

20160702_outdoorchair29

座面はお尻周辺と上部以外はメッシュになっています。実は、この夏から全面メッシュの座面「ビーチチェア サマーキット」(1万1880円)がオプションとして発売開始されました。こちらはもう、見るからに涼しげ。フレームは付いていないので、まずは通常の「ビーチチェア」を購入する必要があります。


(6)ドッペルギャンガーアウトドア「ウルトラライトハイシートチェア」

4968円
http://www.doppelganger-sports.jp/product/c1_181/
サイズ:W350×H465×D320mm
収納サイズ:Φ100×長さ350mm
重量:652g
座面高:465mm
耐荷重:120kg
カラー:1色

アイデア系アウトドアギアを数多く手掛けるドッペルギャンガーアウトドア。「Vチェア」に続いて、こちらもシンプルな構造の3本脚チェアです。

20160702_outdoorchair30

収納時は、3本の脚を縮めて、膨らんでしまう座面部分をベルトで留めるだけ。元々シンプルなので、組み立ても収納も簡単です。ベルトは座面部分にくっついているので、折り畳み傘を巻くように、ラクにまとめられます。

20160702_outdoorchair31

収納袋から出して、脚を伸ばして広げるだけで完成。ほぼ手間いらず。

20160702_outdoorchair32

とにかく座面が高い。この手のタイプは、コンパクト化を第一にするために低いものが多いのですが、これはハイシートという名前だけあり、背もたれなしのパイプ椅子のような感覚です。

20160702_outdoorchair33

座面の小ささが座り心地にどう影響するかと思っていましたが、座面が三角形なことから、意外にも違和感なく座れました。


(7)ヘリノックス「チェアワン ミニ」

9720円
http://www.helinox.jp/menu124/contents241
サイズ:W400×H440×D340mm
収納サイズ:W260×H100×D80mm
重量:500g
座面高:240mm
耐荷重:90kg
カラー:5色

ヘリノックスのチェアとしては最小モデルとなる、今年の新作「チェアワン ミニ」。重さが500mlのペットボトルと同じ、たったの500g。形は「チェアワン」と同じで、そのまま小さくしたイメージです。

当然ながら座面も小さいので、座り心地が気になりますよね。

20160702_outdoorchair34

収納時もその小ささは歴然。今回試した7商品の中で唯一、グレゴリーのボディバッグ「テールメイト」に収まりました。

20160702_outdoorchair35

バラした状態も、いうまでもなくミニ版「チェアワン」。フレームの短さが、ミニであることを物語っています。

20160702_outdoorchair36

比較するものがないと「チェアワン」と間違ってしまいそうですが、実際は子ども用かと思ってしまうほど小さいんです。

20160702_outdoorchair37

座面を付けても子供用にしか見えません。収納袋は、座面を張る前にフレームに両側の取っ手を通すことで、小物入れになってくれます。

20160702_outdoorchair38

やはり小さい…。177cmの男が座った姿を見ると、グシャッと潰れてしまいそうな雰囲気ですが、実は耐荷重は90kg。たしかに座っていても壊れてしまいそうな気配は微塵もありませんでした。

20160702_outdoorchair39

お尻はすっぽり覆ってくれます。正直に言うと、地べたに座るのと何が違うのかという気もします。しかし地面がコンクリートやアスファルトのような硬い場所に座っているよりは、断然ラク。小さな背もたれも、ほんのり効果があるような気も…。何といっても軽さと小ささは群を抜いています。それがこのチェア最大の魅力ではないでしょうか。


今回も、真横から見た写真を並べてみました。特徴的なものが多いので、かなり面白いものになっています。

20160702_outdoorchair43

注目して見ていただきたいのは、やはり座面の高さ。ヘリノックスの「ビーチチェア」と、エーライトの「カルパインチェア」やコールマンの「リーフィーチェア ハイバック」ではかなり印象が違ってきます。

立ったり座ったりが多いキャンプでは座面高は高い方が便利です。しかし、フェスで長い時間のんびり過ごすといった場合には、ローチェアの方がリラックスできたりします。

まだチェアを用意していないという人は、この記事と昨年の記事を参考にして目星をつけ、一度アウトドアショップで座って試してくださいね。

(取材・文/エンドウヒデカズ 写真/佐藤正樹)

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする