スバルが2024年12月に発売した「クロストレック・プレミアムS:HEV EX」に、25年1月に試乗しました。トヨタの技術供与を受けてますが、スバルらしい走りにこだわったところが、注目したい出来ばえです。
■「クロストレックS:HEV」の売りは燃費の向上と走りの追求
クロストレックは、インプレッサをベースに、SUVテイストを盛り込んで開発された、いわゆるクロスオーバー。2022年にマイルドハイブリッドエンジン搭載で発売されました。
スバルの開発者は「ストロングハイブリッド」とも呼ぶ、今回の「クロストレック・プレミアムS:HEV EX(以下クロストレックS:HEV)」をわざわざ開発した理由はなんなのでしょう。尋ねると、「走りが弱い、という声が顧客から寄せられていたから」ということでした。
クロストレックの課題として、燃費をより良くする、と、これまで以上に走りを追求する、という2点があり、それを同時に追求したのが、今回のクロストレックS:HEVなのです。
実際に、走りはスムーズです。トヨタが手がける「THSⅡ」なるハイブリッド技術を一部提供されて、モーターによる力強い加速が味わえるようになっています。
いっぽうで、燃費はリッターあたり18.9km。従来のマイルドハイブリッド「クロストレック・ツーリング」と「同リミテッド」の16.4kmを上回っています。
クロストレックS:HEVでは、さきの「ツーリング」と「リミテッド」が1995ccであるのに対して、総排気量2498ccの水平対向エンジンを搭載しています。ミラーサイクルといって燃費にすぐれる構造を採用しつつ、弱点となるパワー不足を補うため、118kW(ツーリングは107kW)のパワーが出せる大きな排気量を選択したのでしょう。
トヨタからハイブリッド技術の提供を受けてはいますが、エンジン本体は先述のとおり、スバルがこだわる水平対向式で、4WDモデルでも、物理的なプロペラシャフトで後輪に動力を伝えています。後輪をモーターで駆動するトヨタのE-Fourとことなる点ですね。
ただし、ハイブリッド化によって、プロペラシャフトの駆動に電子制御カプリングを使うことになり、「これまでより速くトルクを後輪へと伝えることができるようになりました」と、スバルの技術者は話しています。
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