固形燃料で調理ができる「ミニかまど」は試行錯誤するのがおもしろい!

■ロッキーカップとほぼ同じ大きさ

「ミニかまど」は組み立て式で、小さくまとめて持ち運べます。組み立てといっても各パーツを順番に載せていくだけで、複雑な作業はありません。

▲収納サイズはφ12.5×H6.5cm、300g

一般的なシェラカップの容器部分はφ11.9×H4cm。ロッキーカップはφ11.9×H5.8cmなので、ロッキーカップよりわずかに大きくなっています。

シェラカップを重ねたところ、「ミニかまど」の細かなパーツがどうしても飛び出ます。

ロッキーカップの場合は、パーツが収まるけれども今度はロッキーカップが「ミニかまど」の底まで入り込めず飛び出します。

けれども、どうせシェラカップやロッキーカップのハンドルは飛び出るので、これくらいなら許容範囲といえます。付属の巾着型収納袋にマッチ、固形燃料とともにいれて持ち運べば、いつでもコーヒータイムのはじまりです。

▲左上より時計回りに固形燃料用受け皿、カマド上部、カマド下部、ゴトク台、灰受、ホルダー、五徳3本

「ミニかまど」を構成しているのは、3本の五徳を含めた全9個のパーツです。広げる・切れ込みに組み合わせるなんていうことはなく、順番に載せていくだけ。しかも、順番や向きを変えることで燃料や鍋にあわせてカスタムできるんです。

(1)固形燃料バージョン

灰受の上にカマド下部をかぶせます。

カマド上部を載せます。

カマドのつなぎ目に小さな溝というか棚が生まれるので、ここにホルダーを入れ込みます。

ホルダーに固形燃料用受け皿を載せ、五徳台と五徳をカマド上部に取り付けて完成。

ホルダーは裏返すことで受け皿の高さを1cmほど変えられます。たとえばエスビットなど薄いタブレットは五徳に近づけ、大きめの青っぽい固形燃料は低くするなんて具合に選べるのがいいですね。

(2)薪バージョン薪で調理をするときは固形燃料用受け皿は使いません。カマド上部と下部を組み合わせ、五徳台をセット。その上にホルダーを載せます。

▲直火OKのエリアで使うか、耐熱テーブルに載せましょう

薪を下部の穴から差し入れ、火を着けます。薪の追加をしやすいのがいいですね。

実際に使ってみると円筒形のためでしょうか、少量の薪でも勢いよく炎が上がりました。ただ、灰受はあるものの熱がダイレクトに地面に伝わるので、耐熱テーブルやブロックなどを使う必要があります。ブロックなどに載せる場合は、薪がこぼれ落ちることのないよう「ミニかまど」の中に押し込むことも忘れずに。

 

■シェラカップから飯盒まで幅広い鍋に対応

ロッキーカップとほぼ同じ直径ですが、五徳の向きを変えることで大きめの鍋にも対応します。

▲五徳を内向きにセット

シェラカップなど底の小さな鍋やカップに対応します。U字型の五徳なので安定感があるんです。

かまどと聞いたらやってみたくなるのが、“峠の釜めし”の空き釜を使った調理でしょう。

底が小さいので五徳を内向きにすると安定します。五徳と五徳台を外すと、釜の下の方だけ内側に入ってそれっぽくなりますが、これだとホルダーに載せた固形燃料との距離が近すぎ。ホルダーを灰受に置くとちょうどよさそうですが、空気の流れが少々悪くなるかも? 万一、釜が割れるとイヤだなぁと思ってまだ試していません。

▲五徳を外向きに

五徳台に差し込む際、五徳を外向きにすると大型の鍋を載せられます。

▲スタンダードなメスティン

▲山岳飯盒弐型

あまりに大型の鍋は加熱ムラができるもと。ラージメスティンや2合タイプの飯盒が限度でしょう。

*  *  *

カセットボンベ仕様のバーナーのほうが火力調整は楽ですが、微妙に余る燃料缶に手を焼きます。とくに飛行機を使うようなキャンプ旅では燃料を使い切るのが大変で、かといって使い切らずに穴を開けてガスを抜くのも危険です。

その点、固形燃料は100円ショップなどで少量パックが手に入るので使い切れる。卓上でも使えるのでフォンデュやあぶり焼きにも良さそうです。なにより固形燃料を使い切っても小枝を燃料にできるというのは大きな安心材料なんですね。

公式な使い方ではありませんが、五徳を付けたホルダーをカマド下部に載せてアルコールストーブにかぶせてもよさそう。薪の熱が地面に伝わりやすいので、単体で使うには場所が限られますが、ONOEの「マルチスタンド S-ブラック」やいろいろなメーカーが用意している脚付きの折りたたみ五徳なんかを使うことでその問題は解消します。

五徳の向きや固形燃料用の受け皿位置を変えられるように、いろいろな使い方を試したくなる。それこそが「ミニかまど」の魔力です。

>> 尾上製作所

 

>> [連載]アウトドア銘品図鑑

<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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