■Coreの“いいところ”3つ
私が乗ったのは、GLC220d 4MATIC CoreのSUVタイプ。2890mmのロングホイールベースによる広い後席空間と、620リッターの容積を持つ荷室による機能性が特徴です。かつ、評判どおり、操縦性にすぐれていて、オフロードはあいにく知らないんですが、一般道では運転が楽しめるクルマなのです。
いいところその1は、フレキシブルなディーゼルエンジン。マイルドハイブリッドなのでモーターの力も借りて低回転域から力がぐーっと出て、しかも回転を上げていくときのマナーが期待いじょうにスムーズなのです。音もよくって、これ、ほんとにディーゼルかいな? と思ったほどです。
いいところその2は、ハンドリング。ステアリングフィールはCクラスのようなセダンみたいで、メルセデスの伝統的セダン、つまりCクラスとかEクラスで感じるフィールが健在なのです。
ステアリングホイールをカーブで操作すると、じわーっと車体がロールしていく独特の感覚があります。かつ、ステアリングホイール自体の復元力は弱め。強いトルクで中立付近に戻さないのは、昔からのメルセデス・ベンツ独特の安全思想です。かといって、いわゆるクロスカントリー型SUVのようにフィールがないわけでなく、しっかりと路面のインフォメーションが伝わってきます。
いってみれば上質な操縦性。それに加えて、いいところその3として、剛性感が高いシャシーと、うまく設定されたサスペンションシステムがあります、乗員を揺さぶらないフラットな姿勢保持と、路面の凹凸を吸収してくれて快適な乗り心地が、上質感につながります。
標準のGLC220d 4MATICが876万円。今回のGLC220d 4MATIC Coreは819万円(ちなみに、GLC220d 4MATICクーペは916万円で、同Coreは866万円)。絶対的な価格をみると、800万円を払える人なら、標準モデルでもいいのでは、と思わないでもないですが、もし57万円を節約したいなら、Coreで失望することはないはずです。
【Specifications】
Mercedes-Benz GLC220d 4MATIC Core
全長×全幅×全高:4720×1890×1640mm
ホイールベース:2890mm
エンジン:1992cc4気筒ディーゼル+マイルドハイブリッド
駆動:全輪駆動
最高出力:エンジン145kW+モーター17kW
最大トルク:エンジン440Nm+モーター205Nm
乗車定員:5名
燃費:18.1km@l(WLTC)
価格:819万円
>> メルセデス・ベンツ日本
<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
【関連記事】
◆オートモビルカウンシル2025で見つけた1980〜90年代を彩った名車たち
◆車重2900kgで、静止から時速100kmまで4.3秒! ロールス・ロイス「スペクター」の“ブラック・バッジ”の加速に驚がく
◆スタイリッシュなプレミアムクラス・アウディ「A5」「S5」から見て取れる、エンジンづくりを諦めていない姿勢
- 1
- 2


























